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たたらと角炉と精錬炉他

 たたら製鉄と大陸の高炉製鉄では生産量も寿命も大きく異なる。


 明治時代に耐火煉瓦を用いて20日連続稼働を達成、木炭の他に石灰も加え品質が向上した角炉は1860年代のベッセマー転炉製鋼鉄より質量共にやや劣る鉄を生産可能。


 炭田、油田が無い地域でも砂鉄、木炭、石灰、耐火煉瓦(ドロマイト耐火煉瓦は苦汁か石灰の副産物として産出した苦土石灰を1500℃で焼成すれば生産可能)と転炉、機械化が為されていれば5~8気圧に耐えるボイラーや水道管を製造可能。


 たたら製鉄のみで出来る鉄の大部分は普通鋳鉄で史上初のSL、ロケット号(3.35気圧、3.467kg/c㎡)が限界だったのに角炉+転炉+リベット機械打ちは、


 4atm=4気圧(4.132kg/c㎡)……コルベ・シュミット反応。


 用途他……アスピリンの前駆体生産圧力下限。


 5.731atm(5.92kg/c㎡)……試作焼玉エンジン。


 用途他……舶用機関?


 5.78atm(5.97kg/c㎡)……ベッセマー転炉1858年製ボイラー第一号機圧力。


 6.796atm(7.02kg/c㎡)……ベッセマー転炉1859年製ボイラー強度。


 6.81atm(7.03kg/c㎡)……1891年製造の商用焼玉エンジン始動圧力。


 6.91atm(7.14kg/c㎡)……飛行船用蒸気機関(1852年、3馬力、8㎞/h)


 7atm(7.23kg/c㎡)……コルベ・シュミット反応の圧力上限、現代の消火器内圧下限。


 7.4atm(7.64kg/c㎡)……水道管圧力上限。


 7.5atm(7.75kg/c㎡)……1902年に試験されたトラクター用石油発動機のアルコール燃焼時最高圧力。


 ……と1870年代に欧米諸国から輸入したSL(8kg/c㎡)も理論上は戦国時代でも製造可能である。


 ガソリンエンジンや石油発動機は木炭製造時に生じるメタノールを燃料にすれば良いが、点火プラグの絶縁に必要な高純度のアルミナを戦国時代では製造出来ない上にプラチナやニッケルの調達が地理、コスト的に難しいので夢物語である。


 予熱温度を200℃から水性ガス反応により800℃に上げると還元が進む為鉄の生産量が最大10%増え、木炭消費量が銑鉄1t辺り1335kgに減る。


 日本の水車は17世紀まで効率が15%しかなかった(角炉は20%)をフランシス水車(効率90%)に変更したら鉄の生産量が変更前より2%、予熱込み12%増える。

角炉産鉄は転炉他後工程で脱炭処理しなければ5~6気圧止まりだった模様。

たたらの銑鉄は転炉等が無い場合文中にある通り3~4気圧。


玉鋼は転炉等の後工程無しで7気圧、処理後は8気圧まで持つが生産量が角炉の1/10以下。

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― 新着の感想 ―
SL(8kg/c㎡)も理論上は戦国時代でも製造可能との見解ですが鉄道の場合多分厄介なのはレールなんですよねえ国産化には八幡製鉄所まで待たねばならなかったのが結果ですしねえ。 ただ汽船は現実的に思えます…
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