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第6話 アプリを買おう

 スキルアプリだが、最初から入っていた分には、戦いに使えそうなアプリは無かった。メモ帳だのアラームだのそういう日常で使うようなアプリばかりだ。

 だが、恐らく、戦闘に使えそうなアプリがありそうな気がしていた。武装は、モーニングスターだけでは心許ないのもある。


「さーてお楽しみのスキルだよ」

「あ、っそう」

「うぉーい!? 男子なら心ときめく特殊能力なのにあっさりだね! どうした!? 」


 カトリーヌ・大塚のテンションは高い。つーか、やかましい。


「まだどんなアプリがあるか判らないからな」

「なるほどね。とりあえず、準備金として1万円だけ入れておいたから、その範囲で好きなの買ってくれる? 」


 場所は城下町から離れて1時間ほどのところで、辺りに人はいなかった。人気のない場所を選んだのもあるが。

 そして、カトリーヌ・大塚のアプリに関する説明が始まった。

 それにしても、通貨として円が使えるというのはどういうことだろうか。


「自分で選んで良いのか? 」

「うん。私が選んでも合わないときもあるし。それと、あんまり高いのはやめてほしいから1万円だからね。別に1万円ギリギリまで狙って買う必要もないからね」

「経費に五月蠅い神様だな」

「うちなんて、社長兼経理兼営業なめんなよ! 」


 営業ってなにをやるのだろうかな。


「まぁ、ぶっちゃけ、異世界救済士のお金の使い道なんてアプリを買う以外にないからね、もっと高いアプリがほしければ自分で買いなさい」

「業務に必要なのに、バイト負担かよ。どんなブラックだ」

「ブッブー! 私だって、傭われみたいな者だから、そんなに自由にお金を使えないの! 文句なら上に言って! 」


 カトリーヌ・大塚は、どことなく不満げに言う。その上が、なんなのか、俺にはさっぱりわからないんだがな。


「傭われかよ」

「傭われです」


 傭われ社長とバイトが世界を救うらしい。だが、この世界ってどう救えばいいのか、そこもさっぱり気味なんだけどな。


「さーて、お楽しみにスキルアプリだけど、体をゴムのように伸び縮み自由にしたり、両手から気功波うったり、死に戻りとか、数秒だけ時を止めたりとかオリジナリティ溢れるスキルが販売中! 」

「おう、全部パクリじゃねーか! 」


 パクリ良くない。ストップザパクリ。


「ちなみにコスパ最強のアプリは、大洪水を引き起こして世界の全てを押し流して滅ぼすスキルです」

「滅ぼすな。救えよ」

「私を信仰しない世界なんて滅べばいい! 」


 吐き捨てるかのような言い方だ。


「最悪だなお前! 」

 

 この神、自己中すぎる。いや、神様なんてそんなものなのかもしれない。


「フッフッフッ。何とでも言うが良い。信仰と金のためなら邪神にだって魂売りますぜ」


 怪しげな笑い声とともに爆弾発言だ。きっと電話の向こうでは悪い顔しているのだろう。


「いや、お前が神じゃないのか? 」

「逆にききますけどね、恋太郎さん。神が神頼みして何が悪いんでございます! 」


急に貴族風の口調になる。

 誰だよお前。


「開き直るな。どこまで本気か知らないが真面目にやってくれ。話が進まないだろうが」

「よーし、それじゃ、アプリの選択の注意だけど、自分がイメージしやすいものを選ぶと良いよ。例えば、空気を操るスキルを手に入れたとして、空気を操るイメージが貧弱だと使い物にならなかったりします」

「そういうもんか」


 ふむ、実際に使ってみないと判らないか。


「そういうもんだよ。他にも色々と注意事項はあるんだけど、お試し版があるからそれで試しながら相性良さそうなの探してみなさいな」

「ほいほい。いったん切るな」


 通話を切って、あとはネットに接続し、アプリストアに接続する。なんで異世界でネットや通話が出来るのか、改めて考えると妙であるが、そういうものなのだろう。どうせ考えても判らないような話だろうし。

 さて、アプリか。イメージしやすいなら、俺の場合は、あれかな?

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