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メタンガス

 1884年、仏のパスツールは家畜のフンからメタンガスを回収、街灯の燃料にする事を提案。


 当時馬車はフン害が問題となっており、運行コースも決まっていたのでコストを別にすれば路線をガス灯で照らす事も可能だった。


 アジアでは竹の項でも触れた通り、三国時代の蜀では岩塩と共に噴出する天然ガスを竹をガス管に使い製塩に利用していた。


 文明は畜力と共に有り、アジアでは化石燃料が採れない地域でも孟宗竹とタンク用の金属があれば農村では炊事、照明他に利用可能。


 問題点は発酵に失敗すると臭いが酷くなる事と導入コスト、発酵時に生じる硫化水素である。


 悪臭は堆肥が失敗した時でも起きるし、導入コストは誘蛾灯に用いる油代等燃料代が高い事を考えるとある程度相殺可能だろう。


 それでも資金や伝手を考えると貯蔵タンクを製造出来るのは足軽に厚さ1㍉の鉄板で出来た具足を貸し出している国人領主、炊き出しを行う大釜や香炉を保有する寺社以上でなければ難しい。


 硫化水素は施設が水質保全の為水場から遠ざける必要上高所に設置しているので、漏れても滞留する危険性は低い。


 現代では硝酸塩をエネルギー源に硫化水素を分解するする微生物や酸化鉄により無害化しているがどれも高コストである。


 現代のバイオガスの他のハードルは発生地と消費地が離れている事だが、輸送に畜力を用いている時代では距離が近いので問題にならない。


 ただメタン回収後の液肥(95%が水分)が水質汚濁の原因となるので、史実でも欧州では人口増加にインフラ整備が追い付かなかった事を考えると都市部で採用は厳しい。


 日本では都市と農村の間で下肥と農産物の回収サイクルが成立していた事と橋の荷重限界から家畜の乗り入れに制限があったので、城の修復の功から最盛期千頭を数えた高輪牛町以外では都市で採用出来ないだろう。


 舞台が蜀漢なら導入費から解放されるのだが……。


 南関東ガス田の大半を支配下におく後北条氏も孟宗竹を入手できれば戦前の千葉県に匹敵する生活水準を目指す事も夢ではない。


 戦前、戦中の千葉県ではガス噴出孔をブリキで覆い捕集、煮炊きは勿論終戦直後電力事情が悪い時はガス灯を使用している。


 ブリキの代わりに底に穴を空けた水瓶で捕集すれば良いので敷地内にガスが湧き耐久性を別にすれば個人利用も可能。


 草木灰の値段が上がるので石鹸の製造がしづらくなるが、薪炭林が建材、製鉄に流れ国力増加の一助となるだろう。


 焼玉エンジンを製造出来れば農業用定置機械としてメタンガスを利用出来る。


 他にも天然ガスを用いた製鉄方法もあるが登場が1970年な上に電炉を用いるので割愛する。


 参考文献


 下水道工学


 参考サイト


 https://hajimete-sangokushi.com/2016/09/27/%E9%A9%9A%E6%84%95%EF%BC%81%E8%9C%80%E6%BC%A2%E3%81%AE%E5%A1%A9%E3%81%AE%E7%B2%BE%E8%A3%BD%E3%81%8C%E6%84%8F%E5%A4%96%E3%81%AB%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%86%E3%82%AF%E3%81%A0%E3%81%A3%E3%81%9F%EF%BC%81/


 wiki


 バイオガス、ガスエンジン

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