旦那ちゃんと嫁ちゃんのローファンタジー~七つのシミを持つ男~
荒廃した世界。
202X年、人類は未曽有の喜劇に見舞われた。
海は枯れ、大地は裂け、あらゆる変態が絶滅したかに見えたが、だが人類はシコ滅していなかった。
荒廃した大地を歩く、チャン=ダンナーとチャン=ヨメの前に暴漢たちが現れた。
「おい~きさまらっ、食料持っているだろう。よこしなあ!」
ヨメチャンは言った。
「食料なんてないわよ。昨日いき〇りス〇ーキで豪遊したから、今日はお預けなの」
「おい、おい、俺たちに、嘘つこうたって、無駄だぜい」
「本当よ」
「こいつ・・・まぁ、いい。傷めつけて食料の在り処を吐かせてやる」
「やめろ」
ダンナチャンは静かに言った。
「なんだあ!」
「ヨメチャンに汚い手で触れるな」
「ふざけてんじゃねぇぞっ!オイっ!」
「はああああああ!」
ビリビリビリ上半身のつなぎが破れ、ついでにデニムのズボンも破れ、ダンナチャンは真っ裸となった。
「ひいいいいいっ!〇頭に七つのシミを持つ男」
暴漢は慌てふためく。
「ほあたっ!」
怒張するサーベルで暴漢をぶっ叩く。
「あべしっ!」
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「って言う夢を見たんだ」
真顔で旦那ちゃんは言った。
「ふーん」
嫁ちゃんは編み物をしながら生返事をする。
「ねぇ、聞いてる?」
「確かに、旦那ちゃん、チ〇ジミあるよね。いくつあるの?」
「多分・・・七つ」
「ふーん、見せて」
「へっ」
「いいから、見せろよ、オラっ」
嫁ちゃんは編み物をほおり投げ、暴漢ばりに旦那ちゃんをひんむく。
「いやっ!」(笑)
「ひい、ふう、みい、よお・・・八つじゃん。一個増えてる」
「はわわわわ!」
今日も旦那ちゃんは嫁ちゃんに敗北したようだ。
嫁ちゃんにいつかリベンジを果たすその日まで。
いつかその日は来るのだろうか。
〇ンジミの数は多くとも、いつも心に太陽を。
見えない所だからいいじゃないか、大した問題じゃないさ。
シミの数は男の勲章ってね。
結局、いつも通り(笑)。