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ニュー・フェイス  作者: イエロースリープ
2/7

始まりの一歩手前

1979年。残虐な刺殺事件から一年以上経った。

コンビニは不良たちのおかげか、売り上げが良かった。

バーで酔っぱらった若者たちが、当たり前かのように入店してくる。

大体は酒とタバコだ。

ドラッグのニオイがとてつもない男が、タバコを買った後に店員に聞いた。


「ホワイト・フェイスが現れたかもしれない。」



ホワイト・フェイス それは去年、1978年に起きた残虐な刺殺事件のことだった。

一人も残らず、骨は砕かれていて、ナイフで刺されていた。

当時、唯一の生き残りは、こう言っていた。


「白い仮面に刺された。」



一年経った今は、そのような事件は一切起きていない。

店員は男に聞いてみた。


「大量殺人だとか、残虐な刺殺だとか、全く耳に入ってないのに、なぜホワイト・フェイスが現れたと?」


男はこう応えた。


「俺の仲間とか、他のやつらがみんな、黒いコートを着た男にボコられてる。中には、"吹っ飛ばされた"とか言って青ざめてるヤツもいるらしい。フードを被ってるから、顔がよく見えないんだってよ。」


店員は、あることを思い出した。


「そういや近くの病院に、糖尿病で通院してるんだが、ケガだらけの患者がたくさんいたな。」


店員は、その"黒いコートの男"によるものだと確信した。

 その男は金を払って立ち去った。それと同時に、ある男が入店してきた。その男はエドという男だ。


エドという30代の男は、リサイクル店を経営していて、趣味で私立探偵をやっている。

この町は荒れているため、私立探偵の仕事がメインになっていた。

財布をなくしたとか、浮気の証拠を掴んできて欲しいだとか、しょうもないことに対応するだけで、稼ぎ放題。

エドは、この町は金を稼げるという理由で好んでいた。


「店員さん。いつものタバコをくれ。」


ここのコンビニはよく訪れるが、世間話は全くない。


いつものようにいつものタバコを買って、去った。

エドは車に乗ろうとしたとき、車全体にスプレーでラクガキされていたことに気付いた。

近くにいた男女4人の犯行だ。

流石にエドはキレて、男女の方に向かった。

男女は急いで車に乗って逃げようとするが、エンジンがすぐにかからないというホラー映画のような展開が、偶然にも起きてしまった。

エドはヤツらが載っている車のドアを開けようとするが、鍵が掛かっていて開かない。中で声がする。


「ざまあみやがれ。」


エドは激怒して、助手席側のドアを蹴った。

ドアを思いっきり蹴ったとき、ドアは大きくへこみ、窓が割れて、蹴った部分は穴が開いていた。

中で騒いでた4人だけでなく、エドも、凍りついた。

その後、車のエンジンがようやくついた。




「いったいアレは何者だ。怪人め。」


車は猛スピードで走っていた。

助手席側のドアが凹んだまま、走っていた。

明かりも一切ない場所を、ひたすら走っていた。

後部座席に座っている男が言った。


「すまん、トイレに行きたい。チビっちゃった。」


仕方なく車を停め、真っ暗闇の中、トイレに向かった。

男は車から降りて、トイレをしに向かった。

トイレをしているところを見られたくないからか、少し車から離れに行った。

男は暗闇の中に消えていった。

トイレが終わるのを待っていた三人。

ドアを凹ませた怪力の男の話題はいまだに途絶えていなかった。運転手の女は言った。


「あの怪力野郎、殺してやる。」


しかし、後部座席に座っている女はこう返した。


「バカ言わないで、ウチらは人間よ。アイツは人間じゃないわ。」




その頃、エドは足を痛めていた。

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