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逃した大魚、マッカーサーと宝船

 1942年2月上旬、フィリピン政府の準備金20tの金と大量のペソ銀貨、証券をバラスト代わりに積んだ潜水艦トラウトがコレヒドールから真珠湾に向けて出撃した。


 同艦の所属はアジア艦隊ではなく真珠湾で、日本軍の哨戒線を越えてフィリピンに到着。


 帰路は南シナ海から台湾海峡を北上して東シナ海経由で太平洋へ抜け、真珠湾に戻った。


 日本軍はフィリピン攻略戦でマッカーサーだけでなく20tの金も取り逃がしたのだ。


 台湾海峡はバシー海峡のある南東方面に向かって深くなるが、大半の深度は70m以下。


 当時の技術でもサルベージ可能な深さである。


 第二次世界大戦を取り扱う仮想戦記ではスペイン内戦時にソ連に持ち出される金塊の奪取や1980年代に開発される菱刈鉱山開発、フィリピン攻略時にマッカーサーを何とかする物ばかりだが、幅の狭い台北沖等でトラウトを捕捉、撃沈後に回収した金銀をフィリピン統治に使えば現地の金融業界の心を折れるかもしれない。


 尚、日本が着服しそれがスペインにバレた場合、キレる可能性が高いので注意が必要。


 拙作『通商護衛戦』では伊豆・小笠原諸島に敷設したSOSUSで真珠湾から来寇する米潜を撃沈している為、準備金は在比米軍の幕僚と同じ経路で米国に渡っている。


 参考資料


 wiki トラウト

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