鉋と薄刃物
世界最古の安全剃刀は18世紀末に鉋を見て考案されたという。
だが1901年に発明されたジレットの替刃剃刀以前の安全剃刀は刃がガイドされているものの、T字剃刀でも使い捨てでも無いので素人では髭を剃るのでは無く皮膚を切ってしまう事や、研ぐ為の付け外しの際負傷する為現代から見れば安全ではなかった。
日本では江戸時代に鰹節削り機が開発されている為、上記の安全と自称する剃刀の他にも台所に目を向ければピーラー、スライサーも発想さえあれば洋の東西を問わず18世紀中に開発可能だった。
欧州で薄刃剃刀が実現したのは、産業革命により高圧プレスや1784年に発明された錬鉄用圧延機、MHでは無いが砥石高速化で量産が容易くなった事が背景にある。
そんな物が無い日本は鉄の生産コスト、輸送コストが欧州より高く国民所得が低い事が祟り、技術的には可能でも残念ながら広く普及しないだろう。
上記の鰹節削り機が全国に広く普及するのは明治以降である。
毛抜きや時計用歯車等薄板の加工技術はあったのだが……。
安全替刃剃刀と開発年度、材料強度が近い薄板鋼板はドラム缶があり、1903年(1899年にグリセリンを入れる容器を見掛けて考案)に事業化されている。
カッターやポンナイフ等、剃刀と強度、厚みが近い刃物類の量産は圧延機他加工技術に手を入れなければ20世紀以降が最速である。




