第1曲
見切り発車のクソ投稿なので文章がとてつもなく拙いですが、読んでくれると感謝が絶えません!
アドバイスもあればぜひ!
20XX年、電子機器の開発が進み、人類はとうとう半覚醒時における意識没入型の機械を手にする時代となった。
これにより、様々な系統の発展に繋がり電子機器類だけには止まらず、医療や行政などにも多大なる進歩を及ばせるこことなる。
この電子機器の発展は産業を活性化させ、日本国に莫大な利益をもたらし、その中でも突出して利益をもたらしたものがゲームやアニメ業界であった。
今まで触れられなかった二次元の世界の住人たちに触れ合い、会話し、コミュニケーションをとることのできる唯一のツールは、全世界に瞬く間に広がっていき、今では欠かせないものとなっている。
このゲーム業界の中でも一際名を博したのが、半覚醒状態大規模多人数同時参加型ロール・プレイング・ゲーム(Half Awake State Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)、略して『HAS MMO RPG』のゲームの一つである、『New Generation』だった。
この『ニュージェネ』とも呼ばれるゲームは、所謂剣と魔法のファンタジー世界を冒険することができ、フルオープンワールドを謳っているため行けないところが存在しない。
さらに言えばファンタジーの定番である『職業』が優に100種類を超えており、様々な可能性を見出し、自分に合ったスタイルで遊ぶことができる。
これにより熱中するファンが増え続け、発売後1年経った今でも売り上げは衰えることがないという。
また便利な機能として外国の人たちとも自動翻訳機能によりコミュニケーションをとることができ、国際結婚の数が増加傾向にあるというのは意外な副産物なのかもしれない。
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少し前置きが長くなったが、高校2年の俺、『銀山 詩織』も『ニュージェネ』中毒者の1人であった。
この『ニュージェネ』はさっきも言った通り「自分に合ったスタイルを見つけ出し、世界を謳歌する」というのを売りにしており、男女関係なく楽しむことができるためクラスのやつの大半がやっている。
このゲームはまだ全クリアされておらず、ラスボスが何かすらわかっていない。
そのため、1年経った今でもクラスではほとんどの人間がこの話題について話している。
そう、今のように……。
「詩織ぃ〜、そろそろ一緒にやろーぜ『ニュージェネ』!お前が弱いのはわかってっからさぁ!」
「うおぉ、びっくりしたぁ。なんだよ航平、いきなり飛びつくなよ」
朝の登校中、音楽を聴きながら登校していた俺の肩に腕を回して後ろから飛びついてきたこいつは『吉本 航平』。
ツーブロックに横を剃ったツンツン茶髪頭の一昔前のヤンキースタイルを貫いており、学ランにパーカーといったクラスに1人はいるヤンチャなタイプの男子生徒で、身長が高く目立ち鼻が整っておりピアスを開けた耳もまた相まってオシャレに見えるモテ男である。
「早く俺のクラン入れってぇ〜。初心者大歓迎だからさっ!なっ?」
「別に弱いから入らないんじゃねーし、初心者でもねーよ」
「またまたぁ〜、1回も一緒にやってくれねーじゃんかよ。クラスで一緒にプレイしたことないのお前だけだぜ?」
そう、こいつはヤンキースタイルではあるがヤンキーではないため、クラスのやつから嫌われているわけではない。
さらにコミュ力おばけのため、逆にクラスの人からはわりと好かれているのだった。
「俺は1人で黙々とプレイしてーんだよ。ソロで十分だっての」
「いやでもソロだと辛いボスとかいるじゃん?そーゆーのもギルドで声かけるとすぐパーティ集まるしさ!野良も最近じゃ見かけないし、大変だろ?」
このゲームでは『クラン』というものが存在しており、簡単に説明するとゲーム上で常駐型のグループを結成し、様々なイベントなどを消化できたり、相互的に助け合う徒党のことである。
『クラン』によるイベントとは例えばレイドボスという、ソロでは到底勝てないようなステータスや武器を持ったボスと戦うイベントである。
これは『クラン』単位で挑むことが可能であり、平均で20〜30人で同時に参加することができるため、様々なギルドがこぞって挑戦するのだった。
レイドボスを倒すと莫大な経験値に加え、普通では手に入らないような武器やドロップアイテムが手に入る。
ただ、参加した全員がアイテムを入手できるとは限らない。
そのため、『クラン』内で揉め事が起き、それを機に解散する場合も少なくはない。
ただし、ほとんどの場合は既にそのような機に対する取り決めがあるため、平和的に解決することが可能だろう。
相互的な援助とは、例えばギルドメンバーのうちの1人(ここでは仮としてAさんとする)があるアイテムを欲しがっていたとする。
するとAさんは『ギルドチャット』という、ギルドの人のみと連絡を取り合うことのできるトークルームや掲示板のようなものに欲しいアイテムとの物々交換及び金銭による交換を申し込む。
そして持っていた人がいた場合、返事が来て「僕は○○が欲しいです!」と言った文章や、「○○支払っていただけたら!」のような返事がくるので、それに従ってAさんの持つアイテムと合致したり、金銭の場合は指定された金額を払うことによって自分の欲しいアイテムを交換することができる。
このように、自分の欲しいモノを気軽に手に入れることができたり、手に入れる方法などの教授が受けられる。
そのため、1年経った今では初心者ですら『クラン』への加入がほぼ通例となってきていた。
また『クラン戦』などのイベントによっては『クランランキング』を上昇させることができ、上に行けば行くほど月間ランキング精算時にもらえる特典が豪華になる仕様だ。
さらにこのゲームには『個人ランキング』も存在しており、これを上げるためには定期的に開催される『PVP』というタイマンイベントに勝たなければならない。
『個人ランキング』も同様に上がれば上がるほど特典が豪華になる。
「いいんだよ俺はソロで。野良も組まないし」
「え?お前野良も組まないの?それボス倒せるの?」
(はぁ、めんどくせぇな。この説明何度目だっての)
「はぁ〜、もういいだろ…。とにかく俺は『ニュージェネ』は1人でやりたいんだって」
「えぇ〜、今度の体育祭の打ち上げ『ニュージェネ』の星の瞬き亭でやるって言ってたぞ?お前それすらも来ないの?」
「え?まじ?」
「まじまじ」
最近の中学、高校のイベントごとの打ち上げは『ニュージェネ』内に存在する酒場で行われるのが主流にはなっているが、俺のクラスは元々あまり打ち上げという行事をやってこなかったためその情報は知らなかった。
「うわぁ、どーしよ。サブ垢でも作るかなぁ…」
「そこまでするっ!?どんだけ変なキャラ使ってんだよ…」
「いや、別にブサイクなキャラ作っちゃったから会いたくないわけではないぞ」
「あぁ、そうなんだ。でもま、詩織来ないと女の子たち悲しむから絶対来いよな!」
「なんで悲しむんだよ…。そりゃお前の役目だろーが」
そんな下らないやりとりをしているとあっという間に学校に着いてしまった。
今日は6限までミッチリ詰まっているため、帰宅部の俺でも帰るのが少し遅くなってしまう。
そんなことを思いながら下駄箱を通り過ぎクラスへ向かい、自分の席に着席する。
鞄から自分の教科書などを机の中に移し替えていると
「おはよ、詩織!」
そう元気よく挨拶してきたのは『中冨 朱音』だった。
朱音は茶髪に染めた肩下くらいの髪を緩く巻いており、スカートは短めでブレザーの中にピンクのカーディガンを着ているイケイケ女子である。
性格は朗らかで誰に対しても積極的に優しく話しかけていき、顔立ちも大きな目と瞳に小ぶりな鼻、上唇と下唇の太さが黄金比かとでも言うくらい完璧な形をしていて整っているため、かなりの男子からの倍率が存在している紛れも無い美少女であった。
今日も短いスカートから男子禁制のスラっとした絶対領域を見せびらかしながら隣の席に着席してきた。
「あぁ、おはよ朱音」
(ん?)
そう思いながら俺はあることに気づいた。
「朱音…前髪切ったんだ?いいね、似合ってるよ」
「っ!?」
女の子はそういうところに気づいてくれると嬉しいと聞いたことがあったのでいざ指摘してみたところ、朱音は顔を真っ赤にさせて目を泳がせていた。
(これはあれか?もしかして外したか?なるほどそれで、こいつ外してやがるぅ〜(笑)って思ってなんて言えばいいかわからないんだな)
そういうことならと
「朱音、1限の数学の宿題見してよ。俺『ニュージェネ』やってたからやってないんだよね」
華麗に話題を逸らしつつ、なおかつおこぼれを授かろうとする小狡い選択肢を選んだ。
危なかったな、変な噂が立つところだった。
好感度狙って見事に外していくアホだのなんだのと言われたくはみんななかろう。
「ぇ?あ、あぁ!いいよ全然!はいっ!」
さっきまでの感じはどこへやら、少し上機嫌にいつもは渋る宿題を渡してくれた。
「え?おぉ、ありがと」
ついどもってしまった。
いつもは大抵渋り、「自分でやりなよ」と言いつつ氷河期にも勝るとも劣らない勢いで睨みつけてくるので、今もただの話題を逸らすためだけの冗談だったのだが…。
まぁ本当に宿題はやってないので、結果オーライと言えば結果オーライなのだ。
とりあえずこれを写したら1限は終わったも同然だ。
さて、早々と写して…………寝るかっ!!
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