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Ep4:敗走

「んで、意気揚々と旅立ったはいいものの、そのインプラントのせいで泣く泣く敗走してきたってわけね」


 呆れたような表情で頬杖をつき、茶菓子を頬張るのは知恵の神を自称する白髪の美少女アトラ。

 彼女こそ、今回の事件の最たる原因なのだが、さも人ごとのように無関心なのは些か文句も言いたくなるが、今は彼女の機嫌を損ねるわけにはいかない。


「とりあえずここを臨時の避難場所としているわけだけど、俺も都合上ここにずっと居座るわけには行かないから、なんかいい方法ってないか? ほら、あんた知恵の神様なんだろ?」


「随分とアバウトな質問だね…… 私は知恵の神と言っても全知全能ってわけじゃなんだ。君の望んでいることをもっと正確に伝えてくれないとアドバイスなんてできないよ」


 ……つまり、この状況を打破するための具体的な方法は自分で考えろってことか。


「うーん、装備も整えたし、アイテムもついでに買ったし、今すぐにやらないといけないのはレベル上げか……」


「レベル…… レベルねぇ…… それを私に聞くかなぁ」


「ん? どうした?」


 レベルの話を出した途端、後らの表情がこれまでにないほどに曇る。

 何か良くないことを口に出したか?


「レベルってのは外界人特有の概念でね…… そのことについて言及するのは予告書(シナリオ)の制約上できないことになってるんだ…… もし私にそのことについて聞くのならもっと他の言葉に言い換えてくれないとできないんだよ」


 シナリオ? 

 要するに、ストーリーやら何やらの関係でまだ秘匿しなければならない情報があるから、NPCの会話にシステムロックが掛かっているってことか?

 でもそれにしては妙な言い回しなような……


「うーん…… じゃあ、わかった。もっと経験を積んで強くなりたいんだけど、アトラは良い方法を知ってるか? って感じでどうよ?」


「ああ、それなら答えることができるよ。このフィールド…… じゃなくて庭から出ると、とても強い魔物が集合している『瘴気の魔窟』というダンジョンがあるんだ。通常なら瘴気に耐性のある装備や対抗できるスキル、アイテムなんかが必須なんだけれども、私が特別にそのインプラントに新しく瘴気耐性の機能をインストールすれば、そこの強い魔物を楽に狩ることができるようになる」


「おお!! それはいいな!!」


 瘴気耐性!! 

 その字面から漂ってくる圧倒的な安心感に俺は心の底から歓喜した。

 瘴気。それはさまざまなゲームで見られるフィールドギミックで『毒沼』『炎上』と共に“三大厄介フィールドギミック”の名を張る、言ってしまえば“とてつもなくウザい”フィールドギミックだ。

 体力減少、攻撃力低下、スタミナ減少…… 瘴気という二文字から連想されるデバフはゲーマーなら誰しも見ただけでうんざりしてしまうようなものばかりだ。

 特に鬼畜ゲーマーに関してはその限りではない。

 あの名前も思い出したくない鬼畜ゲー『スロフィス』にも“瘴気“というフィールドギミックが存在し、それはそれは苦労させられたものだ。

 移動速度低下、攻撃力低下、継続ダメージ、モンスターの活性化、スタミナ減少、一定時間経過での毒正体の付与+感覚以上、光度低下、色覚異常、疲労感、倦怠感、眩暈、頭痛、そして吐き気……

 延々とつづく瘴気の谷の奥地で、これでもかとデバフを付けられたのちのモンスターラッシュ……

 うああ…… 思い出しただけで震えが……


「喜んだと思ったら、真っ青な顔になってガタガタと…… 忙しないやつだね君は」


「ちょっとな…… 色々あったんだよ、色々な」


「とりあえず、君が瘴気に対してとてつもないトラウマを抱えていることはわかったから、今すぐにでも瘴気耐性をインストールしてあげよう。聖域の地図もついでにインストールしてあげるから、それを見ながら進むといい」


「ああ、サンキューな」


 過去のトラウマを思い出して青い顔をしている俺を横目に、アトラはいつの間にか手に持っていた分厚い本を開くと、何やら画面を操作するように本のとあるページをタッチ操作して、インストールを行う準備を始めた。

 

「皮の表紙の古臭い本なのに、随分と未来感満載な機能を搭載してるんだな、それ」


「これは世界書、別名『原初の魔導書(アル・アジフ)』と言ってね、“私”の最初にして最後の著書なんだ。この本にはこの世界に関する全ての情報が記されているんだけど、何せページ数が莫大でね。何かの情報を引き出したい時、毎回ページを捲って探すのが面倒だから少し弄って便利にしたんだよ…… と、説明をしている間にインストールが終わったね」


「はやっ!?」


「これがユーザーインターフェイスの力だよ。さあ、行った行った、私はこれから昼寝の時間なんだ。修行が終わるまで帰ってくるなよ?」


 そう言うとアトラは大きくあくびをして、そのまま木陰の椅子で目を瞑った。


「眠りにつくのが早いな…… 赤ん坊かよ」


「聞こえているぞ?」


「はぁい!! 行ってきまぁす!!」


 完全に寝ていると思ったのに意表を突かれた俺は慌ててその場を離脱する。

 いや〜、焦った。今度からはちゃんと気をつけよう。


 まあ、それはそうとして。目指すは瘴気の魔窟!!

 レベルアップタイムの始まりだ!!

アイテム説明

[Null]アイテム『原初の魔導書(アル・アジフ)』 クラス[null]

概要

縲?蜴溷?縺ョ鬲泌ー取嶌繧堤衍諱オ縺ョ逾槭′繧「繧、繝?Β縺ィ縺励※繝√Η繝シ繝九Φ繧ー縺励?∝?迴セ蛹悶@縺溘b縺ョ縲

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ストーリー

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