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グロ注意な18話

野犬狩りを続け、ウサギ1万匹虐殺を追加でこなし、レベルが10に上がった私達は、無事新たなるスキルを取得する事ができた。


新しいスキルは僕が〈剣術〉北原君が〈金魔術〉でこれによって北原君は相克士のジョブを取得する事ができた。

そんな僕達だが、今日からはついに自分一人でモンスターと戦う日だった。

「今日からはお前達に自力で戦ってもらう、一応俺も付いていくが基本的にお前達の力でモンスターを倒してもらう。いいな?」


レベル的に考えれば、5階の野犬相手でも問題なく戦える能力はあるがまずは1階から下に下がっていくという方針らしい。安全志向の僕はもちろん、最近は彼女さんの為にも無理をしない為北原君も特に反対しなかった。


「それじゃあまずは太郎、お前に倒してもらう。お前達ならもうネズミに体当たりされようが歯で噛まれようが傷を負う事はないだろうが油断しないようにな」

雄兄の言葉に了解と返す、と言っても、僕も北原君もモンスターの気配を把握するようなことはできないので雄兄に後ろから進行方向を指示してもらいながらの探索になるが。


そして3分も歩かないうちに僕はネズミを見つける。僕は腰に下げていた剣を引き抜いて、ふと思う。

あれ?これってこの中型犬みたいなサイズのネズミに剣を振り下ろして当てるよりも蹴り飛ばして壁にぶつけて動きを止めてから切った方が楽なんじゃないかな?と。


僕が雄兄に尋ねようと後ろを振り向こうとした時、ネズミは僕のその行動を隙と見たのか、僕の右足に思いっきり飛びかかってきた、僕は思わず右手に持っていた剣ではなく、ネズミが飛びかかってきた右足をサッカーボールを蹴るイメージで思いっきり蹴り上げた。


僕の蹴りを食らったネズミは、ちゅーっと悲痛な叫び声を上げたかと思うと、首だけが飛び壁にめりこんだ。

偶然僕と雄兄の間にいた北原君と目が合うと、北原君はドン引きしたように引き攣った笑みを浮かべる。


「いや、うんちょっと待って、僕もね、今の倒し方はどうかと思ってはいるんだけどね、うん」

僕がドン引きしている北原君に言い訳をしていると

「何言ってんだ、怪我無く倒せりゃいいんだよ、無事是名馬って奴よ、倒し方に拘って怪我するぐらいなら、不格好でも安全に倒しとけ」


雄兄的には僕の倒し方に不満がないらしいが、なんだろう弱い物いじめ感が半端ない……

「雄兄、僕は2階から狩りを始めようと思うんだけどいいかな?」

さすがにこの先、延々とネズミを蹴り倒すだけの作業を1日繰り返すのは少しきついので、そう提案する。

僕の提案を雄兄は許可してくれると、続けて北原君がネズミ狩りを行る。


北原君は魔術師の為、僕より身体能力が低い……と思われるかもしれないがそんなことはない。

僕が取得したのは〈解体〉と〈剣術〉であり、ジョブを得られなかったこともあって、レベルアップによる身体能力増加以外に身体能力的な恩恵はスキルで得ていない。

その為、北原君の若さと運動神経を考えると僕と北原君の間にそれほど近接戦闘能力に差はない、どころか剣を使わないなら、僕の方が下である。

とはいえ、北原君には〈解体〉を取得している事はないしょなのである程度は頑張らなければいけないのだが。


当然というか、なんというか。北原君もネズミをあっさりと狩り、僕と同じように2階への移動を願い出て、僕達は2階のウサギの下へと向かった


2階のウサギの大きさはネズミよりも二回りほど大きく、突進してくるとそれなりに迫力がある僕は剣を抜くと、突進してくるウサギの攻撃を紙一重……と呼ぶには随分と開いた距離で避けてウサギの腹に剣を突き刺す。

剣を突き刺されたウサギは、自分の突進の勢いのままに剣が刺さった状態で進み、結果、広い範囲を剣で切り裂かれる、それでも一撃でとどめを刺す事は出来なかったようで、動きが鈍る事無く、そのまま突っ込んでくる。


モンスターを相手にしたとき、この痛みで怯まないというのが厄介な点だ、生き物が相手なら、痛ければ怯むし、痛い思いをしたくないから逃げるが、モンスターにはそういうものがない。

その結果、倒れる目前まで全力で暴れて、突然ぱたりと倒れるのだ。

「お前RPG世界の住民かよ!」とモンスターに通じないのはわかっているが叫ばずにはいられない、というか、何か叫ぶと力が入る気がするので、ついつい叫んでしまう。


それから2度、突進を躱しながら斬りつけた時、そのままパタリと倒れ、動きを止めた。

「ふむ、できれば太郎のレベルなら一撃で首を刎ねてほしいところだが、まぁいい動きではあったな」

僕の戦いを見ていた雄兄がそう言って声をかけてくる、雄兄的には私の戦いが物足りないらしい。


「まぁいいか、次は北原、戦ってみろ」

雄兄に言われて北原君が僕と場所を入れ替わり、新たなウサギを探す。

北原君の戦い方は基本的に剣を使って戦う方法だ、時々剣に魔法を纏わせたりしながら戦う事もあるが、あまり遠距離攻撃として使う事は少ない。


「いたぞ、北原行ってこい」

北原君がウサギと対峙する、ウサギは躊躇せずに突撃してくる、北原君は僕とは違い深く剣を刺すのではなく大きく傷をつけるように剣を振り下ろす。

これはスキルの違いからだ、僕は剣術スキルを持っている、そのおかげで剣を装備した時に剣の耐久性が増すし、モンスターを斬った時にモンスターの肉体が多少だが柔らかくなりきれやすくなる、だから雑に使っても簡単には剣が折れる事がない、たいして北原君の場合は剣元々の耐久性で戦わなければいけない、だから突き刺して強引に傷を広げるのではなく、切り裂く形で剣の負担を減らしているのだ。


しかしスキルを持たない以上、北原君は攻撃力が足りないそして戦いとは長引けば傷を負わなくても疲労するものだ、敵の攻撃を避け続ける為に集中すれば精神的に疲労するし、大きく動けば肉体的にも疲労する、さて北原君はどうするのかと見ていたら。


「魔法剣・火鱗!」

北原君が火魔術を使う、ちなみにわざわざ魔法の名前を叫んだのは所謂ルーティンのようなものだ

頭の中で事前にどの位の魔力の消費をするかと魔術の形状をイメージしておくことで言葉一つでそれを呼び出せるようにしているのだ。


今回北原君が使った魔術は剣の周りを炎で覆う事で、その焼き切る事を目的とした魔術である。

「ふっ!」

飛びかかってきたウサギに剣を振り下ろすと切り裂かれた所が燃え上がる、燃え上がるだけでは魔力の消耗には繋がらないが、この炎はウサギの魔力を消費して燃えている為、燃え続ける限り魔力を奪い続けるのだ。


それでも気にせず再度飛びかかってきたウサギを斬り、燃えている個所を増やすと、その直後、着地と同時にウサギは横倒しになり、そのまま動かなくなる。

「よっしゃ!」と北原君は叫び、剣を2度大きく振ってから鞘に納める、振った剣の後に火花が残るのを見て、年甲斐もなく興奮したのは内緒である。

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