犯罪ダメ。ゼッタイ。
特に女性は回避推奨。
ホラーと言えるほどホラーかの自信無し。
内容は本気でロクでもねぇので、読むのは覚悟が必要です。
読まれる方は読む前にあらすじを確認の上、戻るボタン等のいつでもブラウザバックできる用意をしてからどうぞ。
今は夕方。
今日は運が悪くて、学校が終わってから遊びにさそっても、みんな用があってダメだった。
それで家に帰っても何もすることが無いから、帰り道で寄り道して、大きな川のかわらに来たの。
わたしひとりだけど、このまま帰る気分じゃないし、遊び足りない。
でもかわらでもする事が無いし、ぼんやりと流れる水を見ていたら、知らないおじさんから声をかけられた。
おじさんの見た目はふつーで、なんと言うかおヨメさん大好き子ども大好きみたいな見た目をしていました。
それにわたしに話しかけてきた言葉も、
「おじょーちゃん、そんな所にひとりで何してるの? あぶないよ」
ってしんぱいしてくれていたし、まるでお父さんみたいな目でわたしを見ていたし。
こわい大人の人じゃないと思いました。
なので、あわててぼうはんブザーを引こうとしていた手も止まりました。
それでわたしは、今日だれとも遊べなかった話をおじさんにしたんです。
それと、まだ帰りたくない。 まだ遊びたいって心も。
そうしたらおじさんが、
「だったらおじさんと遊ぼうか。 もうトシだからあまり動けないけど、かくれんぼ位ならいっしょに出来るよ」
ってさそってくれたんです。
わたしはそれがうれしくて、思わず遊ぶ! って言いました。
そう。 言ってしまったのです。
まずはおじさんがオニをやるってなって、わたしはかくれ場所を急いで探しました。
かくれる場所はほとんどなくて、はしの下じゃあ見つかっちゃうから、そこもダメだと思いました。
それでもなんとか探していると、かわらのちゅう車場にワゴンみたいな大きい車があって、まどもとびらも全部開いていたのでそこにかくれました。
うん。 そこにかくれてしまったんです。
車にかくれたらちょうど良くおじさんが、
「もーいーかーい?」
って呼んでいたから、
「もーいーよー」
って返してから、車のとびらを急いで閉めてかくれました。
そこからしばらく、おじさんはあっちへウロウロこっちへウロウロして、わたしを探していました。
「んーー見つからないなー?」
「どこかなー?」
「ここかな?」
「こっちかな? ちがったかー」
ってうれしそうに言いながら、たくさん探していました。
そのおじさんがだんだん車に近づいてきて、わたしはきんちょうしました。
もう少ししたら見つかっちゃう!
もっと遊んでいたい! 今おじさんに見つかりたくない!
そう思ったら、ざせきの近くにあった毛布を思わず広げて、そこにわたしはかくれました。
「おかしいなー? この辺い外はさがしたんだけどなあー?」
って言うおじさんから、ひっしにかくれるわたし。
そんなわたしに気付かないまま、車にのるおじさん。
おじさんがすぐ近くにいる! 見つかっちゃうよ!
そんなちょっとしたこわさで、ドキドキが止まりませんでした。
「どこまでかはんいを決めてなかったし、もしかしてもっと遠い場所にかくれてるのかなー? この車で探しに行こうかな?」
そう言っておじさんは車のエンジンをオンにして、車を発車させました。
~~~~~~
それからしばらくして。
私は当時住んでいた所から離れ、心に男性恐怖症や閉所恐怖症や車に対する拒絶感・嫌悪感と言う傷を負ったままながら、なんとか日常生活を送れる位になりました。
酷い時は本当に酷く、男性の姿を見ただけで恐怖と緊張と混乱とと、色々な感情がグルグルして体が固まって動けなくなるとか有りました。
今でもあの時の夢を見ます。
河原に行く原因となった所から、おじさんが逮捕されて私が保護されるまでの記憶を、悪夢として。
悪夢で済めばまだ良かったのに、日中でもフラッシュバックが起きて、心がメチャクチャになりそうな時があります。
心がメチャクチャになりそうになるだけでなく、明確な恐怖と拒絶感と嫌悪感と嘔吐感も併せて。
それが来るだけで、抑える薬を飲むのが遅くなったら、心をなんとか整えるのに1日はかかります。
こんな私自身を、心底好きになれません。
あの時の私は警戒心が足りなかった。
もう少し知識があれば。
寄り道しようと思わない性格だったなら。
他にも、後悔として色々考えて頭がグルグルして。
あのおじさんへの憎悪でも、頭がおかしくなりそうなほどグルグルさせて。
そこまで考える前に止められれば良かったのに、止められず気分がおかしくなってトイレへ駆け込んで食べた物を戻したり。
戻した段階でも止められず、再びフラッシュバックを起こして胃酸がトイレに流れたり。
ああ、あの時こうしていれば、私は……。
それを一生抱えながら、私は生きていくのです。
ネタ成分無しの、
いとも容易く行われる えげつない行為。
○犯罪ダメ。ゼッタイ。
このおじさんは隠れられる場所が橋げたの下か、その車か。
その位しかない場所だと知っていて、チャンスだとばかりに狙ってやりました。
許さねえ。 架空の物語とは言え、絶対に許さねえ(こめかみに青筋)
もう少し軽めの文体で書く気でいたのですが、少し思い直して重く。
本来は「みぃつけた」と、のっぺら坊とか見ていて不安になる顔の絵みたいな“おじさんの正体”が、わたしの至近距離で「ばぁ」して終わりの古典的展開で済ませる予定だったんです(言い訳感満載)
なお、別におじさんが悪いわけではありません。
悪いのは相手の事を考えず人をだまし、欲に走る犯罪者です。
悪いのは、おじさんではないのです。 “悪い事をした”おじさんが悪いのです。
ちなみに、別におじさんに限定した話では有りません。
悪い事をするのは、おにいさん おじいさん ク○ガキ である場合も。
最悪……いやむしろ、結構な確率で達が付いても不思議ではないので。