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第一話〜辞めるということ〜
「私は社会不適合者であると思う」
と思い始めたのはまだ社会に出てから8ヶ月目のことだった。
なぜなら私には、目標も入社した理由もなかったのだから。
それでも「お金を稼がなくては」と思い毎日毎日、まるで死人の様に会社に行って、機械人形のように仕事をし、人造人間のように過ごしていた。
そんな、ある日のことだ。
私は会社を辞めた。
ただただ、唐突に会社を辞めた。
そう辞めたのだ。
ぼろぼろになっていく手を眺めて、私は、何をしているんだろうと、疑問しか生まれなかった。
「ああ、ここが限界だ」
とただただそう思うことしかできず、私は仕事を辞めた。
仕事を辞めると言った時の上司の顔は、「やっぱりか」という顔をしていた。
きっとこの会社は、私がいなくても正常に駆動し続けるだろう。
そう漠然と思った。
こうして私の、現実の世界は終わりを告げた。
そしてその時に、ごのゲームと出会った。
それが私と、彼の、奇跡の始まりだった。