クソニンジンとエーテル、マラリア
日本では史前帰化植物としてあちこちに生えているクソニンジン(ニンジンとあるがヨモギの仲間)を粉砕し、エーテルに浸すとマラリアの特効薬であるアルテミシニンが溶け出すという。
化学合成も試みられているが、クソニンジンから抽出する方が安く済むようだ。
マラリアは日本でも平清盛の死因として知られ、1959年まで本土に、島嶼部では62年まで分布しておりキニーネ、クロロキン、蚊帳、蚊取り線香、DDT等のコンボで駆逐された。
既にアルテミシニンに耐性を持つ原虫が存在するので断言出来ないが、追加すれば根絶の前倒しは可能と思われる。
副作用は食欲不振、頭痛、目眩、脱力等が報告されている。
ガン治療に用いた場合では嘔吐、嘔気、アレルギー反応、溶血が報告されているようだ。
原虫は赤血球に寄生するのでマラリア治療に溶血は付き物として見過ごされたのだろうか?
キニーネの副作用は頭痛、嘔吐、嘔気、視力障害、耳鳴り、流行地域によっては低血糖も報告されているのでアルテミシニンの方が副作用は軽い。
ただ1/3000の確率で発生するアレルギー対策にキニーネの導入は必須なので、万能ではないが試す価値はある。
嘗て麻酔薬として使われていたエーテルは硫黄とエタノールを混ぜれば造れる為、菌の選別が必要なペニシリンより製造ハードルは低い。
参考サイトに"青蒿エーテル抽出物の中性分液とポリアミドを均一に混合させた後、47%のエタノールで溶出し、溶出液を濃縮させてからさらに抽出する方法で、抗マラリア効果を一段と高めることができた"
とあるので史上最古のポリアミド、ナイロンが発明された30年代後半以降には効果がより強力になるようだ。
アルテミシニンの単離にはシリカゲルが必要だが、産業化は毒ガス対策に用いられた第一次大戦以降である。
江戸時代まで寒冷期だった為媒介する蚊の活動は低調だったが、風土病を根絶し国内の開発や南方進出への一助となるだろう。
尚熱帯でマラリアと双璧を成す風土病のデング熱には治療法が無く、2016年に認可されたワクチンの他には対症療法として1873年に合成されたアセトアミノフェンを投与するしかない(他の解熱剤は出血が増える為不可)
参考サイト
アルテミシニン抽出方法
https://kyo-wa.tokyo.jp/jp/artemisinin/
マラリア、アルテミシニン系の副作用
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/16-%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87/%E5%AF%84%E7%94%9F%E8%99%AB%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%EF%BC%9A%E8%85%B8%E7%AE%A1%E5%A4%96%E5%AF%84%E7%94%9F%E5%8E%9F%E8%99%AB/%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%82%A2
ガン治療時に発生した副作用
https://blue-clinic-aoyama.com/c33
シリカゲル
http://www.tokai-chem.co.jp/smarts/index/111/
wiki
クソニンジン、アルテミシニン、ポリアミド、シリカゲル、デング熱ワクチン、アセトアミノフェン




