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記憶の空  作者: 糸冬
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第一章〜終わって始まりが始まる〜

これは、私が彼の記憶を書いていくだけの物語である。



きっとこれが完成することも、誰かの目に触れることは無いのかもしれないが、私はこれを書かなければならない。



なぜなら私は、彼が確かにここに存在していたと証明できる最後の人であり、そして、彼の記憶データを持つ最後の人だからである。




彼と出会ったのは私たちプレイヤーがこの世界、エルドに飛ばされたその日のことだ。



今でも覚えている、彼は一段と目立たない人だったから。



そして彼は小さい声でこう言ったんだ、





「こんにちは、これからよろしくお願いします。」



と。





第一章〜終わって始まりが始まる〜







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