蓄音機
蓄音機はレコード盤に刻まれた溝をなぞり、その振動を増幅再生する事は良く知られている。
糸電話の糸が針にあたる。
エジソンが蓄音機を開発した1877年当時電力網はなかった為、知識と金属加工技術があれば史実以前でも手回しかゼンマイ駆動の蓄音機を造る事が出来る。
但しバネや薄板が作れるならオルゴールの方が難易度は低い(1796年発明)し、その先祖のカリヨン(チャイムの仲間で鐘の一種)は自動再生機能は無いが15世紀には既に存在している。
エジソンのそれはオルゴールのようにシリンダー状の錫箔に音声を刻み付けた物の為、後世の物より高価で音質も悪く、録音時間も3分以下、寿命も数回と短かかった。
エジソンが白熱電球の研究に取り掛かるや否やグラハム・ベルらライバルが蓄音機を改良。
3分しか持たないのは変わらないが錫から蜜蝋に代わり、再生回数は20回前後に延び、1887年にはエミール・ベルリナーの手でシリンダーからお馴染みのディスク型に変わる。
初期のディスク盤材料はゴムやエボナイトで再生時間は2~4分、再生回数は100回以下だったが、後に四川・雲南省からインドにかけて生息するラックカイガラムシの分泌物であるシェラック(70%以上)に炭酸カルシウム(15~18%)、アルミナ(5~7%)、カーボン(2~5%)硫酸バリウム(3~5%)を添加した物が登場し、再生回数は500回以上に延びた。
ラックカイガラムシの生息地の緯度は日本ではトカラ列島が該当する。
知識と技術、交易網があればアジア地域なら史実以前に1890年代レベルの蓄音機を製造可能。
それ以外の地域は木蝋、蜜蝋による80年代レベルが精一杯である。
ディスク盤の製造には10t単位のプレス加工が必要なので量産には出来れば蒸気機関の開発もしたい。
シリンダー型はディスクより再生時間も音質も劣っていたが、録音と再生が出来る点が優れていた為19世紀中はディスク型と拮抗していた。
針が音盤を傷める為、欧米ではサボテンの棘、日本では竹も売っていた。
特許や使用料を取るシステムを整備すれば宗教勢力を味方に出来るし盗聴も出来なくは無い。
恋姫†夢○世界で蓄音機を開発したらほぼほぼ黄巾党ルートだが、無力化に使えるかもしれない(尚価格)