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軸受と陸運

 車輪の原型であるころは4700年以上前のエジプトで重量物運搬に、ころ軸受は3000年前に欧州で戦車に、現存する最古のボールベアリングは2000年程前のカリギュラの時代に女神像の回転機構として存在した。


 日本は中〜近世には水車の軸に欅を用いて歯車状に整形した樫で覆い、支点との摩擦で軸本体の代わりに樫が摩耗するころ軸受モドキを採用していたが、大八車は平軸受(車軸と車輪が直接接触するタイプ)で引き出しや走行時の抵抗が大きかった。


 大八車の原型は牛車で、欧州ではころ軸受は3000年前から用いられていた事や水車を考えるともう少し何とかならなかったのか疑問が残る。


 車木工は水車、牛車、大八車を問わず車と名の付く物を手掛けていたのでモドキでも流用出来た筈なのだが……。


 欧州ではダ・ヴィンチがころ軸受を15世紀にスケッチしたが小型の物は数百年間造れなかった。


 現代に続くころ軸受は1757年に完成し時計に、玉軸受の特許は1869年に取得され自転車に用いられた。


 大八車は自転車の製造技術を転用したリヤカーの登場で衰退したが、産業革命前でもころ軸受はモドキだが水車から転用出来、ボールベアリングの玉は羽子板の玉や数珠に用いられるムクロジ※1で代用可能と思われる。


 耐荷重的にムクロジは車輪には向かなくとも轆轤には転用出来る。


 鉄の代わりに杜仲でもインドゴムノキでも構わないのでパンクレスタイヤも履かせれば振動が減り、運搬も楽になるだろう。


 尚現在でもパンクレスタイヤの猫車は通常の物より引き出しが重いが、押し出しと牽引、一輪と二輪の差は有れど鉄嵌め、平軸受で家財道具を載せ草鞋履きで未舗装路を一人で進むのは無理である。


 ※1……漢字では無患子と書き、アジアに分布。


 日本では新潟、茨城以西に分布し果肉は石鹸の代用品として用いられた。


 参考サイト


 水車の仕組み


 https://www.city.mitaka.lg.jp/suisya/shikumi/shinbo.html


 軸受の歴史


 http://ndc-sales.co.jp/bearing-history.html


 wiki


 軸受

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― 新着の感想 ―
[一言] いつも興味深く拝見させて頂いております。 木質ベアリングについては、ころ・玉軸受より、すべり軸受の方が導入しやすいような気がします。 ギリシャ時代には既に獣脂を塗ってましたし、その後に現…
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