商品作物他その2
サツマイモ……1594年にフィリピンから明に伝わり、日本には1605年に明から琉球へ伝来。
だが14世紀には既にポリネシア人が北はハワイ、東はマルケサス、南はニュージーランド、西はニューギニアまでサツマイモを広めている。
フィリピンにはマゼラン到着後に広まったので栽培可能な関東以南の太平洋沿岸や中国、九州地方に所領があり、航海技術に長ける水軍衆が存在するなら、琉球、台湾経由でフィリピンから入手可能。
帰りは黒潮に乗れるので伊豆、小笠原経由より低リスクである。
ただ明に流れたら人口爆発を引き起こしかねない。
マリーゴールド……1684年伝来。
北米から中米にかけて自生し、16世紀初頭にスペインに移入。
見た目は美しいが独特の臭いを持ち、コンパニオンプランツとして有名でウリ科、アブラナ科、ナス科の側に植えると害虫があまり来ない。
救荒植物の定番、サツマイモを連作すると地下茎から養分を奪い萎びさせるネグサレセンチュウが湧くがそれの抑制効果も持つ。
ただ万能ではなく体力が落ちるとハダニが付く。
山査子……中国原産。
1734年伝来。
垣根や庭木、盆栽等に用いられるが、実は酸味が強いものの食べられる。
果実酒の他、中国では実を竹串に刺して蜂蜜を掛けたりんご飴のような駄菓子として売られている。
梅と競合する為か国内では園芸家以外の知名度は低く、S◯YJ◯Yのラインナップの一つとして流通し、漢方薬原料になる他、ドライフルーツに麦芽糖をまぶした物が厚生省で健康食品として認可されている程度。
コスモス……メキシコ原産
1789年にスペインに持ち込まれ、日本には1879年に伝来。
観賞用植物だが秋の蜜源植物の一つで、一部の品種は食用になる。
ラベンダー……仏等地中海原産。
日本には1811年に薬用植物としてオイルが伝来、種は1860年に持ち込まれるも栽培が本格化するのは1930年代。
ラベンダーオイルは鎮静、鎮痛、抗炎症、虫除けに効果が有り、ドライフラワーにも防虫効果がある。
高温多湿を嫌い北海道や東北、長野等が好適地だったが現代では品種改良が進み、南限は大分まで下がった。
尚精油はラベンダーだろうが薔薇だろうが関係無く犬、猫、鳥、爬虫類、齧歯類、魚類に有害である。
西洋林檎……1862年に伝来。
現在の南限は岐阜。
北海道、青森、長野、福井等で栽培しているが暑さに弱いので、現代から持ち込まない限り前倒ししても導入はロシアと初接触した吉宗公の時代になるだろう。
その他オリーブ等も幕末・明治期に次々に伝来。
幕末以降に伝わる動植物の移入は透明度の高いガラスの開発が必要。
ソテツ……主に奄美に自生。
有毒だが救荒作物で、19世紀後半の独では富裕層の間でヤシ類の栽培が流行。
葬儀の際棺桶に入れる為日本から輸入していたが20世紀に入る前に関税が上がり終息した。
時期を考えると三国干渉とリンクしているので日清戦争で船舶が徴用される事も考えるとそれまでに手仕舞いした方が良いだろう。
プロイセンとの国交は61年に締結された為ブームは33年間である。
現在では街路樹や緑化用に栽培され中米に輸出されている。
シダ類……対英輸出品。
1845年に英国でガラス税が廃止され、1860年代まで都市部に住む中産階級の間でシダ植物の栽培がブームとなった。
産業革命による煙害を抜きにしても欧州はシダ植物が少なく(巨大昆虫が跋扈した石炭紀を例に挙げるまでもなく、シダ植物は温暖な気候を好む)日本の1/6に満たないので、開国後初の万博である第2回ロンドン万博に工芸品共々シダを出品してみよう。
オランダに委託しても良いが……開国後十年程度だが逃すのは惜しい。
百合
純潔や慈愛の象徴として聖マリアと共に描かれる事の多い百合は、欧米でイースター等に供される花で1873年のウィーン万博以降から戦前まで日本が輸出していた。
貿易総額は絹の1/200にも満たないが、貴重な外貨獲得手段である。
参考サイト
サツマイモ
https://www.town.kadena.okinawa.jp/kadena/soukan/book/50.html
マリーゴールド
https://greensnap.co.jp/columns/marigold_companion_plants
ラベンダー
http://nagaibg.blog89.fc2.com/blog-entry-756.html
百合
https://www.jacar.go.jp/modernjapan/p02.html
以下wiki
サンザシ、ソテツ、ウォードの箱、元文の黒船




