大河君の本性
ちょっと驚くかも。
「大河君っ」
「あ、千紗ちゃん」
大河君は意外にも元気そうだった。
頭の包帯が痛々しいが。
となりには大河君と同じくらいの太った少年がベッドに横たわっていた。
そこには小学校の先生らしき人もいて。
「何があったんですか。」
先生は少し伏し目がちになったあと、言った。
「大河から話させます。大河、言える?」
「うん・・・。」
大河君はゆくりと話し始めた。
「僕のとなりに寝てるやつ、空。こいつとけんかしたんだ。
今日、家庭科の時間にお世話になっている人にお礼の手紙を書こうって
いう授業があって。」
「そうなんだ。」
「それで僕が千紗ちゃんに手紙を書いていたら空がいきなりバカにしてきて。
で、けんかになったんだ。」
「そうだったんだ。」
このデブが元凶じゃん。
するとそらくんが目を見開いて言った。
「大河、こいついっつもうちの千紗は俺のこと見るといっつもかわいいかわいいって言って鼻血出すんでだぜって自慢してくるからちょっとからかっただけやい。」
え・・・?
「そうやい、だからどんな手紙書いてるのかのぞいただけなのに
いきなり殴りかかってきたんだよ!」
ま、待って・・・。
もしかして、それが大河君の本性なの・・・・?
「ねぇ、大河君、ほんと?」
「違うよお姉ちゃん。そらがデタラメ言ってるだけで・・・」
すると先生が口を挟んだ。
「大河、うそはいけないよ。そうなんです。いつもこの子、千紗さんが俺に惚れてるって自慢ばかりしてて・・・よっぽど気に入ってるんでしょうね。」
「た、大河・・・・くん?」
「くそばばあ、無駄なこと言いやがって‥・」
「・・・‥」
ありがとうございました!!