ネットで分かる湯温消毒その他
作物名 病害虫名 処理条件
米※1 いもち 58℃15〜20分
芯枯れ線虫 60℃10分
馬鹿苗※2 63〜65℃10分
はと麦 黒穂 65〜72℃10分
ニホンミツバチの蜜蝋(融点65℃)で判断可能。
麦※3 生臭黒穂 55℃、5分
又は18℃、3時間→55℃5分
栗 クリシギゾウムシ、クリミガ
50℃、30分※4
甘藷 種芋 47〜48℃、40分
苗 同上、 15分
黒斑、黒あざ、つる割れの何れにも有効。
トマト 萎凋 55~60℃で10~20分
半身萎凋 45~50℃で30分
かいよう 55℃で25分
キュウリ斑点細菌 52~56℃で10~20分
又は50℃で10~30分
炭疸 50℃で20分
又は60℃で15分
スイカつる割 55℃で30分
南瓜 フザリウム立枯55℃で15分
ユウガオつる割 55℃で30分
又は57℃で20分
又は60℃で10分
又は69℃で2分
ダイコン黒斑細菌 50℃で5分
ハクサイ 黄化 50℃で20分
キャベツ 根朽 50℃で5分
黒腐 50℃で30分
黒斑、黒すす55℃で10~25分
べと 48~50℃で20分
らっきょう ネダニ 49〜50℃で60分
カリフラワー黒腐 50℃で30分
ニンジン 斑点細菌50℃で20分
セロリ 葉枯、斑点 48℃で30分
ミツバ 立枯 47℃で10分~20分
トウモロコシ倒伏細菌49℃で10分
55℃の麹に文字が書ける杜氏が居るか、明から輸入したハゼノキ(1573年以降伝来、蝋の融点50℃)が有れば対処可能。
透明なガラスの登場は1660年代のボヘミアだが、原料の酸化マンガンが領内で採れるなら温度計が造れる。
幕末に伝わったキャベツや明治(カリフラワーと白菜)に導入されている物もある。
より大量に処理可能な乾熱殺菌室を用いる方法もあるが、専用設備を用意せねばならない上に上記作物はどれも最短2日かかる為炭鉱か油田、ガス田が近辺にない限り再現不能と判断し割愛。
※1……塩水選後一時間以内
※2……稲を徒長させる馬鹿苗病に感染した苗から採取した菌をペニシリン作製と同じ方法で処理すると、ジベレリンと呼ばれる植物ホルモンを抽出出来る。
複数の化合物からなり、ここから更に単離しA3と名付けた物を葡萄のデラウェアに対し満開後3日以内と投与後10〜15日以内の2回、雨天まで8時間以内を避け投与すると種無しになると共に果実が大きくなる。
柿、みかんには落果防止効果が認められた。
※3……55℃、5分のみの場合は試験場所、気候により発病率が0〜0.2%の変動があるが18℃3時間+した物は0%。
未処理は14.8%。
※4……52℃以上から発芽率が低下し始め、55℃で殆ど発芽しなくなる。
参考文献
湯温処理
種子消毒(PDF)
湯温消毒サイト
https://lib.ruralnet.or.jp/nrpd/#koumoku=10725
ジベレリン
https://green-rocket.jp/post/22
https://www.jataff.or.jp/senjin/jibe.htm
https://www.jataff.or.jp/senjin/dera.htm
1㎡辺り50〜200l、濃度0.5〜2%のエタノール溶液(濃度8%の酒粕を所定濃度に希釈した物でも可)を5〜9月に散水、ビニール又は油紙で3週間被覆する土壌殺菌法もあるが、確実に水争いが起こる為割愛した。