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冷蔵箱他

 冷蔵箱は1803年に米国で発明された電気冷蔵庫以前の保冷箱である。


『サザ◯さん』や『ALWAYS三丁目◯夕日』等に登場し、四脚、ガワはオーク(ナラ)で、炭化コルクやおが屑、海藻等で断熱され亜鉛、銅、琺瑯引きの鉄等金属の内張りを施された棚の上部に氷を入れ食品を冷やすのである。


 季節や氷の量にもよるが使用する2〜3日前から予冷して保冷能力は1日。


 内部温度は10〜15℃で、−10℃の氷室、2〜5℃の雪室より劣っていた。


 1806年にはクリッパー船によりボストンからカリブ海のマルティニーク島に氷が輸出された。


 世界最大の海流であるメキシコ湾流に逆らい約3250kmを南下。


 到着時には1割に減り、現地に貯蔵庫も無かったので溶けてしまった。


 蒸気機関が輸送機器に転用され、鉄も量産する前の事である。


 米英戦争で一時中断したが南部の州や欧州、インドにも拡大。


 ついには開国後の日本にも及んだ。


 当時の日本では自力で氷を輸送するノウハウがなかったが、1869年に中川嘉兵衛が函館氷と称して五稜郭から切り出した天然氷を外国船で横浜まで大量輸送に成功。


 富士山から諏訪、日光、釜石、青森堤川、北海道有川と北上し続け7年経っていた。


 これに刺激され、関西では河内、生駒山。


 関東では栃木や神奈川県産の氷が出回るようになった。


 高速帆船として名高いカティーサークは氷貿易に用いられた船の末裔であるが、戦国転生物ではガレオン船に次いで登場する。


 陸上は馬車による輸送(時速10〜15km)が前提だが馬は現地に居るので、ティークリッパーを建造した場合豪雪地帯である日本海沿岸で水運に恵まれた地域から琉球に氷を輸出しても採算が採れると思われる。


 古くからの鉄の産地である山陰地方は造船や冷蔵箱外装のナラ、断熱材のおが屑が製鉄と競合する為大型化出来ないが、松江〜那覇間は約1470kmとボストン〜マルティニーク島間の半分以下。


 より雪深い敦賀まで足を延ばしても300km増えるだけである。


 倭寇が脅威だが速さはこちらが上。


 氷が売れ残った時は冷えた南国の果物を持ち帰れる為、琉球交易の際は氷輸出を考えても良いかも知れない。


 1905年当時、国産氷冷蔵箱の価格は5〜6円。


 清酒一升が税別17銭、石鹸一個が12銭、塩1kg8銭、東京の大工の日当85銭の頃であった。


 清酒や石鹸、塩はチートの定番で贈答品になったり価格が下がったりと読めないが大工の日当は1550〜80年頃で100文。


 ……氷式とは言え700文で買えるのは思ったより安い。


 1955年の氷式冷蔵箱は銅張り5900円、木製8700円が最安で排水孔の栓と棚にプラスチックを使用。


 大工の日当560円である事を考えると妥当か。


 尚、日本最古のアイスクリームは1869年に製造されたが価格は1つ50銭(金2分)。


 牛鍋(30銭)より高かった。


 参考サイト


 冷蔵箱


 http://www2.ttcn.ne.jp/heikiseikatsu/754000.html


 氷


 https://www.nichirei.co.jp/koras/ice_history/001.html


 値段史


 https://coin-walk.site/J077.htm


 アイスクリーム


 https://www.meijimura.com/meiji-note/post/icecream-history/


 wiki


 冷蔵箱、氷貿易、函館氷、ボストン氷

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