頑張れない
小説なのかなんなのか自分でもよくわかりませんが読んでもらえるとうれしいです。
ある日電車に乗った。
とても天気がよくて外に出たかったので電車に乗って東京に行った。
駅のホームにはまあまあ人がいて、社会人の人が多かった。
電車が来た。凄い速さで私の前を通りすぎてゆっくり止まった。
ドアが開く。人が5,6人出てきて、私も電車内に入った。
ぽつぽつ席があいていて私は真ん中あたりに座った。
右隣は女の人、左隣はおじさんだった。目の前にはおばあちゃんが座っていた。
そのおばあちゃんは着物を着ていて無表情で、絵に描いたようなおばあちゃんだった。
電車が動き出す。徐々にスピードが上がる。
景色が流れていく。
遠くに行くほど流れは遅く、近くに行くほど流れは速い。
おばあちゃんはまっすぐ前を見ている。私の頭上のあたりの窓から外の景色を見ているのだろう。
私もおばあちゃんの頭上の窓から外の景色を見ていた。
駅について電車が止まる。
止まる瞬間に皆の体が同時にかくっとなる。
おばあちゃんの隣の席の人が降りた。その席にまた別の人が乗ってきた。
すごく体が大きい人だ。その人は席に座りふうっとため息をついた。
おばあちゃんは着物の裾を自分の方に寄せてまた前を見た。
おばあちゃんの隣の席の人はおばあちゃんの方を迷惑そうに見ている。
私は少しムカっとした。
駅について電車が止まる。
この駅では多くの人が乗り降りをした。
私の隣の女の人も降りた。でもおばあちゃんとその隣の人は降りなかった。
私の隣には中年のおじさんが座った。おじさんに挟まれた。すごく嫌だ。
おばあちゃんは嫌そうな私の表情を見たのかすこしクスっと笑った。
でもその時おばあちゃんの隣の人はなんだこいつ、というような顔でおばあちゃんのことを睨んだ。
駅について電車が止まる。
大勢の人がこの車両に乗ってきた。
その人の波でおばあちゃんの姿は見えなくなった。外の景色さえも見えにくくなった。
私は仕方なく下を向いてぼーっとした。
駅について電車が止まる。
少しの人が降りた。
視界が広がっておばあちゃんが見えた。いつの間にか隣が男の人に変わっている。
よかった…。
おばあちゃんの目には私がどんな風にうつっているんだろう。
私はまた外の流れる景色を眺めていた。
駅について電車が止まる。
車内放送が流れた。別の電車で人身事故がおきたから乗り換えの人は御注意を、と言うものだ。
こんな天気のいい日に人身事故。
私の隣の席のおじさんがちょうど二人とも降りた。
そして立っていた人が隣に座った。おばさんとお兄さんだ。よかった。
その時小さな男の子が電車に乗ってきた。その子はお父さんらしき人に何かを訴えているけどまた言葉があまりしゃべれないのでうまく伝わらない。
おばあちゃんは男の子の方を覗き込むように見て、微笑んだ。
もしかしたら、お孫さんと同い年くらいなのかな。ましてやひ孫?
駅について電車が止まる。
ついにおばあちゃんが降りた。
一人で大丈夫なのかな。少し心配だったけどきっと大丈夫だろう。
おばあちゃんは人ごみにまぎれてもうどこにいるかわからなかった。
きっともう二度と会えないんだろうな。一度くらいお話したかった。
電車が出発する。
私も次で降りよう。
正面の席にはだれもいない。
すこし寂しかった。
駅について電車が止まる。
私はゆっくり席を立って外に出た。電車の中が暑いくらいだったから外が涼しい。
これからどこに行こうかな。
帰りたくないな。
最後まで読んでくれてありがとうございました。




