第14夜
レフェルさんの投稿キャラの登場です
『次の停車駅はエビルズタウン〜エビルズタウン〜』
ガタンゴトンと列車に揺られながら一人の少女がゆっくりと立ち上がる。
「ん〜♪久々のエビルズタウンや。皆は元気・・・・・・やろな」
少女はくすくす笑いながら列車が停まるのを待つ。
やがてゆっくりと列車が停まり、ドアが開くと少女は荷物を持って列車を降り改札へと向かって歩き出した。
そして少女は駅を出るとそのままある方向を目指して歩き始める。
「黙って帰って来たからうさぎ屋の皆驚くやろな〜♪」
楽しげに呟く少女の頭とお尻に変化が現れる。
真っ白な狐耳と尻尾が現れたのだ。
少女は白狐の半獣人だった。
「はよ皆に会いたいし少し急ぎますえ」
少女はキョロキョロと周りを見渡し辺りに誰も居ない事を確認すると近くのビルの屋上に向かって飛び上がる。
何度か壁を蹴り屋上に着地すると今度は屋上伝いに走り出すのであった。
数分後。
うさぎ屋を一望出来る近くのビルの屋上に少女の姿はあった。
「おー♪うさぎ屋や。変わって・・・・・・へん訳やないね?なんやの、屋上にある豊避難小屋って書かれたプレハブは(汗)」
そう。うさぎ屋の屋上には土曜日の夜限定で解放される豊の為の避難小屋が龍星の手で設置されていた。
「聞いた事の無い名前やから新人さんやろかいね?」
少女が首を傾げると同時にうさぎ屋のドアが開き中から龍星が出てくる。そして龍星は少女が佇むビルの屋上を見上げると苦笑しながら、
「何やってんだ!早く入ってこい深紅!」
と叫ぶのであった。
「あはは♪やっぱ龍星は欺けへんね♪」
龍星に深紅と呼ばれた少女は屋上から飛び降りると途中で壁を蹴り龍星の目の前に見事な着地を決めた。
「お帰り深紅」
「ただいま龍星」
龍星はニッと笑い深紅の頭をくしゃくしゃと撫でながら言うと深紅もニコッと笑いながら挨拶を返した。
「皆を驚かそ思うたんに龍星は欺けへんかったね」
「俺を誤魔化そうなんざ10年早い。ほら、早く中に入れ。お前が居ない間に四人とイ一匹新人が入ったぞ」
深紅・・・・・・神埼深紅はうさぎ屋でも古株のメンバーで今まで他の町のギルドに出向していたのだ。
「あ!深紅ちゃん!」
「かっかー♪」
うさぎ屋に入った深紅を出迎えたのはつぐみとせりかさんだった。
「久しぶりやね二人共。元気そうやね?」
「深紅ちゃんも元気そうで何よりだよ♪」
「もちゅ〜♪」
久しぶりに会う深紅との親交を深めるつぐみ。そして、せりかさんは早速深紅のほっぺにもちゅりついていた。
「あら?深紅じゃない!帰って来たのね」
「久しぶりやね兎季。相変わらずバニー姿なんやね」
「あたしのアイデンティティーですもの♪」
せりかさんをほっぺにもちゅりつかせたまま兎季に挨拶をする深紅。
彼女はうさぎ屋でも古株に値する兎季やつぐみ。亮に冬樹、結華とも親交が深い。
特につぐみ・兎季・芹香・結華は親友と言って良い程の仲の良さであった。
「そやそや。お土産があったんや」
そう言って深紅は持っていた荷物を床に下ろしチャックを開ける。すると荷物がごそごそと動き出し中から何かが飛び出してきた。
「ふんぬぅ!」すぽーん!すたん!ムキッとね♪
「お、お兄ちゃんそっくりのぷちだぁ!」
荷物から飛び出し机の上に着地すると同時にマッスルポーズを決める龍星似のぷちを見たつぐみがうさみみをはやし嬉しそうに叫んだ。
「名前はりゅーさんですえ。何でもせりかさん探しとったらしいんや」
「かっかー♪」
「ふんぬぅ♪」
深紅の説明の最中、再会の踊りを踊るせりかさんとりゅーさんに皆がほっこりとなった。
「それで深紅。他のギルドはどんな感じだった?」
しばらくして龍星が深紅に尋ねる。
因みに、つぐみの叫びを聞いて何事かと駆け付けた冬樹・亮・芹香・結華・優人もその場に居る。
新人メンバーの直貴・瑠美・豊は依頼で出ており、鞘香は刀弥をからかいに風流堂に行っている。
「せやなー。そこそこの腕のハンターはよーさん居ったけど、いざっちゅう時に助けになりそなハンターは数える程しか居らんかったなぁ」
「そうか。んで、お前の『本業』の方の情報は?」
龍星がそう言うと周りのほんわかした空気が一気に引き締まる。
深紅は今まで様々な街のギルドを転々と廻っている。それは何もハンター達を鍛え上げるだけではない。
深紅はハンターでもあるがその実、カグツチ直属の隠密諜報員なのだ。
因みに龍星が知っている理由は深紅が皆の前であっけらかんと話したからだ。尚、それを聞いたカグツチは苦笑しつつ『隠密とはなんじゃったかのう』と呟いたと言う。
「済まんけど流石に市長に報告してからやないと言えへんわ」
「ま、当然だな」
「せやから今度話しますえ」
そう言って深紅はころころと笑いながら二階にある自身の部屋へと歩いて行くのだった。
「・・・・・・龍星。深紅が帰って来てうさぎ屋初期メンバーが揃ったな」
「応」
亮がそう言うと龍星が頷き珈琲を啜る。
「そう言えばお兄ちゃん。三階の空いてある部屋はどうするの?」
「あの部屋は予約済みだ。俺の兄弟弟子が入る予定だよ」
「龍兄さんの兄弟弟子?愁々師の所のですか?」
「いや、老師の所を出た後母さんに体術を習ってた頃のだな。体術で言えば俺以上の強さを持つ。何せ当時炎狼竜モードの俺を圧倒したくらいだ」
龍星の言葉にその場に居た全員が唖然とする。
(今頃、何してんのかな?アイツはよ)
龍星は懐かしそうに笑うと立ち上がり部屋へと戻って行くのであった。
【その頃の万里さん】
「オラオラオラオラオラ!」
「ソラソラソラソラソラ・・・・・・ひでぶっ!?」
千里のラッシュをデビルカースで捌いていたのだが、少しミスりまともに食らってぶっ飛ぶ万里さんでした。
今回の気絶時間・十秒。街までの往復時間・一時間。
現在の想定ランク【AA】
知らぬ間にとんでもない身体能力を手に入れていた万里さんだった。
深紅登場!




