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Ep7:モノロード

「ここが最初の街『モノロード』かぁ……」


 煉瓦造りの家々、溢れかえるプレイヤーたち。

 流石は世界一の同時接続数を誇るゲーム。他のゲームでは見たことが無いほど人が多い。


「まずは宿屋でリスポーンを固定して、その次に武器と装備だな。流石に木の棒と盾っぽい板じゃ厳しいものがある」


 それに、これまで倒してきたモンスター等の素材を換金したいしな。

 宿屋を探しがてら、俺はいまの自身のステータスを確認する。


————————————

NAME『アサ』 Lv.29

『種族』

 カテゴリー:竜人族(ドラゴニュート)

  分類:黒曜族

『職業』

 カテゴリー:剣士

  分類:大太刀使い

『才能』

 ・回避の心得

 ・反射(パリィ)の心得

 ・不屈の精神(種族特性)

『身体能力』

 HP(体力) 170

 MP(魔力)150

 STR(筋力) 200

 ATK(攻撃力)180

 DEF(防御力)50

 INT(知力) 50

 RES(抵抗力) 150

 DEX(技量) 120

 AGI(素早さ) 100

 LUK(幸運) 180

『体質』

・滑空(種族特性)

・剛力(種族特性)

スキル

・発勁-rankⅡ

・疾走補助

・跳躍-rankⅡ

・黒曜鉱鱗(種族特性)

・栄花刃述『壱ノ太刀:朝顔』

・栄花刃術『弐ノ太刀:桃桜』

・栄花刃術『参ノ太刀:鈴蘭』

装備

 右手:いい感じの木の枝

 左手:木の盾のようなもの

 両手:×

 頭:

 胴:黒曜族の民族衣装

 脚:黒曜族の民族衣装

 足:

 アクセサリー:

 インプラント:真を見る鉄鋼仮面(アナライズアイ)

————————————


「相当森の中を彷徨っていただけあって、結構レベル上がったな」

 

 現在レベルは29、もうすぐで30レベルに迫りそうな勢いだが、上限レベルがわからない以上高いとも低いとも言いようがない。

 

「周りにいる奴らのレベルは一桁台から20Lvくらいか。まあ普通だな」


 リスポーン前提の初期マップをリスポーンせずに攻略したのだからもう少しレベル差があるのでは、なんて期待をしていたが、そこまでレベル差がなかったのは少しショックだ。

 とは言っても多分特殊なアクセサリー、もとい“インプラント”を序盤から入手することができたのは大きいのでよしとしよう。

 そんなこんなで宿屋にたどり着いた俺は、なぜか財布に入っていた6000クレジットの内から50クレジットを使ってチェックインし、部屋でリスポーン地点を登録した。


「よし、これで安心だな」


 となれば、次は質屋だな。

 武器も防具も金がなければ買うことができないのは、人間社会の中に生きているならば当然の理。

 街に入ったことで更新されたマップで位置を確認した俺は、早速質屋へ向かった。





「うーむ…… 素材は良いが状態が悪いな。ざっと見積もって10000クレジットといったところだな。それと、このハニーワスプの素材はうちじゃ買い取れないから、冒険者ギルドに行って依頼達成の報酬と引き換えてもらえ」


「そうか、10000クレジット…… まあ、価格交渉とか面倒だしこれくらいでいいよ。今はすぐに金が欲しいからな」


「あいよ、まいどわり」


 手持ちの素材を全て換金した俺はすぐさま武器屋へと向かう。

 なぜこんなに急いでいるのか。と聞かれたら、答えは「今すぐにでも休みたいから」だ。

 昼からプレイを始め、そろそろプレイ時間が八時間に到達しようとしているため、長時間拘束されるような鬼畜ゲーに慣れた俺でも、流石に腹が減ってきた。

 正直なんだかトイレにも行きたいような気もするし、早くまともな武器を手に入れてログアウトしたいのだ。

 早る気持ちのまま武器屋に入店すると、店内はプレイヤーで賑わっていて、そのほとんどがレベル一桁台の初心者ばかりだった。

 だがそんなことも気にしていられない俺は、すぐさま大太刀かレゴリーの武器が陳列された棚へ向かい、商品の一覧を確認する。


『大太刀-|白雲』 1000クレジット

 職人が打った試作刀。軽量な素材で作られているため取り回しやすいが、その分攻撃力と耐久値が低い。


『大太刀-翠柳』 6000クレジット

 職人が丹精込めて打った力作。その碧色の刀身には水の力が宿されており、この相手の攻撃に合わせて刃を振るうことで、相手の攻撃を受け流すことができる。


『大太刀-半月』 100000クレジット

 製作者:コマヅカイ

——“夜行性“のエンチャントが施されているので、夜に限り全ステータスを1.5倍にします。耐久値もやや高めで、攻撃力も平均以上なので初心者さんにも結構扱い安い武器だと思います。結構な力作なので、やや高めの値段設定です。


 まだ他にも色々とあるが、パッと目についた大太刀のラインナップはこんな感じだ。

 この中で言ったら『翠柳』が最も適当だろう。

 『半月』の性能も捨て難いが、いかんせんクレジットが無いためパス。『白雲』は俺のプレイスタイルに合わないのでパスだ。

 そうと決まれば即購入。

 受付に『翠柳』を持っていき、パパッと購入したのち、俺は急いで宿屋に帰ってログアウトした。


「流石神ゲー。とんでもなく面白かった。それはともかくトイレトイレ!!」


 



 アサが、宿屋でログアウトしたのとほぼ同時刻。

 エデンズのコミュニティーで、とある黒い仮面をつけたプレイヤーの情報が流れていた。

 『モノロードに誰も見たことのないSFチックな頭部アクセサリーをつけたプレイヤーがいる。プレイヤーネームは“アサ”』

 

 アサはまだ知らない。

 このゲームに全てを捧げるほど熱中する『廃人』の存在を。

 そのプレイヤーたちが“未知”を貪る猛獣であるということを……

アサのステータス画面にある『栄華刃術』は大太刀を扱うプレイヤーが20Lvに到達した時に習得する『刃術』の派生系で、派生条件は『レベル差50以上の敵を刃術未習得時に5体以上倒す』ことで、アサがその条件を達成したのはLv80の軍隊蜂を倒した時。

そのあまりの習得条件の厳しさで栄花刃述を習得したプレイヤーは少ない。

その他にも、習得した前例の少なさから攻略情報が出回っていないのも、習得するプレイヤーが少ないのに拍車をかけている。

ぶっちゃけ、他にもっと手軽に習得できて同じくらいの強さの刃術があるので、ほとんどの大太刀使いはそちらを習得する模様。

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