戦闘様式(バトルスタイル)
みなさんお疲れ様です!たいくつです。
今回は、テーマを『剣と魔法』としていましたが、急遽戦闘様式に変更しました。勝手で申し訳ありません!
みなさんに少しでも楽しく読んでもらいたいという思いがあってのことです!どうかお許しを!
「ごちそうさま〜!」
「ごちそうさまでした」
「ご馳走様でした」
「はーい。みんな美味しそうに食べてくれるからわたしも嬉しいわ」
「実際レナさんの料理はとても美味しいですからね。実は毎日楽しみにしてたり」
「ふふ、ありがとう心璃さん」
食事を終えた俺は感想を心のままレナさんに伝える。レナさんの料理は味はもちろん、見た目も一級品なうえ主菜や副菜等栄養バランス面も考慮して献立を考えてくれていることがわかる。リーフもセナもまだまだ大きくなるだろうし、そういうところは特に気をつけているのだろう。
「ふぅー。今日もたくさん食べたなー」
「…リーフ、食べ終わった直後に申し訳ないんだが、さっきお風呂で話したことについてもう少し詳しく聞きたいんだけど」
「えーっと、たしか戦闘様式のことでしたよね。いいですよ!ぼくの知ってることなら。何からお話ししますか?」
「じゃあまず、戦闘様式は剣術士と魔術士、それから上級クラスのルーンフェンサーがあるってさっき言ってたけど、その他にも戦闘様式ってあるの?」
「はい。戦闘様式は、たしか下級クラスが8クラスで、上級クラスが10クラスだったと思います。」
下級と上級合わせて18クラスもあるのか。剣術士に魔術士、ソードマスターにルーンフェンサー。多種多様だな。これだけ数があるなら相性や特徴を聞いておいた方が戦闘の際に苦労をすることが少なくて済むかもしれない。
「そもそも戦闘様式は、使う武器に分けて区分されることが多いので最低でも武器の数と同じかそれ以上は存在するのが当然だと思ってください。ではまず下級クラスから紹介しますね。詳しく説明すると長くなるのでとりあえず名前だけ紹介してシンリさんが気になったものから説明していきますね」
「わかった。よろしく」
「まず下級クラスから、『剣術士』、『槍術士』、『斧術士』、『魔術士』、『弓術士』、『盗賊』、『体術士』、『騎士』の計8クラス。次に上級クラスが、『ソードマスター』、『インペイル』、『プロファウンド』、『ソーサラー』、『セイントフィル』、『パーフォレイト』、『リムズマスター』、『ルーンフェンサー』、『アサシン』、『パラディン』の計10クラスです!」
「…ええと、案外多いんだな。リーフは全ての戦闘様式を把握しているのか?」
「はい!父さんからもらった本に全部書かれていたので。あ、どうせならその本を読んでもらった方が手っ取り早いかもですね。すぐに取ってくるのでちょっと待っててください」
そういうとリーフは駆け足で自分の部屋に向かい、言ったとおりすぐに本を片手に戻って来た。
「これです。少し古い本なので所々読みにくい箇所もありますが、内容は大体理解できるはずです」
「ありがとう。えーっと、戦闘様式のページは…」
俺は目次を頼りに100ページ以上ある本の中から戦闘様式のページを探した。リーフの言うとおり少々古い本ではあるがどちらかと言うとそれ以上に使い込んでいるように感じた。その証拠にページの端々は所々欠けていたり、文字が薄くなって読みにくい箇所がいくつか見受けられる。
「あった。えーっと、『剣術士とは主に剣を用いて様々な技を繰り出し、素早い動きで相手の攻撃を躱すことに長けた者達の総称である。そして更に剣術を極めた者をソードマスターと呼ぶ。ソードマスターと呼ばれる者は剣術士と違い卓越した剣技と身のこなしで相手を撃破する』か。これがリーフの目指している戦闘様式なんだよね?」
「そうですね。僕はまだまだ剣術はもちろん身のこなしすらまだ剣術士とすら呼べるレベルではないんですけど…」
頭を掻きながら苦笑するリーフに俺はいう。
「リーフの言うことが事実だとしてもそれはあくまで今のリーフの話だ。今後も引き続き努力していればいつか身を結ぶかもしれない。結果を出すのはまだ早いかもしれないよ?」
それはたしかにリーフに放った言葉だった。だが同時に自分自身に言い聞かせているようにも捉えることができた。
「…そうですね。僕は強くなってセナを、みんなを守れるようにならないといけないし、今は弱くてももっともっと鍛錬して強くなればいい。うん、ありがとうございますシンリさん!おかげで元気が出ました」
自分に言い聞かせるようにそう呟いたリーフはさっきとは違う明るい笑顔を俺に向ける。
「それより、シンリさんが一番見たいのはこのページじゃなくて….ここでしょ!」
そういうとリーフはペラペラと数枚ページをめくる。そこには『ルーンフェンサー』と他の文字より少し強調された文字があった。
「うん、ありがとう。…ってなにこれ?ほとんど読めないんだけど?」
リーフの開いたページは『ルーンフェンサー』と書かれた文字以外ほとんど汚れていたり穴が空いていたりしてろくに読むこともできそうになかった。
「…はい。実はなぜかこのページだけやたらと損傷が激しくて。なので僕もルーンフェンサーのことは父さんから直接『剣術と魔法に長けた者』と聞いた程度しか知らないんですよね」
「そうなのか…」
記述がないのなら仕方ない。まずはわかることから始めてみよう。
「…じゃあ、ひとまずは剣術士と魔術士の両方を目指す方針で行こうかな」
「それがいいと思います。父さんが帰ってきたら改めて聞いてみるといいかもしれませんね」
「そうだね。でそのアジスさんはいつ頃帰ってくるんだ?」
「えーっと、早くて2週間後、遅くて1ヶ月後って感じですね」
ふむ。それだけの期間家には帰らないとなるとおそらくは住み込み、あるいは宿でも取っているのだろう。…出費は大丈夫なのだろうか。俺も以前元の世界で仕事で何度か出張に行ったことがあるが、その時は出費は全て自腹だったからその月はいつもより生活が苦しくなったんだよな。アジスさんがどれだけ稼いでるのかは知らないけど…。ってそんなことはどうでもいい。
「じゃあアジスさんが帰ってくるまでの間今日みたいに勉強でもして気長に待っておこうかな」
「あ!じゃあ明日は僕の剣術の鍛錬に付き合ってくれませんか!?」
「ああ。もちろんいいよ」
俺も実際剣術はもちろん、そもそも戦いそのものにおいては初心者だからな。こないだのフィアースベアーとの戦闘もアジスさんとの手合わせも適当に剣を振って相手の攻撃を躱していただけだけにすぎないし。それに俺は『この世界を救う使命』、とやらを押し付けられているから今後どんな敵と戦うことになるか予想がつかないし。世界を守る以前にまず自分の身を守れるようにならないとな。そういう意味でも鍛錬は俺も望むところである、戦闘初心者同士なら尚更な。
「やった! シンリさんに僕の剣技見せてあげます!」
「お!それは楽しみだな」
子供っぽくいうリーフに俺はわかりやすく親しみやすい笑顔を向ける。
「はいはい二人とも話はそれくらいにして今日はもう寝なさい。特にシンリさんは慣れない魔法を使った影響でかなり疲れているでしょう?」
「あはは。そうですね、実はもうクタクタです…」
実際、レナさんの言うとおり魔法を使った影響か、お風呂を上がった直後から凄まじい眠気に襲われていた。さっきまではご飯を食べていたからか何とか耐えれていたが、今はお腹が膨れて更に眠気が増してきている。流石にそろそろ限界かも…。
ちなみにセナは食事の後片付けをしている。見た感じ手慣れているようだし、日頃からやっているのだろうか?感心感心。
「え、そうだったんですか!? すみません、気がつかなくてたくさんおしゃべりしちゃいました…」
「いやいや、質問したのはこっちだしリーフは何も悪くないよ。むしろいろいろ教えてくれてありがとう」
申し訳なさそうにするリーフに俺はありのままを言う。
「そういうわけだから俺はそろそろ休むよ。また明日な、リーフ。それにセナとレナさんも」
「はい!おやすみなさいシンリさん!」
「おやすみなさい」
「お、おやすみなさい…」
三人から微妙に違う睡眠時の挨拶を受け取った俺は客室、もといもうすでに自室と化しつつある客室へ向かう。レナさん曰く客室と言ってもほとんど使う機会がないから好きにして構わないとのことだったので俺はその言葉を素直に受け取り…今に至る。あくまで居候の身であるためあまり散らかさないように気をつけてはいる。うん、元の世界の自宅に比べたら全然大丈夫だ。
「あーほんと疲れた…」
俺は部屋に入ると早々にベッドに倒れ込んだ。こうなるともう立ち上がれん。
レナさんは「慣れない魔法を使った影響」で特に疲れている、と言っていた。それはようするに、『普段あまり運動しない人がいきなり激しい運動をして身体を痛める』、みたいな解釈でいいのだろうか?それとも、魔法を行使するという行動自体が大きく体力を消耗し、肉体の疲労へと繋がっているのだろうか?…だめだ、眠い。もう頭が回らない。明日考えよ。
その夜は、案の定秒で落ちた。
◇◇◇
「シンリさーん、朝ですよー。というか、もうすぐ昼ですよー?流石に寝過ぎですよー。鍛錬する時間無くなっちゃいますよー?」
「…ん、わ、わかった。今起きるから…」
翌朝、リーフのモーニングコールで起こされた俺は指示通りに上体を起こ…さず二度寝を決める。
「ぐう」
「はあ。シンリさん朝めちゃくちゃ弱いんですね…」
リーフが呆れているとは露知らず、俺は気持ち良く眠りに着く、予定だったのだが…。
ヒィャー
「ッ!?」
ドテッ!
俺は思わずベッドから転げ落ちる。
何かものすごく冷たい物が俺の首に当てられたような?その冷気とベッドから転げ落ちた衝撃で今度こそ俺は目を覚ます。
「いてて…。何今の…」
「氷球です! どうですか?目、覚めました?」
「う、うん。バッチリ、あ、ありがと…」
「いえいえ!どういたしまして!」
満面の笑みでリーフはいう。
なるほど、戦闘以外にもこんな使い方があるのか。魔法、便利だなー。…やられる方はたまったもんじゃないが。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
テーマの事ですが、次回からは提示せずに書いていこうと思います。理由は、今回のように急遽変更になる可能性があり、私としてもテーマがない方が自由に書くことができると思ったからです。ほんと勝手でごめんなさい。こんな私ですが、今後とも何卒よろしくお願い致します!それではまた!




