彦根藩と畜産他
松坂牛でも但馬牛でも葉山牛でも良いが、周辺産業の強みを活かせる彦根を取り上げる。
江戸時代の近江牛の餌にホップの近縁種カラハナソウの絞り粕を与え、解体時に生じる骨でボーンチャイナを作ろうというだけの話である。
カラハナソウはホップより香りも苦味も弱いのでビール風飲料止まり。
飼料用とうもろこしの輸入はそもそも飼料を輸入する発想が無い。
史実の餌のレパートリーには無いが、薬草と兼用可能なコロハがワンチャンある位か。
明治時代だが、牧草を育てる概念がない為クラーク博士が導入に苦労した記録が残っている。
大豆粕を餌にする点は江戸時代も現代も変わらないが、ビール粕導入後より肉質が硬かったとの証言もある。
ただ記憶は変質するので参考に留めておくべきだろう。
牛乳は吉宗の時代に病人向けに飲ませるように布告が出されたが一般常識になる程浸透しなかった。
牛を大切にするヒンドゥー教は牛乳を飲むのだが……。
乳量を増やすには以前畜産の項で述べたように暑さや痛み等ストレスを減らす事が重要。
牛に呑ませる磁石は領内の窯で骨の引受先、信楽焼の顔料に用いられるであろう炭酸バリウム(有毒)と酸化鉄(赤黒問わず)の粉末をモル比1:12用意した後混ぜ、1200℃の高温で焼結、着磁すれば1952年に実用化されたバリウムフェライト(磁力は初期のネオジムの1/10。3GOe)が出来る。
不純物や温度、時間管理の関係で性能が半減するとしても従来の天然磁石の倍以上の磁力を持つ。
ハンドミキサーは無理でもポキポキモーターと併せて発電機の小型化に貢献するだろう。
彦根領内ではマンガンが産出するが、ビールジョッキ等ガラス製品の透明度が上がる為有利である。