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第1章:ユリ / 規則の街で、独り

この世界では、朝は命令音で始まる。

私たちは「被教育対象」。番号で呼ばれ、行動を監視される毎日だ。


「C-3区画、対象72。生体認証完了。今日も従順な一日を」


天井のスピーカーが口を開く。私は布団の中で舌打ちした。


着替えて廊下に出る。無機質な足音。朝食は栄養計算されたペースト。咀嚼の楽しさすら禁じられたような、効率だけの時間が流れる。


この都市「第七管理区」は、数百年前の“教育崩壊”の反省から作られた。

大人たちは教育に絶対の管理と規律を求め、個性を「誤差」と見なした。

この学園もその中枢にある。


“被教育対象”に与えられる部屋は一人一室。会話は許可制。名前の使用は禁止。

すべては「教育効率最大化」のため。日々の評価はデータで可視化され、個人の将来はその数値によって決まる。


私たちは育てられているのではない。

……選別されているだけだ。


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