人間なんて嫌いだ
Side―unknown
木々が鬱蒼と生い茂る森の中。太陽の光は木に遮られて地面まで届かない。彼は薄暗い森の地面に横たわって混乱していた。どうして俺がここにいる……? とうとう狂ったってことか? 幻覚の一種、とか。あそこから出られた、そんなあり得ない結論は一番に捨てた。どうせ、またあの闇の中に引きずり戻されるんだろう? 期待をするな。期待しなければ、闇に戻ったときの絶望が少ない。ああ、やっぱりな。で終わるから。だが。本当にどういうことだ? 彼は自分の左手を見つめる。久しく見ていなかった自身の肉体。右腕だって、胴だって、脚だってある。服も着ている。黒い半ズボンに、浅葱色の半袖Tシャツ。靴は、膝下までの革靴。顔は、よく分からないが。
あれだけ永い間彼を苦しめていた痛みもない。まるで身体が羽のようだ。いずれ闇に戻されるといっても、しばしの間この休息を楽しんでもいいのではないか。彼はそう思い始めていた。本当に解放されたのならば踊り始めるくらい喜んだのに。彼は溜息を吐いて、前方に川を見つけた。幅五十センチほどの小さな川だが、自分の顔を見ることはできるのではないか。
彼は自分の顔がどのようなものか期待しないようにしながら川を覗き込んだ。そこに映っていたのは十歳程度の少年の顔。ぼさぼさの手入れが為されていない黒髪に、くりくりと良く動く紅い瞳。気の強そうなその瞳は、興味の光を宿していた。白磁の肌は陶器のように滑らかで。結構、見られる顔じゃないか。彼は安堵の息を吐いた。もう彼は、この束の間で終わるであろう休息を楽しむ、と決めていた。
それにしても、ここは何処だ。なんとなく見覚えがある気がする。それは、あの闇の中で……闇の中で? 彼が闇の中で見ることができたのは彼の世界の景色だけ。つまり。
「ここは、俺の世界ってことか……?」
久方ぶりに聞いた自分の声はやけに甲高く感じられた。
ここが彼の世界だとすると、世界が滅びていない理由は二つ考えられる。一つは、彼の代わりに誰かがあの闇に囚われた。もう一つは、彼がまだ解放されていない。
彼は溜息を吐いた。前者であってほしいが、可能性が高いのは後者の方だろう。なぜなら、彼自身が世界との繋がりを感じているからだ。なんとなく、だが。闇の中にいたころほどは分からないが、ぼんやりと繋がっている感じがする。なら、この世界をブチ壊してしまえば、自分は自由になれるのだろうか。分からない。もし、自分まで消滅してしまったらどうする。元も子もないじゃないか。
「じゃあ、戻されるまでこの世界で休むことにするか」
というか、それ以外に選択肢がない。彼は周りを見て、取りあえず街がありそうな方を向いて歩き始めた。
「あー、あー……、うーん。こんな声だったかな?」
彼は首を傾げた。あの闇に囚われる前、自分はどのような容姿で、なにをして、どんな声をしていたのか。全く……いや、ほんの少ししか思い出すことができない。少なくとも、声変りはしていたと思うんだけどな。縮んだか?
「ま、細かいことを気にしてもしょうがないか。精一杯楽しんで、また永い間耐えられるようにしないと」
ここでストレスを発散して、本当の自由が訪れるのを待たなければならない。もう戻るなんて御免だが、そう世の中は甘くないだろう。
それにしても、と彼は自分の脚を見下ろす。この小さな体では、なかなか目的地に着かない。肉体があるのは嬉しいのだが、不便で敵わない。歩いても歩いても木、木、木。早く森を抜けて、街に出たい――街に、出て? 人がいる、街にでて、俺は大丈夫か? あんなに、こんなに、憎く妬ましいのに、殺したいのに。抑えられるか? いつの間にか脚は止まっていた。人間に出会ったら、殺してしまう。自分を保つための偽りの感情が、真実になっていた……? 自分を保つ為に嘘で塗り固めて、鎧にしていた。そう思っていたのに。嘘の鎧がいつしか自分自身の血肉となっていた、なんて。
殺したい殺したい駄目だ堪えろ俺は何の為に生きて殺せ殺せ人間など根絶やしに止めろ頭の中で囁くな俺は人と笑う為違う殺す為に意識を保っていたんだろう……? 違う! 俺は人が好きで壊したくないから……! ほざけ嘘つきめ貴様は人間を殺したいのだ嫌いでたまらなくて憎くて破壊し尽くしたいのだろう?
「逃げろおぉぉぉぉ……!」
そうだ。俺は人間のことが嫌いで憎くて殺したいんだ。殺さなくては殺せ殺したい早く血を。泣き叫べ。無様に這いつくばらせてやる。人間なんか根絶やしに――
「そこの人、逃げてえぇぇぇ……!」
声を聞いて顔を上げた彼の視界に飛び込んできたのは人間。栗色の髪を揺らし、髪と同じ色の瞳に焦りを滲ませた、彼と同じくらいの歳の少年だった。丁度いい。殺してやる。手始めにお前からだ。彼は狂気を滲ませて狂喜した。血を貴様を殺して屍の上に立って次の獲物を探して殺してころしてコロシ尽くすんだ……!
「何やってるんだよ! 早く逃げろ!」
は? 彼は視線を巡らせた。彼から十メートルまでに近づいた少年の後ろには、異形の集団。そうだ。この世界には魔物という存在がいたんだった。
「オゥフ……」
彼は一先ず少年を殺すのを諦めて踵を返し、全力疾走した。
「このまま逃げ続けてもいずれ追いつかれる、そうだろ?」
彼は傍らの少年を横目で見て言った。彼は憎悪と破壊衝動を箱に詰めて鍵を掛け、焼却炉に放り込むことに成功していた。しかし、永年蓄積され続けたそれらが簡単になくなることはなく。彼の中での人間の評価は『嫌い。関わりたくない。邪魔すれば殺す。っていうか自主的に排除したい』になっていた。先程に比べれば随分と軟化した。だが、人間が彼の癇に障るようなことをすれば、すぐに憎悪に火が灯ることに間違いない。
少年は彼よりも少しだけ背が低いせいか、彼よりも遅れがちだった。走り続けて早十分。彼も少年も体力の限界だった。こういうとき、肉体というものは不便極まりない。体力という稼働限界があるのだから。
少年は息を切らして彼を見上げた。
「それは、そう、だけどっ……どうしようも、ないよ……!」
「いや、俺に策が一つある。お前が犠せ……囮になって、その隙に俺が逃げる」
「今、犠牲って言おうとしたよね!? っていうか、囮も嫌だよ!? どっちにしろ死ぬじゃないか!」
死んで欲しいのだが。素直に死んでくれるような人間が、魔物から逃げる訳ないか。彼はなんとか言いくるめてこの少年を殺してしまおうと言葉を紡ぐ。
「はあ……。仕方ないな。じゃあ、じゃんけんをしよう。そしてお前が犠牲になろう」
「何のためのじゃんけんだよ! 最後の思い出づくりかよ!」
「大丈夫だ。君は俺のなかで生き続ける」
「死んでるよ! そんなありきたりな台詞で誤魔化そうとしないでよ! 会ったばかりのくせに!」
ぎゃあぎゃあと騒がしい人間だ。大人しく死ねばいいものを。彼は、この窮地から脱したら真っ先にこの人間を殺そうと心に決めた。理由はよく分からないが、なんだか見ているだけで苛つくのだ。
彼はまた前を見て走り始めた。全く、自分の世界で生命の危機に遭うとは――自分の世界? そうだ、この世界には魔法が存在していたじゃないか! なら、俺にも使えるはずだ。俺の世界なんだから、どんな魔法でもいけるはず! 彼は確信を持って足を止めて振り返った。数百に上る、大小様々な魔物に手を翳す。さて。どう調理してくれようか。世界に逆らった罪は重いぞ。
「おい! 何やってるんだよ! 死ぬぞ!」
少年の声には答えず、彼は魔法を放つ。
「消えろ!」
音も無く、魔物たちの姿が消えた。まるで元からそこには何もいなかったかのように。それもそうだ。彼は、魔物たちを『無かったこと』にしたのだから。彼にとって成功するのは必然だった。少年は今見た現象が信じられない、という風に何度も目を瞬かせ、彼の隣まで歩いてきた。
「今のって、魔法……?」
「ああ、そうだけど? 何か問題でもあるのか? 死ぬか? 自殺願望があるのか? 介錯してやろうか?」
「いやいや、思考がおかしいよ!?」
そうだろうか。彼は少年を殺したかっただけなのだが。というか、死にたくないのか。まあ、そんなことはどうでもいい。少年の意志など関係なく彼は殺すだけだ。殺殺殺さなくては恐怖に染まった顔を踏みつぶして臓腑を引きずり出してしまおう。焼却炉で燃やされて灰になっていた破壊衝動が湧き上がった。
止めろ。俺はそんなことを望んじゃいない……!
嘘だ自分に正直になったらどうだ×××。殺したいと最初に望んだのは他でもない自分自身ではないか自分を保つ為などどいう言い訳を隠れ蓑にして貴様はお前はわたしは俺は殺したかった憎かった蹂躙したかっただけではないか。
違う。違う違う違う……!
「どうしたの、顔色悪いけど大丈夫?」
下等な下賎な低俗な人間如きが高尚で神聖なる我に話しかけるな黙って殺されろ卑しい身を裂いて貰えることに感謝しろ……!
いい加減黙れよ! 頭の中で好き勝手に喋くりやがって……! 俺は確かに、人間のことが好きとは言えないさ。だけど、そんなには思ってない! 俺の行動は俺が決めるから、黙ってろ!
彼は喉の奥から声を絞り出した。頭の中で喚く奴らがうるさくて正直立っているのがやっとだったけど、少年が心配そうに彼の顔色を窺っていたから。少し頑張った。
「……だ、大丈夫、だ……」
「そう? なら、いいけど。ねえ、一つ頼みがあるんだ」
少年は納得していないような顔をしていたが、無理矢理納得した振りをしてそういった。彼は無言で続きを促す。頭の中の奴らが騒ぎ出す前に。彼が少年を手に掛けてしまう前に。早く用を済まして立ち去って欲しかった。彼は少年が話すのを待ちながら必死に奴らを抑え付ける。いや。奴ら、といってもそれは彼自身だ。彼が生み出した、憎悪の塊。凄まじい感情の奔流を一つに固めたら誕生したもう一人の彼。もう一人の彼だって、彼を苦しめたい訳じゃない。人間を殺すのがもう一人の彼の存在意義だから彼を促しているだけ。彼だって分かっている。もう一人の彼だって必死に自分を保とうとしていると。その保ち方が彼と反対方向だっただけだと。それでも。彼は、もう一人の彼に飲み込まれる訳にはいかなかった。意地でも血反吐を吐いてでももう一人の彼を制御しなければならない。全ては自分に責任があるのだから。
まだか。彼が視線を上げると少年は意を決したように一つ頷いた。
「世界を救うのを手伝ってください! 僕一人じゃ無理なんだ。今の、キミの魔法の力があれば、もしかしたら……」
思考が止まった。ハンマーで頭を殴られたみたいだった。
こいつは今、なんと言った? 世界を、救う、だと? それはどういう意味だ? この世界の住人を救うというのか? 世界が滅ぶとでも言うのか? それを俺に頼むのか? 何故だ。疑問ばかりが頭を埋め尽くし、彼の中にむくりと鎌首を持ちあげた感情があった。
怒り。
世界のことをなにも知らない癖にお前は何を言っているんだ。俺の苦しみを知っていたのか? 世界を救うだと? 戯言もほどほどにしておけよ。
彼の瞳は紅く輝き、少年を睨みつけていた。
あーあ、折角、アイツを抑えていたのに。お前のせいだ。もう制御ができない。人間なんて、身勝手で、最低で、汚い屑だ。
彼が一歩踏み出すと、少年は怯えたように一歩退いた。その行動はまた彼を苛つかせる。自分の言動の責任くらいとれよ。つまり、死ね。彼が少年に手を伸ばした瞬間、世界が揺れた。
「!?」
彼と少年の間の地面に亀裂が走り、崩れた。木も石も土も何もかもがその亀裂に飲み込まれていった。無論、彼とて例外ではなかった。摑まるところはないかと見上げた彼は、見えた風景に息を呑んだ。空が割れて落ちてきている。次々と、塗装が剥がれおちるように空は落ちてくる。その向こうには、深淵の闇。彼がいた闇。彼は目をそむけて、自分が落ちていく方向を見た。その先にも、闇があった。
「タイミング悪いな……。いや、いいのか……」
彼は目を閉じた。後少しで殺せた。いや、殺さなくてよかった。ていうか、随分短い自由だったな。別に、名残惜しくはない。もう人間に期待はしない。今度出てきたときには全てを破壊しつくしてやる。そう嘯くも、隠しきれない恐怖が彼を覆う。戻りたくない。あそこは嫌だ。彼は目を開けた。でも。何故か視界は歪んでいて。景色を見納めることすらできなかった。
「私は、この世界が存続する未来を選択する!」
凛とした女性の声が響いた瞬間、全てが元通りになった。彼は森にいて、少年に手を伸ばした姿勢のまま固まっていた。少年は世界が崩れる前と何一つ変わらない姿勢と、怯えた表情をしていた。どういうことだ? まあ、とりあえず。彼は伸ばしたやりどころのない手を、頭の後ろに持っていき、少年から目を逸らした。もう、頭の中で喚く奴は雲隠れしていた。
「あー、なんだ。怯えさせて悪かったな」
「その前にッ、アタシに謝んねーとダメだろーがッ! んのくそガキが! 神のヤロウに言われてきてみれば崩壊寸前って、有りえねえだろ? お陰で、数十年間コツコツ貯めてきた魔力がパーだ! 土下座して謝れッ!」
なるべく視界から弾きだそうと試みてはいたのだが、まさか向こうから視界にフェードインしてくるとは。彼は指を突きつけてきた女性を胡乱気に見遣った。彼女は紫がかった赤の髪を腰まで伸ばし、緑色の瞳で睨みつけてきている。黒のシャツの上に赤い上着を羽織り、腰に銃を二丁装備し、足はズボンで覆っている。右手で彼を指しているが、反対の手には水晶玉のようなものを持っている。どうやら推測するに、さきほどの声は彼女だったようだ。
「いや、いきなり現れて難癖つけられても困るんですけど。貴方は誰ですか? っていうか、どうやって崩壊していた世界を戻したんだ?」
「おう、アタシか? アタシはルーシー。で、世界を戻したのは、魔法さ。カッケーだろ? 未来を選択する魔法。スゲー魔法だから、魔力貯めねーと使えないんだわ、これが。分かる? つ、ま、りィ。てめーが下手踏んだからそれの尻拭いをしてやったっつーこった! わざわざ大量の魔力を使ってな!」
未来を選択する魔法とか反則じゃねえか……! 彼が攻撃魔法を撃っても『撃たれていなかった』ことにされればどうしようもない。いいや、抑もこいつは敵なのか味方なのか。もし敵だったら……。彼はシュミレーションしてみる。だめだ。どんな手を使ってもこいつには勝てなかった。彼の顔に汗が流れ始めたのを見た女はニヤリと笑った。
「そォ警戒すんなよ。アタシは、てめーの味方さ。信用できないか? もし敵だったら、今頃てめーはハチの巣になってっから。こいつで、な」
ルーシーは両手に一丁ずつ銃を持って、撃つ真似をしてみせた。それでも警戒を解かない彼を見て、彼女は溜息を吐いた。
「おいおい、ちったァ信じてくれてもいいんじゃねえの? お姉さん泣いちゃうぜ、ってなッ。キャハハハハハ」
何がおかしいのかルーシーは腹を抱えて笑い始めた。彼はどうする、と舌で唇を湿らせた。口では何とでも言える。こいつが彼を殺さなかったのは、利用価値を見出したからかも知れない。それに、明らかにこいつの雰囲気はヤバい。どれくらいヤバいかっていうとマジでヤバい。ってそんなことを言ってる余裕がないほどヤバい。
一か八か、目くらましの魔法でも放って逃げるか。右手をルーシーの死角に回して魔力を貯めようと「カチャ」。
ルーシーが笑うのを止めて銃をこちらへ向けていた。
「いーかくそガキ。魔法を撃とうなんてことを考えるな。どうして世界が崩れたか分からねえのか? てめーが魔法を使ったからさ。分かったら両手を上げろ。もうアタシは未来を選択できない。次しくじれば、死ぬのはてめーの方だぜ?」
「……チッ」
彼は両手を上げた。ルーシーの言うことを全て信用した訳ではなかったが、万が一彼女の言っていることが真実だった場合、彼には取る手段がない。この世界がどうなろうと知ったことではないが、死にたくはない。
「良い子だ。物分かりのいい奴は嫌いじゃないぜ? 好きでもねーけどなッ。キャハハハハハハ! おっと、忘れてたぜ。ほら、コイツを腕に付けな」
ルーシーは腰のポーチからオレンジ色の布を取り出すと、彼に向かって放った。彼は反射的に受け取ったが、これはなんだ、と視線でルーシーに問う。
「そいつはアレだ。あー、なんつったっけな? そうそう、魔力を制限するためのもんだ。てめーが魔力を使いすぎると世界が崩れるんだよッ。詳しい説明は後だ。取りあえず付けとけ」
「……分かった」
彼は怪訝そうな顔を崩しはしなかったが、右手首にその布を縛り付けた。解けないように固結びで。彼が結ぶのを見届けたルーシーはキャハハ、と笑った。
「封ッ!」
「は? ……ッ!」
オレンジ色の布が発光していた。やっぱり敵だったか、と身構える彼をルーシーは笑う。
「安心しろ。何もしちゃいねーよ。解けにくくしただけさ」
その言葉通り、彼がどれだけ外そうとしても布は解けなかった。
「せめて言ってからやれよ」
「悪ィ悪ィ。さて、ついてこい。仲間が住んでいる場所がある。そこで詳しく説明してやろーじゃねえか。面倒だけどな」
ルーシーは踵を返し、歩き始めた。あの方向は、確か街がある方向か。逃げったって無駄だろうな。彼はついて行こうとし――ふと立ち止まって振り返った。そこには空気になっていた少年の姿が。
「お前は帰らないのか?」
彼が声をかけると少年はびくりと肩を震わせた。完全に怖がられているようだ。彼としては構わないのだが。はっきり言って、彼は人間のことはどうでもよくなっていた。勝手に生きて勝手に死ねば? という感じだ。だからといって、先程の少年の発言を容認したかといえばそうでもない。少年の『世界を救う』発言は彼をかなり苛立たせた。そう、少年のことが彼は嫌いだった。できればもう会いたくないと思うほどに。
彼は鼻を鳴らしてルーシーを追いかけた。
壱話に引き続き読んでいただいてありがとうございます。素人なので生暖かい目でゆるく見てやってください。