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第9夜

2ヶ月振りの更新です。


サイレント様、お待たせ致しました。

龍神優人君の参戦です!

「…………」

さて、先程(第8夜)で魂鋼を取り出された龍星だが……見事に気絶していた。

「師匠……」

刀弥がじと目で流を見る。

「ちと、魂鋼を採りすぎたか(汗)」

流が頭を掻きながら反省する。

その手には炎の様に紅い不思議な光沢を持つ鋼があった。

「炎属性の魂鋼ですか」

「あぁ、セイガーの火属性の魂鋼とは桁違いの力を持つ魂鋼だ。これだけありゃあスウェンガナルは確実に蘇る。刀弥、うさぎ屋に連絡して龍星を迎えに来てもらえ」

「……それには及ばない。痛ぅ〜」

流が刀弥にうさぎ屋に連絡するように言うが丁度目を覚ました龍星がそれを制した。

「龍星さん、無理をしないで下さい!」

「大丈夫だ。それにお前の紹介した女の子を案内しないと行けないしな」

「聞こえてたんですか!?」

「普通にな」

龍星は刀弥に答えると立ち上がる。

「流さん、どのくらいで出来ます?」

「1ヶ月は見とけ」

流は龍星の問いに答えると魂鋼を持って、鍛冶場へと入って行った。

「龍星、スウェンガナルは完璧に蘇らせてみせる。だからお前は鈍った剣の腕を磨いておけよ?刀弥、お前は嬢ちゃんの刀の研ぎ澄ましをやれ。自分で受けた仕事だ。やり遂げてみせろ」

鍛冶場へと入る直前にそう言うと今度こそ鍛冶場に入って行った。

「……お見通しか。帰ったら冬樹に頼むか。優人が帰って来れば良いんだがな」

龍星は修行の旅に出ているハンター仲間で同じ龍の半妖魔である刀使いの龍神優人を思い出し呟いた。

この後、鞘香を連れてうさぎ屋へと戻った龍星は冬樹達に鞘香を紹介し4階の一室へと案内するのだった。




「はっ!せい!」

とある山深い場所にある鬼哭寺きこくじにて一人の少年が刀を一心に奮っていた。

「優人、精が出るな」

輝羅きらさん、お早うございます!」

「ああ、お早う。そろそろ朝餉の時間だ。その辺にして食事にしないか?」

少年―龍神優人―に声をかけたのはこの寺の僧で顔からはみ出す位の男らしい眉毛を誇り、名を輝羅と言う。

彼は手拭いを渡しながら笑顔で優人に朝食が出来た事を告げた。

「もう、そんな時間ですか!?しまった、今日の朝食当番は僕だった!」

「はっはっは。俺が変わっておいたから大丈夫だよ。但し、昼餉(ひるげ。昼食の事)は頼んだぞ?」

輝羅が笑顔で優人に言うと優人は、

「分かりました。任せて下さい!」

とこれまた笑顔で輝羅に返したのだった。

「のう優人。お主が龍星の紹介でこの寺に来てから何年立つかのう」

朝食を済ませた優人の前に座り茶を啜る老人。名を鬼哭啾々(きこくしゅうしゅう)と言い、この鬼哭寺の住職である。

「かれこれ三年程に成ります」

「もうそんなに立つか。ならば優人よ。この鬼哭寺の住職としてお主に旅立ちを命ずる。お主の心の傷はこの寺に籠もっておっても治らんわい。龍星の元に戻りその力の何たるかを知るがよい」

「啾々師、僕は……」

「己が力が怖いか?」

「……はい」

啾々の問い掛けに頷く優人。

「ふむ。優人よ、お主確か龍星に憧れておったの?」

「え、あっはい」

「ならば、その龍星がお主より年が下の頃に人を殺した事は知っておるか?」

啾々の言葉を聞いた優人の顔に驚愕の色が浮かび上がった。

「あれは龍星が十の頃じゃったか。母親の美桜に背負われてこの鬼哭寺に龍星はやって来た。その時龍星はのう」

「『僕を強くして下さい。お父さんが救う筈だった人達を救える位強く、お父さんから受け継いだ竜の血に負けない位強くして下さい』でしたか。あの時は驚きましたよ。私の十分の一も生きていない子供があのような事を言ったのですから」

輝羅は啾々の言葉を引き継いで龍星が言った言葉を懐かしそうな表情で言った。

「……龍星さんはお父さんをその手で死なせてしまったんですね」

「優人よ。お主の心の弱さが気になるのであれば龍星の下に戻ると良い。そして、あやつの心の強さを学ぶのじゃ。何、案ずる事は無い。今のお主は下山した時の龍星を遥かに超えておる。後は自信をつけ自身を信ずる事じゃ」

啾々は笑顔で優人に言う。しかし、元々強面な面構えな啾々の笑顔を見て優人がちょっと怖いと思ったのは内緒である。

「啾々師、輝羅さん、三年間お世話になりました。この御恩は生涯忘れません!」

優人は啾々と輝羅に頭を下げると三年間の礼を言った。

「有無。達者でな」

「我等は何時でも此処に居るからな?何時でも訪ねて来ると良いさ」


その数時間後。優人は鬼哭寺を下山した。

三年間競い合った輝羅と暖かく指導してくれた啾々の二人に見送られて鬼哭寺の『一万石段』を一歩ずつ下りていく優人は鬼哭寺での思い出に浸りながら、龍星達の待つうさぎ屋へと向かうのだった。


啾々と輝羅はウチの兄貴が創作したキャラです。

鬼哭寺はとある山の中腹にあり、一万段もある階段を登らなければなりません。

……が、入り口の横には何故かエレベーターが在り5000段目にある山門まではエレベーターで行けます。

普通に登れば確実に半日はかかります。


龍星のお父さんはなろう版バカ年を御存知の方にはお馴染みのあの男ですがバカ年のような外道ではなくマトモなお父さんです(笑)


次回はNo.49電撃部隊総隊長のキャラかバイク乗りさんのキャラを出そうかと思います。

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