表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何故か好きな人の友人と仲良くなってしまう私  作者: うみのうさぎ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/5

鈴木和也

その異変は、突然だった。


 放課後の教室。

 美穂が鞄を閉めた、その横に――影が差す。


(……はい?)


 見上げる前から分かる。

 この圧のある身長差は一人しかいない。


 和也「高橋さん」


(うわ来た)


 鈴木和也が、爽やかな顔で立っていた。

 爽やかすぎて、逆に警戒心が湧くタイプの笑顔だ。


 美穂「……なに?」


(なんで私に話しかける。用件を言え。簡潔に)


 和也は一瞬だけ視線を泳がせ、それから軽く頭をかいた。


 和也「前から思ってたんだけどさ」


(やめて。“前から”とか言うのやめて)


 和也「俺たち、ちゃんと話したことないよね」


(ないし、今後もなくていいです)


 美穂は黙って次の言葉を待つ。

 嫌な予感は、だいたい当たる。


 和也「だからさ。友達にならない?」


(は?)


 理解が追いつかない。


(なんで? どうして? 私?)


 美穂「……は?」


 思考と同じ言葉が、そのまま口から出た。


 和也「クラス同じだし。 圭介とも仲良いし」


 その一言で、美穂の思考回路が一気に切り替わる。


(圭介と……仲いい……)


 鈴木和也。

 田中圭介の親友。

 圭介の隣に自然に立てる男。


(……え、これ、使えるのでは?)


 心の中で、電卓が高速回転を始める。

 ウザさとメリットを天秤にかける。


(ウザい:高

 メリット:圭介との接点 特大)


 和也「嫌なら全然いいんだけど」


 そう言いながらも、和也は距離を詰めない。

 押してこない。引きもしない。


(あ、これ断りづらいやつ)


 美穂は一度、視線を逸らす。

 その先で、圭介が友人と話しているのが見えた。


(……近づくチャンス、ではある)


 ウザい。

 正直、かなりウザい。


(でも今断ったら、このルート二度と繋がらない気がする)


 美穂は深く息を吸って、覚悟を決めた。


 美穂「……友達、ね」


 和也「うん」


(あーもう)


 美穂「いいよ。別に」


 和也の顔が、ぱっと明るくなる。


 和也「ほんと? やった」


(軽っ)


 美穂は内心で盛大にため息をついた。


(これはあくまで“作戦”だから。

 目的は田中圭介。

 鈴木和也は――踏み台)


 自分に言い聞かせて無理矢理納得する。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ