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第6ー1夜

結局文字数の関係で分けました。


今回、カーミラが懐かしい姿になります。

珈琲中毒様の作品を読まれている方には久しぶりのあの姿です(笑)


後、せりかさんが大活躍(笑)



「此方です」

ギルド内部にある拘置所についた龍星は物珍しそうに周りを見渡すせりかさんを肩に乗せて看守の先導に従ってカーミラの元へと向かった。

「……何しに来たんだい?」

カーミラの入った牢の前まで来ると、カーミラがブスッとした顔で龍星を睨み付けた。

「ベルーナ殺しを依頼した容疑者が判明した」

「ッ!?本当かい!」

龍星の言葉を聞いたカーミラが鉄格子を掴み掛かった。

「あぁ本当だ」

「出せっ!あたしを此処から出せっ!」

「慌てんな。出しても良いが条件がある」

「条件?」

カーミラが怪訝な表情を浮かべ龍星を見る。

その時である。

「リュウくんお待たせ〜♪」

龍星の腕に抱きつくように芹香が飛びついて来た。

「うみゃ〜ごろごろ♪」

そしてそのまますりすりと龍星に甘えだす芹香。

「はあはあ、はぁ〜可愛いねぇ///」

カーミラはそんな芹香を顔を赤くして鼻息も粗く鉄格子にかぶりつくようにして見入っていた。

「……芹香。例の物は?」

「んにゃ!これだよ♪」

龍星の質問に芹香は胸元に手を入れると谷間から一つの赤色のチョーカーを取り出した。

「「何で胸元から!?」」

龍星と看守のツッコミが同時に芹香に入った。

「え?だってこの服ポッケが無いし。そんな事より!ハイ、プレゼントだよカーミラ」

谷間から出したチョーカーをカーミラに渡す芹香。

「芹香の匂い……くんかくんか」

手渡されたチョーカーに染み付いた芹香の匂いを堪能するカーミラ。その姿正しく変態と言う名の淑女であった。

「……カーミラ。それ以上するなら蹴り殺す」

龍星の身体から溢れ出す濃厚な殺気に周りの囚人達が脅え騒ぎ出す。

「何だい!これくらい良いじゃないか!」

「ざけんな!芹は俺の女だぞ!気分悪くなるわ!?」

そう叫ぶと龍星は芹香を抱き締める。

「うみゃん!リュウくん///」

急に抱き締められた芹香は驚いたような声をあげたが直ぐにすりすりと龍星に甘えだした。尚、そんな二人の甘々を見せ付けられた囚人達が先程とは別の意味で騒ぎ出したのは言うまでも無い。


「取り敢えず着けたけど似合うかい?芹香♪」

赤いチョーカーを着けたカーミラがニコニコと芹香に向かって微笑みかける。

「うんうん♪良く似合ってるよ〜♪」

そんなカーミラに微笑む芹香。

そして、

「ビーペンギン!」

と唱えた。

「へ?」

すると、チョーカーが光を発しカーミラを煙が包み込む。

暫くして煙が晴れると其処には、

「くけぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

ピンクのペンギンが驚いたように鳴いていた。

「くけくけくけくけぇぇぇぇぇぇぇっ!」

「そう怒るな。さっき言ったろ?出しても良いが条件があるって。そいつがお前を出す条件なんだよ」

怒るカーミラペンギンに龍星はペンギン化が牢から出す条件だと言った。

「くけ〜?」

「良いか?お前は理由はどうあれハンターを襲ったんだ。そんなお前を出すには無力化するしか無かったんだよ」

「カーミラが皆を襲った理由は一応皆に伝えたんだ。それで男の人達は理由が理由だから許してくれたけど女の人達にセクハラしたのが拙かったね?」

「くっくけ〜」

龍星と芹香の説明にカーミラペンギンはがくりとうなだれる。

「せりかっか」

そんなカーミラペンギンを慰めるのは何時の間にか牢内に入っていたせりかさんだった。


では、此処でせりかさんがどうやって牢内に入ったかを見てみましょう。

「かっか〜」

鉄格子に顔を押し付けるせりかさん。すると顔がゴムのようにぐい〜んと伸びる。

「ぜりがっが〜」

きゅっぽんと言う音と共に鉄格子を抜けたせりかさん。

以上、せりかさんがどうやって牢内に入ったかを終わります。




暫くしてギルド内から龍星達が出ると其処には冬樹達うさぎ屋の面々と万里が待っていた。

「来たか皆」

「あぁ。うさぎ屋への依頼なら我等も手伝うべきだろう?」

「行こうぜ龍さん。ベルーナの仇討ちだ」

ニヤリと笑う龍星に冬樹と結華が笑って答える。

「ねぇ、瑠美ちゃん。どうして私を抱っこしてるの?」

「はう〜ん♪つぐみん可愛い〜♪柔らか〜い♪」

「ひゃあ!揉まないでぇーっ!///」

「お前は自重しろっ!」

つぐみを抱っこして色んな所を揉みまくる瑠美に豊のハリセンアタックが炸裂した。

「いたっ!」

「みゅー!」

ハリセンアタックを受けた事によりつぐみを抱き締める腕が緩みその隙をついてつぐみは龍星の肩へと避難した。

「直貴!」

「ほら瑠美こっちこい」

豊は直貴を呼ぶと直貴は瑠美の下へと行き瑠美の身体をしっかりと抱き締める。

「……ベルーナは俺達の友だからな」

亮が仕切り直すように言うと、

「今回はあたしも行くよ♪」

兎季がにっこりと笑って龍星の腕に抱き付く。

「俺はクソ下らねぇ理由でベルーナを殺したクソ野郎をぼこりぬきてぇだけだ」

腕組みをした万里がニヒルに笑う。

「んじゃ、行くか。目指すは我王院光刃の屋敷だ!」

『おう!』

「くけぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

龍星の言葉に冬樹達が応え、カーミラペンギンが雄叫びをあげるのだった。



「と言う訳で我王院光刃の屋敷に到着したんだが」

「龍星よ。一体誰に言ってるんだ?」

龍星が呟いた言葉に冬樹がツッコミを入れた。

「さて、此処から先はせりかさんの出番だぜ?」

「かっか~!」

「せりかさん、この屋敷の何処かにベルーナちゃんが居るから捜して来てくれる?」

「せりかっか♪」

龍星と芹香の要請に力強く頷くせりかさん。

「かっか〜♪」

龍星の肩からぴょんと飛び降りたせりかさんは降り立つと同時に地面を軽くこんこんと叩く。

すると地面に不思議穴が4つ開き、其処から4人の群体せりかさんが現れた。

「せりかっか♪」

『せりかっか♪』

せりかさんは4人の群体せりかさんに挨拶すると自分の着ていた服を脱ぎ捨てる。

其処にはレオタードを着た某怪盗猫の目3姉妹な格好をしたせりかさんが居た。

「せーりせりかっか♪せーりせりかっか♪せーりせりせりか〜っか〜♪」

そして怪盗せりかさんは色違いのレオタードを着た群体せりかさん×2と某伝説の傭兵の格好をした群体せりかさん×2と共に我王院光刃の屋敷へと潜入していった。

「さて、後はせりかさん達が動き易くなるように俺達が少しばかり派手に暴れるとすっかな?」

「有無。そうするか」

「へへ♪腕がなるぜ」

「やりすぎるなよ?結華。ハンターが手配されたら笑い物だぞ」

「うふふ♪やりすぎなきゃ良いのよ?」

「みゅ!皆怪我したら駄目だよ?」

「直貴、豊!うさぎ屋としての初任務だよ!」

「おう!」

「援護射撃は俺に任せとけ!」

「おい。どうやらお出迎えのようだぞ?」

万里の言葉に皆が屋敷の方を見ると、玄関から黒服を着た男達がわらわらと走り出して来た。

「やれやれ。俺様の屋敷に何の用だ?招かれざる下民共」

最後に出て来たやたらと偉そうな金髪の男がふてぶてしい態度で龍星達に尋ねる。

「何、此処に居る俺達の友人を返して貰えたら直ぐにでも立ち去るさ。変態野郎」

龍星の言葉に周りの黒服達がざわめきだす。

「面白い事を言う下民だな?」

「いやいや、人様を殺して剥製にするサイコな変態俺様野郎よりは面白くないさ」

額に青筋浮かべた龍星と光刃の間に見えざる火花が飛び散る。

(なぁ。龍星の奴、かなり頭にきてないか?)

そんな中、万里が冬樹に近付いて小声で話し掛ける。

(龍星はああいった俺様野郎が嫌いだからな)

冬樹もまた万里に小声で答えた。

「この俺様にそのような口を訊くとは万死に値する!者共やってしまえ!」

光刃が黒服達に命令すると黒服達が前に出る。

「……すまん。あんた達に恨みは無いが家族を人質に取られていてな。悪いが俺達に付き合ってくれ」

黒服の一人が辛そうな表情で龍星達に武器を構える。

「気にすんな。此方としても俺達に付き合って貰いたかったんだからな」

龍星は黒服の一人にそう言うと両腕を獣化させる。

「「行くぞっ!」」

龍星と黒服が同時に叫ぶと両陣営が動き始めた。



一方、せりかさんズは――

「かっか〜」

ちょろちょろと物陰に隠れつつ、せりかさんズは屋敷の探索を続けていた。

「くんくん。せりかっか♪」

『かっか〜♪』

せりかさんは立ち止まり匂いを嗅ぐとある部屋からベルーナの匂いが微かに漂ってくるのを嗅ぎ取り、群体せりかさん達と共にその部屋へと向かって走り出した。

そして、その部屋へとちゅるんと潜入すると其処に壁から裸の上半身を出したベルーナを発見した。

「ヴぁ〜い♪」

せりかさんは喜びの声をあげると壁を登りベルーナの肩へと乗る。

「せりかっか♪」

そして、ニコニコとベルーナのほっぺをぺちぺちと軽く叩く。そうしてせりかさんは気付いた。ベルーナのほっぺがまるで木でも叩いたかのような固さと言う事に。

「かっか?」

せりかさんはベルーナの胸元まで降りると柔らかい筈の胸をつついてみる。だが、やはり固い。

せりかさんの大きな瞳に見る見るうちに涙が溜まる。

「かっかーっ!」

大声でベルーナを呼ぶせりかさん。しかし、ベルーナはせりかさんに気付く事無く虚ろな瞳で虚空を見詰め続ける。

遂にせりかさんの瞳から涙が溢れ出した。

「かっか……びゃーっ!」

せりかさんの瞳から大粒の涙がポロポロと零れ落ちる。せりかさんはもう二度とベルーナが笑わない事に気付いたのだ。

『びゃーっ!』

群体せりかさん達もまた、せりかさんと同じ悲しみを共有していた。

そうして一頻り泣いた後せりかさん達はぴたっと泣き止みせりかさんの頭に怒りマーク(♯←こんなの)が浮かび上がった。

その瞬間、せりかさん達の周りの空間に罅が入り無数の不思議穴が現れる。

そして、その不思議穴からわらわらわらわらと無数の群体せりかさん達が現れた。

「せりかっかーっ!(怒)」

怒りの声をあげるせりかさん。

すると、せりかさんとベルーナの周りに群体せりかさん達が集まり始めどんどん重なり合っていく。

そして全ての群体せりかさんが集まった時、怒りの巨人が現れた。

『せぇーりかぁーっかぁーっ!!』


外で龍星達が戦っている時、突如として我王院屋敷が凄まじい雄叫びと共に弾け飛んだ。

「はっ?」

間抜けな声を出す我王院光刃。

「おっ、俺様の屋敷がぁぁぁぁぁぁっ!?」

弾け飛んだ屋敷を見て我に返り叫びをあげる。

「なあ龍星。今の声って……」

「間違い無くせりかさんだな」

亮が尋ねると龍星は確信したように頷く。

『せぇーりかぁーっかぁーっ!!』

我王院屋敷を吹き飛ばした犯人。

それは群体せりかさん集合体『びっくせりかさん』だった。

「「「でかっ!」」」

瑠美と豊と直貴が同時に叫ぶ。

「奴は怒らせちゃいけない子を怒らせちまったな」

龍星がポツリと呟く。

『せぇーりかぁーっかぁーっ!!』

額にベルーナを貼り付けたびっくせりかさんが光刃に向かってずし〜んずし〜んと歩き出した。

「くけぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

そして、びっくせりかさんの額のベルーナを見たカーミラペンギンもまた光刃に向かって走り出した。

触れてはならぬ逆鱗に触れた我王院光刃はただ、呆然と立ち尽くすのみであった。


光刃は怒らせちゃいけないぷちを怒らせました。

光刃の行く末は如何に!


次回遂にカーミラ編終結!

鋼箸様、お待たせ致しました。次回、ワスティアと万里が軽く死合います!



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