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ジープとくろがね四起

 欧州方面連合軍総司令官だったアイゼンハワーは、連合国の勝利に貢献した兵器としてジープ、バズーカ、C-47、原子爆弾の4つを挙げた。


 米軍はこの内のC-47にジープとM3対戦車砲を各1ずつ積載。


 戦線の後方に侵入させ、輸送部隊襲撃等に使っていた。


 戦後もチャド戦争でランクルを改造したテクニカルがモンキーモデルとはいえ第2世代戦車のT-62を撃破しているので、非装甲車両と軽火砲の組み合わせは時と場合により有効と思われる。


 日本もC-47の原型機であるDC-3をライセンス生産し、海軍が零式輸送機として使用。


 車両はジープと重量は等しいが出力は6割、33馬力しかない九五式小型乗用車、くろがね四起を陸軍が保有していた。


 同車の積載量や牽引力はジープの半分以下、227㎏未満しかないが35馬力で履帯式の九四式軽装甲車(3.45t)が積載量750kgのトレーラーを30km/hで牽引しているので、ハンドリングは大変かつ被牽引車にもブレーキが必要だが1tのくろがねでも800kgの一式機動砲を牽引出来るだろう。


 くろがねは後方連絡や人員輸送が主な用途でヒットアンドアウェイ戦法はニッチではあったものの、上述の零式輸送機、軽火砲との組み合わせは機動力、奇襲効果を考えると有効で実現可能だった。


 だが、史実では陸軍の挺進連隊で軽機関銃や自動砲の搭載が試験的に行われたに過ぎず、同部隊が主用した百式輸送機は開口部が車両搭載に不向きで、幅1.3m、重量1tのくろがねを筆頭に重装備はグライダーに載せていた。


 一方の海軍は幅員2.4m、床の幅2.11m、搭載量2.7tの零式輸送機を保有していたが地上車両を欠いていた。


 人の移動には60cmの幅が必要な事を考えるとやや重心が傾くが搭載可能。


 海軍の落下傘降下訓練を陸軍が見学し、地上装備も陸軍から融通していたから装備の統合は出来たのだが九七式自動砲と九九式二十㍉機銃で規格が異なっている。


 連合国と比較して馬力と生産力が不足し、運用思想も異なり内部の縄張り争いがあった為規模も能力も乏しかったが空中、地上問わず機動可能な空挺部隊を編成出来なかったのは素地はあっただけに実に残念である。


 参考サイト


 九五式小型乗用車


https://readyfor.jp/projects/kurogane4ki/announcements/8054


 (PDF)日本内燃機くろがね軍用車両史


 wiki


 ジープ、C-47、M3対戦車砲、トヨタ戦争、テクニカル、DC-3、零式輸送機、九五式小型乗用車、挺進連隊、百式輸送機、海軍空挺部隊。

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