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お国のための異能力-20年目の正直ー  作者: 花様月蝶
第一部隊は生活感があふれている。
3/3

隊長(仮)と狐と小学五年生。

 「新入隊員っ!?待て準備できてないっ!!」

 「ていうか音鳴ってなくない!?」

 一歩踏み入れれば目に入ったのは、床に散らかったポテトチップスの袋数個、ペットボトルの空、その他もろもろが散らかっていた。そして焦る先輩と思われる二人組。その先輩も僕と月に気付いたのか、顔を見合わせて真っ青になった。

 「ちょっとどーするの!?」

 「しっ、知らないよっ?ていうかアンタ、隊長の側近だろうが!!」

 小声で話していると思われるがまる聞こえだ。その後無言となり、気まずい空気が流れる。お互い目を逸らしたり、変ににやけながらして数秒後。靴音が聞こえてきた。

 「おっ新入隊員アルカ?…何してるアル?」

 空気を破る様な幼い声を出して、これまた可愛らしい顔をあきれ顔にさせながらその少女・・は紡いだ。その少女をまるで神を見るかのように瞳を輝かした先輩二人は、無理のある笑い声を発した。

 「なんもしてないよー!!」

 「そうだよー!じゃあ自己紹介でもしようかな!」

 

 「俺は第一部隊隊員の白神しらかみ十五じゅうご。年齢は29歳だよー!いつも隊長いないから俺を隊長と慕ってね」

 明るい茶髪を揺らして先輩が歯を見せて笑った。雰囲気的にも明るいし親しみやすそうな笑顔を広げている。だけど赤い瞳は怖いぐらいに濁っていた。一歩間違えば瞳の濁りに吸い込まれてしまいそうな。

 「じゃあ次ねー!和田わだほむらいいますー!狐のお面は気にしないでねっ!自慢じゃないけど帝都学園の首席でしたー!」

 黒髪を腰まで伸ばした先輩は面白そうにからからと笑った。白神先輩と同じ雰囲気だけど…脳がこの人に対して危険信号を出している。顔が見えないのが逆に恐ろしい。

 「次はアタシ?アタシは幻傷げんしょう燐火りんかアル。この隊では一番年下アル。でもっ、新入隊員おまえたちよりも先輩アル、敬うことアルナ」

 蛍光色のような濃さの桃色の髪に所々の黒いメッシュ、そして頬と首筋にあるハートの刺青タトゥー。パンチが強い印象だけど容姿がどうしても少女だし、可愛らしいアクセサリーとなってしまう。先ほどカードを見せてもらい年齢を確認したが、どうしても小学五年生ぐらいの女の子にしか見えない。本人いわく、異能力の副作用というのみで、実際は分からなかった。

 順番的に僕たちの番になった。月は照れ屋なので僕が話すことにする。

 「僕が颯希京で、隣の子が榊原月っていいます!精一杯がんばるのでお願いします!!」

 僕は満面の笑みを浮かべて、頭を下げた。

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