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第11曲

前回の続きなので前説なしです。


てか毎日投稿とか無理すぎてぱちこいた、ごめんなさい。

違和感を感じつつも俺は今日の寝床を探して歩く。

ゲームとはいえ、さすがに路上で寝るような真似はしたくない。


そんなことを思いながら歩いていると、一際豪奢な作りをした建築物が目に入る。

この辺りの建物の中ではかなり大きい造りをしており、入口の前には鎧を纏った兵士のような人が立っていた。


先程の衛兵とはまた違う、屈強そうな雰囲気を醸し出していて、身につけている鎧も少し高そうな感じだ。


なんとかくこれは宿場な気がして入ることを決めた。

例え宿場ではなくとも、俺はソロプレイだとしても金はたんまり持っているので心配ない。

どんなところでも泊まれるほどの金はあるので、ここを外したとしてもまた歩いて探せばいいだろう。


そうして入り口の前まで着き、中に入ろうとする。

しかし、その瞬間、両脇に立っていた兵士のような人たちがまたもや跪き始め、こう口を開く。


「これはこれはエルフ様、本日はどのようなご用件でございますでしょうか?」


ひどく丁寧で、腰の低い言い方だ。


「お勤めご苦労様です。寝床を探して辿り着いた次第ではございますが、こちらは宿場でお間違いないでしょうか?」


「そのように敬っていただく必要はございません!この国ではエルフ様は象徴でございます故、例え旅のお方だとしてもそのような振る舞いは誤解を招いてしまわれます、お気をつけくださいませ。ご質問に対するお答えですが、ここは宿屋、宿場でお間違いございません。ただ、エルフ様のような高尚な種族の方がご宿泊なされるほどの宿屋ではありません。この先まっすぐ進んでいただくと神聖区と呼ばれる、エルフ様がお住まいになられる地区がありますので、そちらの方にございます宿屋をご利用いただくのがよろしいかと…」


神聖区……。

差別表現のオンパレードだな。


運営は頭がとち狂ったのか?

こんなのコンプライアンス引っかかりまくるだろ。

正直“プレイ”していてなにも楽しくない。


ここまで自分を蔑むと、自虐ネタとは到底思うことができなくなってくる。


「私は流浪の旅人でございます。そのように自分を卑下なさらないでください。私はここの宿屋が目に止まり、気に入ったからこそ宿泊を決めたのです。どうか泊まらせてはいただけないでしょうか?」


そう言って頭を下げる。

こんなイベントに乗っかってやるもんか。


親世代では『イジメ』というのがよくあったらしいが、俺たちの時代ではそれは法律違反だ。

差別を助長する『イジメ』を、根本から絶やした素晴らしい法律だと俺は思ってる。

だからこそかもしれないが、こういう表現は好きじゃない。


ただそれだけの思いで発した言葉ではあったが、向こうは口をぽかんと開けて唖然としていた。


「え、いや、しかしですね…。ここはその、中流層向けの宿屋でして。エルフ様が泊まられるほどのお部屋はご用意がないのです」


「私は先ほども申し上げた通り流れ人でございます。中流どころか底流層でもおかしくございません。そんな私をどうか泊めていただけないでしょうか?」


俺はそう再度懇願する。


「そうおっしゃられても…」


また同じ問答を繰り返すのかと呆れ返った時、奥から品のある白髪に立派な髭を蓄えた老紳士が現れた。


「何事かね?」


真っ白な髭を撫でつけながら出てきた老紳士は、両脇にいる兵士にそう話しかける。


「支配人っ!それは…こちらのエルフ様が支配人の宿屋にぜひ泊まらせて欲しいと申し立てがございまして…どうしたものかと……」


「ほう…」


この宿場の老紳士である支配人は、目を細めつつ俺を見てきた。

先ほどの柔和そうな雰囲気ではなく、魚市場で魚を選別する漁師のような品定めをしている雰囲気だ。


おそらくこの変なイベントに巻き込まれてから初めてこんな不躾な視線に晒された気がする。


「こちらの支配人をさせていただいている《レファンドル》と申します。以後は“レファ”とお呼びください。さて、少し中でお話を伺いたいのですが、よろしいでしょうか?」


品定めをされているかと思いきや突然話しかけられた。


「え?あ、えぇ。なにも問題はございません」


突然だったから準備してなかった。


(焦ったぁ……)


しかし、中へ誘われたということは認められたのだろうか。


「それではこちらにどうぞ」


そう言うと両脇の兵士はお互い向かい合い、支配人であるレファがどうぞと言いながら先を歩き出す。



さて、俺は今夜快眠できるのだろうか…。


短いかもしれません!


許してください!

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