プロローグ
亀スピードでの更新になるかもしれませんが、暖かい目で見守って頂けると嬉しいです…!
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この町に伝わる伝承-伝説とでも言うべきか-その話は神が守ヶ丘と呼ばれている丘に降り立ち、この町の真白な鶴のように美しい少年を使いとして連れて帰った、というものだ。
神なんて本当にいるかどうかもわからないし、おとぎ話みたいに伝えられてきた。誰も信じちゃいなかった。
だけど僕は、目を疑うような、その話は本当なのかもしれないと思える光景を見たんだ。
それは去年の大晦日の夜だった。
大晦日というだけあって、大人達は酔っ払い、うるさかった。僕はどちらかというと静かなところを好む。うるさくて寝付けなかったから散歩に出かけることにしたんだ。
気づいたら結構遠くまで来ていて、守ヶ丘にいた。
(そういえばここってあの伝説の…)
守ヶ丘といえばあの伝説。この町ではみんなそういうだろう。
でも、前に1度来た時とは全然違う。
違うといっても、周りの景色が、とか、丘が、とか、そういうんじゃなくて、なんというか…空気が違った。
いつもよりも寒いせいか、空気が澄んでいる。なんだかおかしいかもしれないけれど、空気が尖っているようだった。
そして僕は、周りの空気に誘導されるかのように、空を見上げた。
(わっ…!!)
それは僕が今までにみたことがない、黒だけではなく、黒にも、紺にも、紫にも見える空に、宝石のような細かな星が瞬く、不思議な神秘的な空だった。
とても綺麗で、いつまでも見ていたくなって、でもなんだかこの空に飲み込まれそうに思えてきて。
僕は畏怖の念を覚えた。
(これは僕がみていいものじゃない。このままだときっと…!)
そう思うと怖くなった。
僕はこのままこの夜空に飲み込まれてしまわないうちに、急いで家に帰ったのだった。
その次の日、元日だが、その話をしても誰も信じてくれなかった。
夢をみていたんじゃないか、とか、そんなの幻だ、とか。もちろん笑い者になったさ。
でも僕は絶対にあの空を、あの宙を忘れない。
(きっとあれは僕にしか見れなかったんだ。)
何故そう思ったのかは自分でもわからない。
だけど確実に言えることと言えば、今年、僕にとって何か大きなことが起こる、と言うことだった。
それは確実に僕の人生を決める規模の、もしかしたら生死を決めるかもしれないくらい、大きなものだと感じた。
―――そして晴れて高校生になった僕は、その時感じたことが本当になるなんて、夢にも思ってなかったんだ。
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