煙草
「ああまぶしい、、」
男は小さな人間と綺麗な公園に来ていた。
今日は平日だというのに子どもと一緒に遊びに来ている親が多くみられた
・・・何かイベントでもあるのだろうか・・・
と考えたが考えるだけ無駄だと気付くのに時間はかからなかった
男は一緒に連れてきた小さな人間がギリギリ見えるベンチに腰をかけ薄く目をつぶり小さな人間を見ていた。
その小さな人間は砂場で山を作りながら周りの子どもと楽しんでいた。
周りの子どもとは会ったことはないだろうが何不自由なくまるで旧友であるかのごとく楽しく遊んでいた
・・ああ、こうして人というのは関わりもってくのだろう、煙のようなつかむことのできないであろうなにかにしがみつき一人では生きていけない身体になっていくのだろう
小さな人間は辺りを見回している、男を探しているのだろう、、小さな人間は男を探すために砂場からでた。
「パパ!!!」
小さな人間は探していたであろう人物を見つけたのだろう、探していたであろう人物に向かって走り出した
・・ああどうか神様この純粋無垢な人間である彼と一緒にいさせてください、どうかタバコのよう煙で見えなくなっているこの大人な世界に彼を入れるのであればどうか小さな人間のまま彼をいさせてください
そう願いながら男は胸ポケットに入った青い箱から1本の白い必要悪に火をつけた。
その煙は青空に消えるためだけに上にのぼった