南蛮絞りと電気精錬
戦国転生物で1591年に導入された南蛮絞りを前倒ししたり鉛白を禁止する作品はよく見かける※1
粗銅に鉛を加え加熱すると鉛が銀他不純物と共に沈み、純度99.9%の銅が上に残るが精錬時に硫黄が採れる為、安全かつ高純度の鉛蓄電池を造って電解しても良さそうだが登場する作品が片手で足りる位しかない。
電解後の純度は99.99%と一桁上がり、電線にそのまま使えるレベルとなる。
電極は二酸化鉛と金属鉛だが二酸化鉛を製造するには、
①鉛鉱石を精錬後に出来る酸化鉛と酢酸を加熱し酢酸鉛を生産。
②酢酸鉛にさらし粉(消石灰を塩素ガスと反応させた物)を加えると二酸化鉛が沈殿する。
という工程が必要なので、日本の場合海に面していなければコストが上がる。
海に面しておらず鉛を自給出来なかった甲斐武田には最も縁のない精錬法である。
絶縁は柔軟性に欠けるが松脂、漆、雲母で出来る。
塩素ガスを保存するのは難しいが、比重が重いので誘導は容易い。
気密は粘土で塞げば良い。
電池用に鉛を精錬する際、気流制御しなければ鉛中毒になるのは変わらないが粗銅や鐚銭が搬入される度に気化した鉛を吸うより頻度は下がるので従事者の寿命は延びる。
戦国期鉄砲の弾として使われた鉛の自給率は交易のしやすい西国ですら半分程度。
九牛の一毛に過ぎないが鉛が目減りせずに済む。
※1……灰吹法は1542年以降石見銀山から全国に伝播。
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二酸化鉛、灰吹法、南蛮絞り




