第10曲
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よくこのような小説を読んでいると見かける“奴隷”という言葉であるが、みなさんは現実の歴史上に実際に存在していたということはご存知であろうか。
言葉がある時点でいることに間違いはないが、その内容まで知っている人は少ないはずだ。
今でも時々ニュースなどのマスメディアで見かける“黒人差別”の文字であるが、これが何を示しているのか、もうお分りいただけただろう。
今でこそ差別という文字に置き換わってはいるが、その昔黒人は“奴隷”として扱われており、白人という人種は黒人を同じ人間と考えていなかったのだ。
人権という言葉がその昔には重要視されておらず、黒人の多くは商品として売買されていた。
そのような売買することのできる法律もあったというと驚いていただけるだろうか。
このような歴史があるため、白人の一部は今でも黒人という人種を認めていない人がいる。
そういう思想の影響を受けた人たちがあのようなマスメディアの餌食となっているのだ。
“奴隷”の待遇というのが気になっている方も多数いらっしゃると思うが、扱いは言ってしまえば家畜と何ら変わりがない。
先ほども言った通り、白人の人々は黒人を人間とは考えていなかったのだから当然といえば当然である。
農業や家のことを賃金を払って専門でやってもらうのだが、もちろん家畜にお金を払う飼い主はいない。
待遇がいい主人というのはあまりいなかったのでないであろうか。
つい200年ほど前まで存在していた“奴隷”であるが、私はその時代に生まれ落なくてこの上なく安堵している。
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「なんだったんだあいつら。なんか後味の悪いイベントだなぁ…」
真っ白で人形のように整った容姿を持ったエルフが凱旋門よりも一回りは大きい門をくぐり抜ける。
イベントなのかなんなのかわからないが、とりあえず先ほどの衛兵たちは解放してくれたようだ。
エルフだから…ということで検問もなくそのまま通れた。
警備ザルすぎない?
大丈夫この街??
そう心配するのも日本に住んでいたら当たり前のことだろう。
しかし、そんな心配なんぞ長くは続かなかった。
「お、おぉぉ……」
目の前に広がる、異国の情緒溢れた国を見て思考が停止してしまった。
車2台がすれ違えるくらいの幅の道路のような石畳がモノサシのように真っ直ぐと伸びており、その脇には淡い光を放つ街灯が等間隔で立っている。
家は全て作りが統一されており、家や店から漏れる灯からは楽しげな声を乗せて俺まで届く。
京都のように区画が綺麗に分けられているみたいで、雑多な日本からしたら信じられないほど綺麗であった。
こんな場所はまずゲームには存在していない。
ゲーム内で旅をするのが好きだった俺が言うんだから間違いない。
まぁ、全ての思考が停止してしまうほどには美しいとわかってくれればいい。
本当にそれほどなんだ。
ただ、何世紀か前のヨーロッパのような趣があるため、それを想像してくれると早いかもしれない。
止まっていた足を動かし始める。
この景色を頭の中に映像記録として残したくて、瞳孔を開きながらゆっくりと歩を進めた。
どこからか流れてくる音楽は、今まで聞いたことのないような音色を奏でている。
まぁ俺がそんなに音楽に詳しくないんだけどな。
しかし、耳を優しく撫でるその空気の振動は俺の心を高揚させる。
そこかしこからそんな音楽が漏れ出しており、それがまたこの街を作っているような気がする。
(こんな場所が日本にもあればいいのに…)
ついそう思ってしまうほど圧巻の景色だった。
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違和感をこの上なく感じている。
道を歩いていて他の歩行者とすれ違うと必ず頭を下げられるのだ。
なんでだ?
確かに俺はエルフの上位版、『ホワイトハイエルフ』だ。
ホワイトエルフとダークエルフから二股に分かれ、さらにもう一段階成長した種族であるが、ホワイトエルフは魔法に長けており、他の種族よりも魔法関係の能力値が群を抜いて高い。
あるイベントでもNPCのエルフから頭を下げられたことはあるが、あれはあくまでもイベントによるモーションだ。
普段からすれ違うたびに特殊なモーションをかけられるわけではない。
さらに通行人の中には首輪をつけている人も存在していた。
服とは言えないボロ雑巾のようなものを身に纏っており、明らかに“奴隷”とわかる風貌をしていたのだが、このゲームにはそのような差別をする表現は一切含まれていない。
おかしい、なにかがおかしい。
そう気づいてしまうほどには、俺の知っている『ニュージェネ』とは酷く乖離していた…。
短いかもしれません。
これ以上時間を作るのが難しいので勘弁してください…。




