ネジとバネと発想
折り畳み機構がある刃物の国産化は明治以降だが、火縄銃の伝来以後であればネジも金属バネ(火縄を抑えていた)も職人は理解しているので和バサミと結び付ける発想さえあれば、折り畳みナイフを室町時代後期に製造可能。
現に江戸時代以降仕事が減った刀鍛冶が板バネを用いた錠前を製造しているので、技術的に不可能では無いのだが……。
海外ではバネ機構の有無は不明だが、遅くとも6世紀に作られた折り畳みナイフが出土している。
尚、携帯に便利な替刃式鋸の登場は戦後。
刃先の表面硬化処理を高周波を流して千分の数秒単位で加熱と冷却を繰り返し、刃先を表面硬化処理。
衝撃焼入れ導入前は切断長数mで刃が寿命を迎えていたが販売当初の物は40mに達したという。
規格制定しなければ交換も何もないが、寿命は現代未満でも需要はある。
他にバネを用いる物として安全ピンや洗濯ばさみが有るが、安全ピンは紀元前14世紀から存在しているので鉄器時代以前でも造れる※1
洗濯ばさみはコイルばねで挟むタイプの物は19世紀に登場したが、それまでは木をヘアピン状に加工した物だった。
品質管理と量産システムを構築しなければ替刃式鋸もコイルばね付き洗濯ばさみの普及も難しい。
調達コストも考えると産業革命の成立後が無難か。
※1……中世欧州で失伝し、19世紀に再発明された
参考資料
知らなくても良い無用な知識の本、マンガで読むロングセラー商品誕生物語4
参考サイト
バネ
https://www.monotaro.com/note/readingseries/kikaikiso/0302/
https://www.nhkspg.co.jp/products/knowledge/history
替刃式鋸
http://daikudougu.web.fc2.com/kaebasikinoko.html
衝撃焼入れ
https://suwa.monozukuri.or.jp/hitowaza/01161/
貝印
https://www.kai-group.com/global/about/history.html
wiki
ナイフ、アーミーナイフ、安全ピン、洗濯ばさみ




