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1920年代に可能だった農業機械化

 史実では蒸気式トラクターが1909年(明治42年)に岩手へ、11年に北海道へ内燃機関式が試験導入されたが高価過ぎた為定着せず、翌12年にヤンマーが創業したが、この頃はガソリンエンジンの原型、ガスエンジン全般の修理販売で農機専門という訳ではなかった。


 価格が高いのは米国より国民所得が低い上にフォードトラクターの量産開始が1917年以降なので致し方ない。


 内燃機関の歴史をやや遡ると独で1886年に世界初の自動車とガスボンベが開発され、89年には独から用途は不明だがガスエンジンが輸入されている。


 この頃は馬力が1馬力前後なので耕運機に出来るかどうかだが、1892年に米国で開発されたトラクター用ガソリンエンジンは16馬力を発揮した。


 ガスエンジンとガソリンエンジンの基本構造は同じで、日本は油田が殆どないので炭田やガス田、又は牧場から入手出来るメタンガスをメインに、ガソリンを予備とするバイフューエル機関に改修する必要があるが導入可能。


 内燃機関より構造が単純で、1859年に英国で開発された蒸気トラクターや第一次世界大戦中に登場し薪や石炭を不完全燃焼させて走る木炭車とも比較すると


 製作難易度 出力 始動時間  寿命


 蒸気機関 易  不明  6分     30年


 木炭車  難   58  一時間  最長2年


 天然ガス 難   90  数分 ボンベ6年


 ガソリン 難   100  数分     10年


(出力はガソリンを100とした時)


 ガスやガソリン車の始動時間が数分と長いのは、キーではなくスパム缶詰のネジのようにスターティングハンドルをエンジンに差し込み腕力で始動させている為。


 レジスターを元にしたキーを差し込むスターターモーターの普及は20年代以降。


 ガソリンの熱効率は蒸気機関の3倍。


 尚木炭車は坂を自力で登れないので自動的に田圃用トラクター候補から脱落する。


 農業機械化と銘打ったのは天然ガス自動車の航続距離は150気圧のボンベ1本辺りバスで40㎞、自重1.5tの乗用車で60㎞が限界と長距離移動に向かない為。


 前倒しへのハードルは他にも有り、開発されたばかりのガスボンベは炭素鋼製で、ガスボンベに主用されるクロムモリブデン鋼の開発は1910年代、次点のマンガン鋼は古代ローマ時代から製造されているが製法や強度は不明。


 ガスエンジンの技術を持つヤンマーでも大戦で物流や情報に制限がかかる影響は免れず、19年にはガスから石油エンジン、23年からディーゼル開発に進む為バイフューエルエンジンの開発は後続のディーゼルが遅れる可能性を考えると無理だろう。


 1890年創業のクボタは97年に鋳鉄管国産化するまで余裕はなく、史実に於いて1920年に自動車、22年に農工用石油エンジンを製造しているので、バイフューエルエンジンに変更か前倒ししても問題はないと思われる。


 クボタが石油エンジンを製造した年に年に東京の三河島で公営としては日本初の近代的な下水処理施設が出来、金と技術があれば近隣住民へのガス供給源となり得たのだ。


 尚、南関東ガス田のメタンガスは純度99%だが、コークスガスは30%台。 牧場、下水処理施設は60〜70%。


 コークスガスは不完全燃焼時に発生するガスで動く木炭自動車程ではないが一酸化炭素を含んでいる為危険。


 井関の創業は1926年である。


 参考文献


 下水道工学


 参考サイト


 ヤンマー

 https://www.yanmar.com/jp/about/corporate/history/


 クボタ

 https://www.kubota.co.jp/corporate/history/index.html


 wiki


 バイフューエルエンジン、トラクター、蒸気自動車、木炭自動車、マンガン鋼、井関農機

米国からトラクターを買い、クボタが鋳鉄管国産化するまで二宮忠八にエンジンを渡して飛行機開発させるのもありかもしれない。


 二宮は93年に動力部を除く機体を製造している。

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