おじいちゃんの第2の人生
ある平凡な人生を終えた老人の話...
ピッ...ピッ...ピッ...ピーーーーーーーーー
『ご臨終です...』
その日私は死んだ
私は加藤 茂 97歳
幸せな家庭に見守られながら老衰で死んでいった...
『...きて..さ.』
『起きて..さい』
『起きてください!』
目の前には高校生くらいの美少女がいた。
銀髪ロングの可愛らしい服装をした子だ。
『あれ?俺死んだはずじゃ?』
すると銀髪の子が
『貴方は確かに死にました。そしてここは天国です。』
どうやらちゃんと死んだらしい
まぁあの状態から生き返ったら怖いよな
『そして貴方には2つの選択肢があります。天国で悠々と過ごすか他の世界で第2の人生をおくるか』
『第2の人生?』
『はい。前の住んでいた地球とはまた変わった世界。いわゆる異世界ってやつです。』
へぇ。そんなのあるんだ。
なんか流行ってるらしいしね
老後はやることが無いからテレビを見たり本を読んだりしてたけどそんな本も読んだ事なくは無いかな?
『その...異世界ってのはなにができるんだ?』
すると少女はにこやかに
『人間が考えている範囲では何でも出来ます!死ぬ前に一度でいいからやってみたかったなぁ〜ってことをやりたいって人がよく行きますね。』
ほう...それはなかなか魅力的だが...
『お断りするよ』
『ハァ?ナンデ?何でもできるんだよ?』
『いや...前の世界でもう十分過ぎるくらい満喫したからな。後は天国でまったり暮らすとするよ』
『いやいやいやいやいやいやいやいや天国って暇だよ?何も無いよ?できることと言ったら前の世界を上から眺めるくらいだよ?バカなの?だったら異世界行った方が断然いいじゃん!』
なんか凄い異世界行くの勧めてくるけど上から眺めれるんだったらひ孫の様子を見守れるだけで十分だし
『異世界!行きましょ!王にだって勇者にだってなれるのよ?憧れない?』
『いやあんまり...』
『あーーーもう!ぶっちゃけると天国の人の管理ってめんどくさいのよ!自分から天国にとどまるって言ったのに暇だー暇だーって凄い言ってくるのよ?それで仕事遅れて怒られるとかもう嫌なのよ!』
なんか気の毒だな...
『分かったよ...じゃあ異世界行ってみるよ』
本当に渋々だけど自分のせいで困ってるとか嫌だからね
『本当?じゃあ行きましょう?今すぐ!』
『いやいや何も知らない世界にいきなりほっぽりださないでくれよ。なんかしてくれるんだろう?』
貰えるものは貰っていく主義だ
『あーーーなにがいい?』
なんかいきなり適当になったな
『じゃあそこの世界の最低限の知識と...』
『そんぐらい言われなくても勝手にやるわ!』
『おっ?そう?じゃあそこの世界の数週間過ごせるお金と』
『それも』
『凄いな...じゃあそこの世界の服装とかは』
『それも!』
『じゃあ時給自足できるくらいの野菜の種とクワを』
『あんたねぇ...望み小さすぎない?そんな簡単なことはいくらでもやってやるからもっとドーーンと大きい望みを言いなさいよ!』
そんなに俺の望みって小さいのか?本当に平穏に健康で暮らしていればなんの問題もないんだけどな
ん?健康?そうだ!
『病気にかからない若い体をくれ!』
『あんたねぇ...
まぁいいわ!その望み叶えてしんぜよう!』
視界が真っ白になってゆく
そうゆう演出とかあるんだ。とか思いながら流れに身を任せる
『にいちゃ...』
『にいちゃん大丈夫か?』
めを開けるとそこには
オッサンがいた
なんか少し前にこのアングルは見覚えがあるが目の前にいるのはオッサンだ
『なんか道ばたで倒れててよぉ〜傷は無いっぽいがこんな雨の中じゃ風邪引いちまうぜ?』
意識がはっきりして周りを見渡してみた
簡単な作りの木の小屋
机と椅子があるだけの山小屋みたいな感じだ。
外ではザーーザーーと大きい音を立てて雨が降っている
『お前...なんて名前だ?』
名前を聞かれたが本名で行くか?いや...なんかこの小屋を見た限りでもここは日本では無いっぽいし本名言うと変な名前だと怪しまれそうだし...
『レイン...』
なんか起きた時に雨降ってるから適当につけてしまった
『ほぉいい名前だなぁ。俺はヴィクト・メイスだ。ところでお前...いやレイン。家はどこだ?送ってやる!』
家?家!完全に忘れてた。そもそも住む家が無かったらなんもできないじゃ無いか!
(大丈夫よ)
?!なんか頭に直接流れ込んでくる
(私はさっきの女神よ)
女神だったんだ
(貴方の家は用意してある。今から言う住所を言いなさい)
凄い用意いいな
『えっと...フライス州のフライス町です』
するとヴィクトが
『おお〜隣町じゃねえか!よっしゃ送ってやる!』
おお...有難い。住所は自分で言ったが実際どこかわからないからな
『よっしゃ雨やんだらおまえんちに行くぜ』
自分の家に帰宅するのに内心ワクワクしている茂改めレインであった。