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24品目 ドラゴンステーキ

「ドラゴンステーキとか、男の一度は食べてみたい料理トップ10に入るんじゃないか?おおッ!!赤身とサシのバランスが丁度良い感じだ。焼き加減は当然ミディアムだ。これだけは譲れん。」


 今回は豪快に食べてみたいから、3センチくらいの厚さに切って、塩コショウで軽く味付け。


 これを強火で一気にこんがりと焼き上げる事で、ステーキ特有の香ばしい匂いがしてくるんだよ。この匂いだけで、白飯3杯はいけるわ・・・。


 両面をこんがりと焼いたら、後はもうただかぶりつくだけッ!!いざ、『ドラゴンステーキ』を実食ッ!!



「んんッ!!厚めに肉を切ったのに軽く噛むだけで噛みちぎれるッ!?やわらけぇ・・・旨みやジューシーさは存分にありつつ、さっぱりとした味わいの上質なステーキだな。お肉そのものの旨みが強いから、シンプルな味付けで十分美味い・・・。」


「脂がしつこいかなと思ったけど、そんな事ないね!しつこくない脂の旨みと赤身の旨みが同時に押し寄せてくるわ!」


 ノワルとゴマもたらふく食べて満足そうな顔をしている。


「ノワルが強すぎてよく分からんけど、山に近づくほど強い魔物が出てきてるよな?」


「そうね。地龍がエルフの森に現れたら、みんなで逃げ出す程の強さなんだけど、ノワル殿が軽くあしらってるから実感が湧かないわよね・・・。」


 地龍であの美味さだ・・・山にはもっと美味しい魔物が居るんだろうか。そんな事を思いながらその日は寝た。





 ■■■■■■■■■■■■■■



 ドォォォォンッ!!!


「リーシアッ!大丈夫か!?」


 ドォォォォンッッ”!!!!!


「ッ!!なんとかねッ!!この状況どうするのよ!?」


 天からは雨の様に火球が降り注ぐ中、俺達はそれに直撃しないように、必死になりながら避けていた。


『グルアァァァァッッ!!!!!!』


「「・・・ッ!!」」


 天には巨木すらなぎ倒しそうな咆哮をあげる、一匹のドラゴン。俺達は今、ドラゴンに追いかけられていた。



「ノワルッ!なんとかならないか!?このままじゃ、ずっと追いかけてくるぞ!?」


 しょうがないな、と言った顔をしながらノワルは魔法を放つ。



 天に居るドラゴンの頭上に巨大な魔法陣が出現したかと思うと、巨大な雷がドラゴンに直撃し、墜落していった。


「「・・・・」」


「ノワル・・・最初から倒せた癖に、遊んでやがったな?」


 ツンとした顔をして、俺の質問には答えない。


「まあ、皆が無事だったから良いんじゃない?でも、ドラゴンなんて初めて見たわ・・・。」


「リーシアでも見た事ないのか・・・ドラゴンって結構珍しいんだな。」


「基本的には人が住むような場所には降りてこないからね。ドラゴンにとって小さな人間を食べるより、魔物を食べた方が食べ応えがあるからって言われてるらしいわよ?」


「へー・・・じゃあなんで俺達を襲ってきたんだ?俺達はのんびり登山してただけなのに。」


「そうね・・・山頂に何かあるとか?」


 気になった俺達は、山頂に向かうとそこには、巨木で作られたであろうドラゴンの巣があり、辺りには魔物の骨が散乱している。



「デカい鳥の巣って感じだな。」


「言いたいことは分かるけど、鳥の巣に例えられるドラゴンがなんだか可哀そうだわ・・・あれ?あそこにあるのって卵?」


「卵・・・だな。だから、ドラゴンが襲ってきたのか。なんだか、ドラゴンに申し訳なくなってきたぞ・・・。」



 さすがドラゴンの卵。大きさは1メートル位ある。


 ピキッ・・・ピキッキッ・・・


「ん?なんか卵が動いてないか・・・?」


「そうね・・・まさか、孵化するとか?」


 そんな会話をしているうちにもドラゴンの卵に亀裂が走っていき、ついには卵に穴があいた。


「ピィッ!!」


「・・・でかい鳥の雛だな。」


「その表現はどうかと思う・・・それで、この子の事どうするの?シンにくっついてるみたいだけど・・・。」


「刷り込みってやつか・・・?どうする?流石に放っておけないよな。」


「ここに置いて行ったら餓死するでしょうしね。なんだか可愛いし、連れてきましょうよ。」


 このままにしておけないし、何よりこの子の親を殺してしまったのは俺達だ。


 俺達がこの山に登って来なければ、この子は自分の親と平和に暮らしていたのかもしれない。


 そんな事を考えてしまうと、益々ここに置いて行く事は出来なかった。


「そうだな。ノワル達も居るし、今更ドラゴンの一匹位増えたところで変わりないもんな。」


「あはは・・・そうね・・・。」


 こうして俺達はドラゴンの赤ちゃんを連れて山を下りたのだが、生まれたばかりのドラゴンを連れて旅は出来ないので、暫くトロン村にお世話になる事にした。

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