第二話〜メッセージ〜
アドバイスお願いします♪
翌日、俺はある異変に気付いた。
俺の生徒手帳がない。まさか…落とした…。
俺はありとあらゆる所を探した。
だがどこにもなかった。
落としたにちがいない。
だが、そこまで焦らなかったが、白井 美沙が頭をよぎった。
もし、あいつが拾ってたら…なんて考えただけでも顔が赤くなった。
大丈夫だ…まだどっか落ちてるかもしれない…。
俺はすぐさま家を飛び出て、昨日通った道をゆっくりとじっくりと見ながら学校へ向かった。
そして、生徒手帳は見付かる事なく学校へついた。
と…誰かが校門で立って俺を見てる。
白井 美沙だ。
俺は、怖いような恥ずかしいような引き吊った顔で赤くなった。
そして、美沙は近付いてくる。
俺はいっそう赤くなる。
美沙は立ち止まる俺の前に来て望んでない言葉を言った。
「天海君の生徒手帳♪昨日拾ったんだ。」
いたずらっぽい無邪気な笑顔で、美沙は生徒手帳を出し、俺の目の前でひらひらとゆらした。
確実に俺の生徒手帳だった。
俺は生徒手帳をさっと奪い取り、さっさと学校へ入った。
そんな俺を追い掛けて来て、美沙はちょっと離れた所で
「感謝しろ」と俺に聞こえるように言った。
俺は恥ずかしく確実に赤くなってると自分でもわかった。
そして、チラッと美沙を見た。
美沙は、自分の生徒手帳を俺に見えるように振りながら、無邪気ないたずらっぽい笑顔で俺をみていた。
俺は感じた事のないほどの恥ずかしさに、真っ赤になったまま急いで教室へ向かった。
そして、教室のドアを開け、勢いよく閉めた。
教室のみんなが音にびっくりして、俺の方を見る。
多分、みんな
「え?」と同じ事を考えただろう。
ゆでダコ状態の俺がそんな音をだして、入ってきたのだ。
何も知らない奴らは、怒ってるとしか思わないだろう。
俺はそのまま席についた。
周りの状況を考える余裕はなかった。
俺はすぐさま、机に両腕を置きその真ん中に顔を埋めた。
落ち着け…落ち着け俺…。
何度も何度も頭の中でその言葉を繰り返した。
と…その時、隣から一樹が俺の服を軽く引っ張った。
それに気付き、俺はゆっくりと顔を片目だけ見えるように一樹の方を見た。
「なぁに、怒ってんだよ?」
「…怒ってる?誰が?」
「お前だよ、お前」
「お…俺?」
俺はその時やっと周りの視線に気付いた。
「お…俺は…別に怒ってねぇ!!」
俺は何故か立ち上がり叫んだ。周りはみんな驚いた表情だ。
当たり前だろう。
いきなり立ち上がり叫ぶだけでもおかしい事なのに、俺みたいなあまり騒ぐキャラじゃない俺が急に叫んだのだ。
驚くのも無理はない。
教室の中のみんなを注目させていた時に、先生が入ってきた。
みんなはゆっくりと俺から目を離した。
俺は授業なんて、まったく耳に入らなかった。
そして授業が終り、俺は学校をサボる事にした。
休み時間になった瞬間荷物をまとめて教室を出て校門まで行った。
と…後ろから声がかかる。
「あれ〜、帰るの?」
この声…また…
「…何でお前またいるんだ!?」
俺の予想通り声の主は美沙だった。
美沙の方を見て、俺は怒鳴った。
美沙は平然と俺に近付き、手を掴んだ。
「私も一緒に帰る♪」
意味が分からん…。
何を言ってるんだこの女。
言い返す気力もなくなった俺は、美沙の手を振り払いさっさと家への道を歩いた。
美沙は
「ねぇねぇ」と少し後ろについてきながら俺を呼び続けた。
俺は無視して歩いてたら、いつのまにか家の近くの池まで来ていた。
だが、美沙は一向に帰る気配がない。
それ所か、まだ
「ねぇねぇ」と呼び続ける。
俺はだんだんマジにムカついてきた。
「なんなんだよ!?さっきから!!意味わかんねぇんだよ!!帰れよ!!」
俺は切れて、美沙を怒鳴りちらした。
美沙は、ほっぺたを膨らまして涙目になった。
「ひどぃ…。…怒らなくていいじゃん…。天海君が無視するからいけないんでしょぉ…」
美沙はいじけたように口にこぼした。
「はぃはぃ…。早く帰れ」
俺はそんなのほっといて家へ向かった。
さすがに美沙もついてこずにちょっと遠くから
「バカバカバカァ!!!」なんて叫んでいた。
子どもか…。
ふざけんな…誰がバカだ…。
バカはお前だろ…。
ムカつく。
まじ意味分かんねぇ…
つか…年下だろ…
俺は今までで一番ムカつきながら、家へ入った。
鞄を玄関に放り投げて、階段をどすどすと登り、自分の部屋へ入ると、勢いよくドアを閉めた。
そして、なんとなくポケットから生徒手帳を取り開いた。
すると、生徒手帳のちょうどメモゾーンの一枚が目印をつけてるみたいに折り曲がっていた。
俺はそのページを開いた。
そこには
「好きです。付き合ってください。」とその言葉だけが大きく書かれていた。