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16品目 サンドイッチ

 夕飯を食べずに寝たせいか、腹が減って朝早くに目が覚めてしまった。辺りは丁度、日が昇り始める前で迷宮に行くには早く、時間を持て余していた俺は散歩に行くことにした。


「・・・良い匂いがするな。」


 宿の階段を下りていくと、宿に併設されている食堂からいい匂いが漂ってくる。


 散歩に向かおうとしていたけど、腹が減っていたのもあって無意識に食堂の方に足を運んでいくと、1人の料理人が調理場で朝食の準備をしているのが見える。


「おはようございます。朝早くからご苦労様です。朝食の準備ですか?」


「あら?おはよう。あなたもずいぶん早いのね?この宿には冒険者さんも多く泊まってるから、迷宮に潜る為に朝早く活動をするからね。今から準備しないと間に合わないのよ。」


 そうにっこり笑う中年の女性の手元を見ると、手際よく簡単な朝食を作ってる最中だった。パンを焼き、スクランブルエッグにベーコン。スープには小さく刻まれた野菜がふんだんに入っている。その他にもサラダなどが皿に盛られていた。


「この量をお一人で作られてるんですか?大変だな・・・。」


「十年以上毎日やってるから今ではもう慣れたけどね。冒険者も朝は時間がないのは分かるけど、残さず食べていってほしいんだけどねぇ。」


 さっき、この女性は冒険者は朝が早いと言っていた。だから朝は時間のない冒険者の為に簡単な料理にしているのだろう。俺は思う、


「勿体ないな・・・。」


「え?何がだい?」


「ん?あ、いや、俺も料理人ですからね。残さず食べて欲しい気持ちは分かります。なら、残さない料理を作ればいいのではないでしょうか?」


「あんたは確かに見た目は冒険者というより、料理人だね。これでも朝に食べやすい料理を出してるつもりなんだけどね・・・なにか良いアイデアがあるのかい?」


「ええ。サンドイッチという物はご存じですか?」



 サンドイッチを知らないというので、お互い自己紹介を済ませ、バーバラが朝食用に作っていた料理を少し使わせてもらい、サンドイッチを作って食べてもらう事に。



「それでは一つ作って見ますね?と言っても、パンに具材を挟むだけで終わりなんですけどね。これが、ベーコン卵サンドイッチです。」


「簡単に出来るし美味しいわね!これなら食べやすいし、冒険者も残さないで食べてくれそうだね。こんなに簡単な料理をなんで思いつかなかったのかしら・・・。」


「料理というのは少し工夫をするだけで、全く別の料理に生まれ変わるんですよ。早速今日の朝食から出してみてはいかがですか?俺の予想が正しければ、昼用にサンドイッチを買っていく冒険者も多いと思いますよ?」


 バーバラにはとても感謝をされた。手伝おうとしたけど、「お客さんにそんな事させられないよ」と言われたので、素直に引き下がり当初の目的であった散歩に向かう事にする。



 散歩から帰ってくると食堂は俺の予想通りに大盛況で、冒険者が昼飯用にサンドイッチを買う姿もあった。そんな様子を見ていると、階段からリーシアが降りてきたのが見えたので、混雑する食堂に入り一緒に朝食を食べる事に。


「この料理は初めて見たわ。これなら食べやすいし何より美味しいわ。野菜もシャキッとしてて、トマトも甘くて美味しい!流石、食の町と呼ばれるだけあるわね。」


「ははっ。そうだな。」


 眠そうな顔をしていたリーシアも、朝食を目の前にすると目を輝かせて食べている。本当に食べる事が好きなんだな。


 朝食を食べ終えた俺とリーシアは、ノワルとゴマが待っている冒険者ギルドに併設されている、従魔専用の待機場所に向かう。


 ようやく来たか。とでも言うように、いつもの様に尻尾のご挨拶があったが、ノワル達の分のサンドイッチを持ってくると喜んで食べていた。


「さて、そろそろ迷宮に潜るか。こんなに朝が早くても冒険者は沢山いるんだな・・・。」


「ほとんどの冒険者は朝から迷宮に潜って、夕方には帰ってくるけど、中には迷宮で一泊する冒険者パーティーもあるらしいわよ?」


「へぇー。それだけ稼げるって事なんだな。じゃあ、俺達も行くか。」


 迷宮では人の獲物は横取りしない事がマナーらしく、ノワルとゴマにもそこはしっかりと言い聞かせておいた。


「屋台のおっちゃんが言うには、中階層が一番人気があるとか言ってたな・・・低階層だとノワルとゴマが退屈しそうだし、中階層まで一気に行ってしまうか?」


「ノワル殿程強ければ深階層でも余裕だと思うけれど、一旦様子見で中階層を覗いてみない?」


 低階層は低レベルの魔物が多く、ドロップする肉なんかも質が悪いのが多いらしいので、俺達は中階層に向かう事にした。




「やっぱり聞いていた通りたくさん冒険者が居るな・・・あれはなんていう魔物だ?」


「あれは・・・ジャイアントボアね。朝食で出たサンドイッチの中に入っているベーコンも、あの魔物からドロップした肉で作られてるらしいよ。」


 中階層でジャイアントボアと戦っている冒険者グループはベテランなようで、暴れ狂うジャイアントボアの攻撃を避けながら、少しづつ攻撃を与えて倒していた。


「あの肉は美味かったからな・・・俺達も、というかノワルにあの魔物を倒してもらうか。」


 他の冒険者の邪魔にならない場所まで移動すると、ジャイアントボアが居たのでノワルに狩ってもらう事に。一瞬で魔物に近づくと、魔物はノワルの存在に気付くことなく、絶命していた。


「あらら・・・やっぱりノワルにはこの階層は退屈かもしれないな。深階層に連れて行きたいけど、ノワルは大丈夫でも俺が弱いからな・・・。」


「シンなら深階層の魔物の攻撃をくらったとしても、無傷だとおもうんだけど・・・。」


「いやいや、そんな頑丈なわけないだろ?ジャイアントボアの突進ですら俺がくらったら死んでしまうって。」


 さっき見たけど、ジャイアントボアは軽自動車位の大きさで突進してくるんだぞ?そんなのに当たったら本当に死んでしまうって。


「・・・ッ!シン!避けてッ!」


「ん?」


 少し離れた場所に居たリーシアが、俺に向かって手を伸ばして駆け寄ろうとしてくる。俺はわけがわからず、後ろを振り向くとジャイアントボアがすぐ目の前にいた。咄嗟に避けようとするが、そのままジャイアントボアが俺に突進し、


 ドンッ!!



 大きな音と衝撃により俺は遥か彼方まで突き飛ばされた。



 遠くではリーシアがジャイアントボアを倒し、俺に駆け寄ってくる姿が見え、ノワルとゴマは俺が突き飛ばされたというのに、親子揃って呑気に大きな欠伸をしているのが見える。


 そう・・・俺は何故か無傷だった。


「シンッ!!無事・・・のようね。」


「あぁ・・・なんでか分からないけど無事でいるな。なんでいきなり魔物が現れたんだ?」


「迷宮は魔物がいきなりポップするから、周囲には気を付けろって言われてたでしょう?私も油断してたのが悪いけど、シンも油断しちゃ駄目よ?」


 凄いリーシアは俺の事を心配してて、申し訳なくなって謝ったけど、俺が悪いのは分かってる。分かってるけど、ノワルとゴマは許せんッ!呑気に欠伸をしやがって・・・。今日の晩飯は抜きだな。


 密かに決意を固めていると、リーシアが「ケガはないようだけど、今日は帰りましょう?」というので素直に従った。


 帰ってる途中で、迷宮に金を稼ぎに来た事を思い出し、ノワルとゴマに魔物を狩ってもらいながら迷宮から帰還した。

どうも。ゆりぞうです。

小説家になろうさんの読者様は女性の比率が多くなってきているらしい。

昔から人気ではあったジャンルの恋愛なんかも総合ランキング上位に名を連ねていますよね。

私も恋愛要素を強めた方がいいのかしら?

けど、恋愛経験が乏しい私では書くことは出来ないのですよ・・・。

そんな私に同情してくれた方はブックマーク、評価、感想お待ちしておりますw

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― 新着の感想 ―
[一言] 個人的に恋愛要素嫌いなんで恋愛要素が強くなるようなら申し訳ないんですけどブクマ外しますね
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