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第6ー2夜

カーミラ編(漸く)完結!


光刃の行く末をお楽しみ下さい。



今回は鋼箸様のタケヤ・ワスティアと0・The Fool様の拝島仁とLim(h→0)様のハロルド・伊集院・ウィンチェスターを出しました。


「くけっくけっくけぇぇぇぇぇぇぇっ!」

「イギャァァァァァァッ!」

勢い良く飛び出したカーミラペンギンが光刃の股間に頭突きをかますと呆然としていた光刃が股間を押さえて叫びながら倒れ伏した。

『せぇーりかぁーっかぁーっ!!』

「ぐべっ!……あ゛―――――――っ!」

更にびっくせりかさんが光刃を踏みつけ潰れたような声を出すと次の瞬間、魂を絞り出すような叫び声がびっくせりかさんの足の下からあがった。

そして、びっくせりかさんが足を上げると其処には尻・耳・口・鼻に無数のネギを突っ込まれた光刃が見るも無惨な姿で倒れ伏していた。


「……どゆこと?」

瑠美が呆然と見るも無惨な光刃を見ながらポツリと呟いた。

「瑠美。あのびっくせりかさんをよ〜く見てみろ」

龍星はそんな瑠美の肩に手を置くと、びっくせりかさんを指差して良く見るように言った。

「良く見ろって。ん〜?……うあ!」

瑠美がびっくせりかさんを良〜く見てみるとびっくせりかさんが無数の群体せりかさんで構成されている事に気付いた。

「群体せりかさんとは良く言ったもんだ。言うなればびっくせりかさんは群体せりかさん集合体って所だな」

直貴がびっくせりかさんを見ながら呟いた。



※作者注・びっくせりかさんは自らの意志で相手を踏み潰したり踏み潰さなかったりする事が出来ます。光刃の場合は踏むと同時に足の裏担当の群体せりかさん達が光刃を取り囲みネギ攻撃を仕掛けました。



この後、光刃をボロボロにしたびっくせりかさんは我王院屋敷を悉く粉砕してその行動を止めた。

「かっか」

そして、元のせりかさんと群体せりかさんに分離するとせりかさんはベルーナをカーミラペンギンの下へと連れてきた。

「くけ〜」

剥製となったベルーナを見て悲しそうな声で鳴くとカーミラペンギンはベルーナをその場に静かに寝かせ、痙攣している光刃の下へと走り寄り仰向けにすると天高くジャンプした。

「くけぇぇぇぇぇぇぇっ!」

そしてそのまま光刃の股間に怒りのペンギン蹴りを叩き込むのだった。

尚、光刃の股間からは『グシャッ』という何かが潰れたような音が響きそれと同時に光刃が泡を吹いて動かなくなったが死んではいないので良しとしよう。



『なんだ。もう終わったのか?』

泡を吹いている光刃を縛り上げ、黒服達が立ち去ると龍星達の背後から突如声がかけられた。

龍星達が振り向くと其処には万里が追い求めていた男が佇んでいた。

「……!てめぇ、ワスティアァッ!」

万里が殺気立って男に向かって叫ぶ。

「あ?てめぇは確か……宮野万里だったか?」

男―タケヤ・ワスティア―は万里を見るとさも興味無さそうに言う。

万里はワスティアの前に立つと手に持った愛槍デビル・カースを構える。

「なんだ?んな程度の実力で殺る気か?今のテメェじゃつまんねぇから帰りな」

「……嫌だね。つか、一秒でも早くお前を殺さないと…………俺みたいに無茶やるバカが増えるかも知れないからな」

万里はそう言った瞬間に己の寿命を縮める禁呪リミットブレイクを使い、ワスティアに突撃した。

「そこそこ速いな。だがそれだけだ」

ワスティアはそう言うとデビル・カースの穂先を掴み、万里を地面に叩き付けた。

「ぐふっ!」

「万里ッ!」

その瞬間、万里を助ける為に飛び出そうとした龍星達の前に一人の男が立ちはだかった。

「動くな。ワスティアの邪魔はさせん」

男は大剣を龍星の喉元に突き付けると静かにそう言った。

「左島。お前はこの剣の名を知っているな?」

「龍殺しの大剣ドラゴンスレイヤー……。龍の血を引く俺の天敵だな。久しぶりだな。拝島仁はいじまひとし

龍星は目の前の男―拝島仁―を見ると帽子を被り直しながら仁に挨拶をした。

「お兄ちゃん!」

「動くなっ!」

つぐみが龍星に駆け寄ろうとすると仁が叫んでつぐみの行動を止める。

「全員一歩たりとも動くんじゃない。俺は……嘗ての仲間を傷付けたくないんだ」

「どう言う事だ?」

豊が仁に尋ねると、

「コイツは嘗てはハンターだったんだ。無論今は違うがな」

と龍星が答えた。

「そうだ。今の俺はワスティアの仲間だ」

「死にかけてた仁を気紛れで助けたんだが、コイツはそれに恩義を感じてな。命の恩は命で返すって言ってそれ以来俺に付き従うようになったのさ。お陰で龍人を殺すのが楽になった」

ワスティアは万里を踏みつけながら龍星達に向かって言い放った。

「お前らしいな。だが、お前はどうやら忘れているらしいな?」

「なに?」

龍星は仁にそう言うと瞬時に炎狼竜形態に獣化した。

「仲間のピンチに俺が黙って見ている訳が無いだろうがっ!!」

「くっ!」

駆け出す龍星を仁が肩から袈裟懸けに斬りつける。

「リュウくん!」

「お兄ちゃん!」

「「「龍星!」」」

「「兄貴!」」

「龍さん!」

「龍兄!」

芹香・つぐみ・兎季・冬樹・亮・直貴・豊・結華・瑠美が斬りつけられた龍星を心配する。だが、龍星はそんな事はお構い無しにワスティアへと殴りかかった。

「おっと」

しかし、ワスティアは龍星の一撃を余裕でかわして万里から距離を取る。

「がはっ!邪魔をするな龍星!ワスティアは俺が殺す!邪魔するなら幾らお前でも殺すぞ!」

「馬鹿かてめぇは!相手の実力と自分の実力の差が判らねえのか!?炎狼竜形態の俺が勝てねえアイツに勝てる訳がねぇだろうが!」

万里は起き上がりながら龍星を威嚇する。が、そんな万里を龍星が怒鳴り返す。

「リミットブレイクを使っても今の俺とどっこいなお前がワスティアに勝てる確率は万に一つもありゃしねぇ。そんな事はお前にもわかりきっている事だろうが」

其処まで言うと龍星の獣化が勝手に解け、龍星はそのまま倒れ伏し気絶した。

「……白けた。今回は見逃してやる。だが、見逃したのはこれで二度目だ。三度目までは見逃してやるが、四度目は無いと思いな。もう少しは、俺を楽しませるぐれぇに強くなりな。じゃねぇと、見逃した甲斐がねぇからな。仁帰るぞ」

「分かった。……早く左島を医者に連れて行け。このままだとアイツは確実に死ぬ」

ワスティアは仁に帰ると言って踵を返す。

仁もワスティアに頷くと芹香達に向かって言い放つとワスティアの後を追って去って行った。

「リュウくん!……酷い傷!冬樹君、亮君!リュウくんを早くハロルドさんの所に連れて行こう!」

芹香は龍星に駆け寄ると龍星の傷の具合を調べるとあまりの傷の酷さに息を呑み、知り合いの医者であるハロルド・伊集院・ウィンチェスターの下に龍星を運ぶ為に冬樹と亮を呼ぶ。

「心得た!行くぞ亮!」

「分かった!」

冬樹と亮は龍星を抱え上げると、芹香と共に駆け出した。

「万里君も一緒に行こう?傷の手当てをしてもらわないと」

皆が芹香達の後を追って走り出す中、つぐみは万里に近付き一緒に行こうと誘う。

「……俺は大丈夫だから龍星の所に行ってやれ」

万里はそんなつぐみの頭をくしゃくしゃっと撫でつけると、つぐみに背を向けて歩き出した。

「万里君……」

つぐみはくしゃくしゃの頭のまま、万里を見送るのだった。



「や〜れやれいきなりの大仕事でお兄さんダリィ。んで一体誰なんだ?あの傷付けた奴は?龍星の龍鱗を綺麗に切り裂いた上に傷が内臓まで届いてたぞ」

白衣を着て如何にも怠そうに待合室で待つ芹香達の元に来た医者、ハロルド・伊集院・ウィンチェスターは芹香達に龍星の龍鱗を切り裂いた人物について尋ねてきた。

「元ハンターの拝島仁だ」

「な〜るほど。龍殺しの大剣かい。ソイツは厄介だな」

ハロルドは立ち上がると再び龍星の下に向かおうとして立ち止まった。

「安心しなって。お兄さんにかかれば瀕死の奴だって治んだがら」

ハロルドは心配そうにしている芹香達に笑って言うと今度こそ龍星の下へと歩き去るのだった。


それから龍星の意識が回復するまで2日かかり、全快するまで更に3日かかった。

その間、カーミラペンギンはベルーナと共にうさぎ屋に滞在しており龍星の回復後うさぎ屋総出でベルーナの葬送を行う事にした。

「ベルーナ……。何時の日かあたしもそっちに逝くと思うからそれまで浮気するんじゃないよ?」

化粧をして綺麗な服を着せたベルーナを花を敷き詰めた棺桶に入れ、カーミラはベルーナに最後の別れを交わした。

「んじゃ行くぜ?『浄火メギド』」

黒色のスーツ姿の龍星が顔を獣化させ紫色の炎でベルーナを火葬する。

「かっか?」

そんな中、しょんぼりしていたせりかさんはふと笑い声が聞こえた気がして顔を上げた。

『うふふ♪』

顔を上げたせりかさんはカーミラの背後に優しい笑顔を浮かべてカーミラを見守っている半透明のベルーナに気付いた。

『し〜』

ベルーナもまたせりかさんに気付いたが人差し指を立てて唇に当て内緒と言わんばかりにせりかさんに笑いかけた。

「う゛ぁ〜い♪」

『これからも一緒……ね?』

喜ぶせりかさんの頭をベルーナは優しく撫でるのだった。




オマケ


「許さない!絶対にあのおちびさんとペンギンは許さない『わ』!」

ワスティア騒ぎの最中に意識を取り戻した光刃は縄を引きちぎるとどさくさ紛れに逃走する事に成功していた。

「今度会ったらぎゃふんと言わせてあげるわ!獅子の獣人たる我王院光刃の名にかけて!」

そうして、我王院光刃はエビルズタウンの闇の中になよなよとした歩きで消えて行った。

この数年後、エビルズタウンの一角にとあるバーが開店する。

店の名は『ニューカマーバーKOUHA』。

そう、光刃はびっくせりかさんのネギ攻撃で新たな扉を開き、カーミラペンギンの怒りのペンギン蹴りでOKAMAへの片道切符を手にしたのだった。

尚、街を歩いていたカーミラがたまたまニューカマー光刃を目にして思わず、

「……ぎゃふん(汗)」

と言ったのは完全無欠に余談である。


次回は龍星の新しい武器探しの予定です♪


所で、鋼箸さん・0・The Foolさん・Lim(h→0)さん。各々の投稿キャラはあれでよろしかったでしょうか?


後、鋼箸さん。ワスティアに拝島を配下としてつけさせて頂きました。

事後承諾になりますがお願い致します。(土下座)

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