第2夜
第2夜完成しました。
相変わらずのグダグダです。
もっと精進せねば。
今回は、ヒョウガさん・0・The Foolさん・鋼箸さんの投稿キャラの登場です。
それと、鋼箸さんごめんなさい。
万里君が少々ギャグキャラ化してしまいました(汗)
最近、この街で男の石像が突如として現れるという出来事が起きていた。
その石像はまるで生きた人間をそのまま石像にしたように生き生きとしており、その表情はまるで妖魔でも見たような恐怖の表情をはりつけていた。
ギルドの調査の結果、その石像は紛れもなく生きた人間で恐らく石化の術をかけられたのだろうとの事だった。
うさぎ屋ビルに住む鬼の半妖魔のハンター高橋亮はギルドからその依頼を受け、夜の街へと調査に出掛けた。
そして、今まさに一人の男を石化しようとしている髪の毛が蛇の妖魔『メデューサ』に出会い、戦いを仕掛けたのだった。
「せい!」
亮がメデューサに攻撃を仕掛ける。
「ぐぎゃあっ!くっ!貴方も石に成りなさい!」
「ふん。そのような児戯、俺には通じん。そら、足下がお留守だ」
戦いは亮主導で行われた。
メデューサは攻撃を仕掛けるも亮にかわされ、逆に亮の攻撃は面白いようにメデューサへと吸い込まれて行った。
「コイツで終いだ。爆裂連打!」
トドメと言わんばかりに亮が武器である和太鼓の鉢で敵であるメデューサを連打する。
この技は敵を和太鼓に見立てて連打する技で敵の力を封じ込める技だ。
「發!」
「グギャァァァァァッ!」
凄まじい爆発が辺りに響き渡る。
「妖魔・メデューサ。貴様を捕獲する」
爆煙が収まった後、亮は倒れ臥す妖魔・メデューサに封力錠をかけた。
「では、後を頼む」
「分かりました。報酬は指定の口座に振り込んで置きます」
亮はギルドの構成員にメデューサを引き渡すとギルドから出る。
「さて、今日は久々に……釣りにでも行くか」
そう言って、亮は住処であるうさぎ屋ビルに向かって歩き出すのであった。
「亮君、釣りに行くの?」
クーラーボックスと釣り道具一式を持った亮を芹香が目ざとく見付けて尋ねた。
「ああ」
「期待してるよ?……新鮮なおさかにゃしゃん♪」
目を細めながらじゅるりと涎を拭いて芹香が亮に言った。
「……余り、期待するなよ?」
亮は額にでっかい汗を浮かべながら芹香に手を振るとそのまま出かけて行くのだった。
「やれやれ、芹香には困ったものだ」
海につき、亮は早速釣り糸をたらしながら苦笑を浮かべ呟く。
「まぁ、期待されるのも悪くは無い……か。」
そう言って亮は釣りに集中するのだった。
その日の釣果は大漁で夕餉の食卓には新鮮な魚料理が並び皆が、特に芹香が満足する事になった。
「りゅうせぇ〜♪新作のバニースーツ似合う〜?」
うさぎ屋ビルの一階で書類を読んでいた龍星の下に同じくうさぎ屋ビルに住む兎の半獣人の兎季がしなだれかかってきた。
「新作って何時もと変わらんじゃないか?」
「むぅ〜!良く見てよ。ほら、網タイツがメッシュになってるのよ?」
そう言うと兎季は自慢の足を龍星の目の前に持ってくる。
「……兎季」
「ん?なぁに?」
「書類の上に足を置くな。後、そこ破れてるぞ」
「え!?あっホントだ……」
龍星が破れている箇所を指差すと兎季はそこに目をやり大人しくなった。
「折角龍星の為に新調したのに〜」
ショックを受けたのか、見ると兎季のうさみみ(自前の天然物(笑))がへにょんと垂れていた。
「はぁ〜。兎季、お前いい加減に諦めたらどうだ?」
龍星は兎季にため息混じりに呟く。
「やあよ。私は龍星が大好き。決して報われないかも知れないけど諦めるつもりは無いわよ?」
「お前なら引く手数多だろうに」
「龍星以上の男なら考えるけどね〜?」
そう言って兎季はクスクスと笑う。
龍星は苦笑すると勝手にしろと言わんばかりに兎季の頭をわしゃわしゃと撫でて書類整理へと戻った。
(芹香と龍星はホントにお似合いだから仲を壊すような真似はしないけど、私が龍星を想う位は許してくれるよね?芹香)
兎季は内心で芹香にそう言いながら龍星の大きな背中にそっと寄り添うのであった。
宮野万里。うさぎ屋ビルに出入りする凄腕のハンター。
彼が今回ギルドから受けた仕事。
その内容は連続幼児絞殺事件の犯人を捕らえる事だった。
幼児の身体に残された何かに吸い付かれた様な幾つもの痕。それ故、警察は犯人を妖魔と断定しギルドへ依頼登録をした。
万里は情報屋から仕入れた情報を元に妖魔の行動を予測して妖魔が次に現れそうな場所を張っていた。
そして、万里の予測は的中し犯人は万里の前に姿を現した。
「タコ?ちょっと待て。何でタコが此処にいる!?それ以前にタコの妖魔っていたか!?」
万里の前に現れた妖魔。その正体は人の姿をした大タコだった。
「あ〜ら、素敵な殿方♪」
野太い声でオネェ言葉、クネクネとした行動。
そのタコの動きを見た万里はタコの性質を断定した。
「O・KA・MAだ――――――ッ!」
夜の街角に万里の声が響き渡った。
「あら、失礼しちゃうわ〜。オカマじゃいけないのかしらん?」
「悪くは無い!けどクネクネすんな!キモい!」
「ハッキリ言うわね〜。でも、そう言う人って嫌いじゃないわ♪」
じわりじわりと万里に近寄るタコ。
万里は自らの武器のデビル・カースを構える。
「先手必勝!」
そう言うと万里は鋭い突きを放つ。
「にゅるり〜♪」
だが、タコはその鋭い突きをにゅるりとかわす。
「にゅ〜るにゅるにゅるにゅるにゅるり〜♪」
しかも、そのタコはいきなり踊り出した。
(こ、このクソタコーっ!)
万里は槍を持つ手に力を込めて更なる攻撃を仕掛ける。
「おらおらおらぁーっ!」
「あぁん♪いったーい!でも、感じちゃう〜ん♪」
デビル・カースがタコに当たる度にタコは身悶えしながらクネクネと踊る。
「しかも、Mかぁぁぁっ!?」
再び夜の街角に万里の絶叫がこだました。
「うふふ♪さあ、もっと私をいたぶって頂戴♪」
タコは万里に向かって両手(両足?)を広げて飛びかかってきた。
「ちくしょー!糞作者、てめぇ覚えてろよー!!」
万里はメタな事を叫びながら連刃突を繰り出してタコを迎撃する。
「いいわぁ♪もっともっとよぉ〜!!」
叫びつつタコは万里に向かってその手を鞭のようにふるいつつ攻撃を行い、万里の隙をついて締め付ける。
「ぐわっ!このタコ、意外に強い!」
「特に縛りは強いわよん♪」
ギリギリと万里の身体を締め付けるタコ。
「(そうか!これが幼児を絞殺した方法か!)ぐっ!おい、タコ。てめぇ、何で子供を狙った?」
「あら、どうせ殺るならゴツいおっさんより可愛い男の子に限るでしょ?うふふ♪泣きながら母親を呼ぶ男の子達を絞め殺す瞬間なんて思わずイッちゃいそうな程快感よ〜♪」
つまり、このタコは己の歪んだ性癖の為に未来ある子供の命を奪っていたのだ。
「……」
この時、万里の脳裏にこの依頼を受けた時に会った涙を流す被害者である幼児の母親の姿と過去に嗤いながら万里の家族の命を奪った妖魔の姿が浮かんだ。
「あら?」
万里の様子がおかしい事に気がついたタコが万里の方を見た瞬間、万里の身体を締め付けていたタコの腕(脚?)が千切れ飛んだ。
「アアアアアアアアアアッ!!わ、私の腕がぁぁぁぁぁぁぁっ!」
自らの腕が千切れ飛んだ事に気がついたタコはゴロゴロと地面を転げ回る。
万里はそんなタコに近づくと足でタコの身体を思いっきり踏みつける。
「……人の命を奪うのがそんなに楽しいか?」
万里が感情の無い顔でタコを見て呟く。
「ひぎっ!あ、あなた!私の腕に何をしたの!?」
「……未来ある子供の命を奪うのがそんなに気持ち良いか?」万里はそう言うとゆっくりとした動きでタコの顔を掴み、そのまま持ち上げる。
「ひっ!」
「……安心しろ。殺しはしない。だが、殺された子供達の苦しみを……。残された家族の怒りと悲しみを……。その身の髄まで刻み込んでやる!!」
万里の顔が怒りの感情に染まる。
次の瞬間、万里はタコを空高く放り投げ自らもフライの魔法を使い飛翔。上昇するタコを追い抜くとデビル・カースの石突きの方をタコに向かって構え急降下。
タコに接触する瞬間に、
「オォララララララララララララララララララァッ!!」
無数の突きを地面に激突するまでタコの身体に叩き込んだ。
「あ……が……」
「良し、生きてる生きてる。俺も手加減が上手くなったもんだ」
ピクピクと痙攣するタコをどこからともなく取り出したロープで頭だけを出して四肢をぐるぐる巻きにするとタコの額に封力符を貼り付けた。
※封力符・封力錠のお札バージョン。今回みたいな軟体を持つ妖魔に使用される。
「……これで、少しでも残された人達の悲しみが収まるといいんだけどな」
万里は何とも言えない表情を浮かべるとタコを担いでギルドへと向かうのだった。
尚、ギルドへ到着してタコをギルド員へと引き渡した時、
「やり過ぎです!?」
とギルド員から突っ込みを入れられ、少々やり過ぎたかと反省する万里だった。
次回は亜莉守さんの投稿キャラと水夢さんの投稿キャラのお話です。
場合によってはもう一人追加で書くかも知れません。