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ダクタイル鋳鉄とゴブリンエンジン

 戦時中の日本は資材と量産技術が不足していた為排気タービンを量産出来なかった。


 米軍がP-47やB-29に搭載した排気タービンの温度は1000℃。


 現代の耐熱鋼でこの温度帯に使われている物は上限が1020℃でクロムを25%、ニッケルを20%含んでいる。


 植民地の朝鮮半島北部に世界有数のニッケルが眠っているとはいえ、気筒数×2の点火プラグのニッケルすらケチって稼働率低下を招いた日本により沢山使う余裕は無い。


 クロムは国産だけでは足りず、近くにはカムチャツカ半島に鉱山が有るが次に近いのは辻の虐殺命令やバターン死の行進のせいで反日感情の高いフィリピンである。


 ステンレスを用いた橘花のタービン温度は700℃。


 ミーティアやP-80に搭載されたゴブリンエンジンのタービン温度は790℃。


 自動車のターボに用いられるシリコンを4%、モリブデンを0.6%混ぜたダクタイル鋳鉄は800℃まで耐えられる。


 燃料の質が劣る為ゴブリンエンジンを造っても米英と同じ性能は出せないが、現代の自動車に年単位で使われているので寿命は数十時間という訳ではなく低コストで造れる。


 史実では時間も技術力も不足していた為、まともに回るエンジンは橘花のネ20が限界だったが、大戦前から開発に取り掛かっていれば英国と同時期の43年にはゴブリン相当のエンジンが完成していたかもしれない。


 強化するなら窒化ケイ素製のセラミックにすれば1350℃まで耐えられるがこれは実験室のデータで、2000年代に入るまで実用温度は1,000℃未満だった。


 資材の制限や彼我の性能差、道路事情が工業国最低である事も考えると背伸びしてもダクタイル鋳鉄でゴブリンエンジンの量産が限界だろう。


 参考サイト


 タービン温度


 https://motor-fan.jp/tech/article/9436/


 ダクタイル鋳鉄温度


 https://www.ihi.co.jp/itj/product/turbo01.html


 窒化ケイ素温度


 https://www.nims.go.jp/sialon/projectj.html


 1000℃付近の耐熱鋳鋼


 https://hinode-holdings.co.jp/news/press-20220217/#:~:text=%E3%83%BB%E8%80%90%E7%86%B1%E9%8B%B3%E9%8B%BC%E3%81%AE%E4%BB%A3%E8%A1%A8%E7%9A%84,20Ni%EF%BC%89%E3%80%8D%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82


 PDF


 日本初のジェット機「橘花」と松根油


 wiki


 デ・ハビランドゴブリン

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