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異世界へ

皆さんはじめまして。たいくつです!

今回初めて小説を書かせていただきました!それもなんとなく「書いてみようかなー」ぐらいの気持ちで書き始めたので所々変な箇所があるかもです。そのときはアドバイスをいただけたら嬉しいです!

これからよろしくお願いします!

 心とは、一体何を指すものなのだろうか。

 その人の性格のことだろうか?いや少し違うと思う。心とは、ある意味一種の力なのだ。心が弾めばいつもの何倍もの力を発揮できるが、逆に心が荒めば何も手につかないほど無力な存在になる。人は容易に光を放ち、闇を纏うことができる可能性を秘めた存在なのは間違いない。だが、多くの者はその真価を発揮することなく生涯を終える。俺もその一人になる、はずだった。


 俺の名前は『真宮 心璃』。某電気通信メーカーの一般社員として働く独身、彼女なしのどこにでもいる20歳だ。高校卒業後、今の会社に入社してあと数ヶ月で2年目を迎える俺だったがそんなある日、事件は起きた。


「ゴクッゴクッ、ぷはー! 今週も乗り切ったー」


 週末、仕事終わりに近所のスーパーで買って来た缶酎ハイと2割引と書かれたシールが貼られたヒラスとサーモンの刺身を交互に口に運びながら俺は一人、自分を労いながら晩酌をしていた。20歳になってからというもの週末は酒を飲むことが多くなった。めちゃくちゃ美味しいというわけではないが、酒を入れたその日はよく眠れるのでなんだかんだ習慣化してきている。


「お、あのゲーム新作出たんだ。明日にでも買いに行こうかな……」


 そう、俺は普段休みの日は基本的にゲームをするかアニメを観るなどして過ごしている。そのため日頃からこの手の情報は適宜チェックするようにしている。


 ――1時間後――


「ふぁ〜。さすがに眠気が来た……」


 晩酌を終えた俺は後片付けを済ませ、歯を磨く。昔から寝る時は最善の状態を作ってから寝るというこだわりがあるため、どんなに眠くてもきちんと歯を磨き、後片付けをし、明日の準備を行っているのを確認してから寝るのだ。ちなみに風呂は帰宅してすぐに済ませてあるので身体は清潔だ。


 ◇◇◇


「ん? なんだここ?」


 眠りについたはずの俺だったが、ふと目を開けると見たことのない場所にいた。そこはただただ真っ白な景色が永遠と続く、殺風景だが不思議な雰囲気の場所だった。そのうえ物音が一切せず恐ろしく静かだった。と、次の瞬間背後から声がして俺は振り返る。


「こんにちは!」


 そこには絹のような滑らかな質感と艶を放つ白いロングヘアーの美少女が立っていた。


「えっと、こんにちは?」


「…」


「…」


 謎の沈黙が流れる。とりあえず挨拶をされたので挨拶は返したが、状況に追いつけるはずもなく俺は戸惑っていると、白いロングヘアーの美少女が口を開く。


「 ごめんごめん。いきなりこんなところに連れてこられて頭混乱しちゃうよね。とりあえず、まずは自己紹介からかな。私は『フェイル』よろしくね、『真宮 心璃』くん?」


「え?なんで俺の名前を?


「さあ?なんででしょう?」


 そういうと彼女『フェイル』は楽しそうに「ふふっ」と笑う。


「それはさておき、挨拶も済ませたから本題に入りたいんだけど、いい?」


「え? あ、はい」


 全く状況がわからない俺だったが、とりあえず彼女の話を聞くことに。


「じゃあ単刀直入に言うね。真宮 心璃くん、君にはこれから異世界に行ってもらい、そこで救世主になってもらいます!」


「は? い、異世界?」


 ゲームやアニメでしか聞いたことのない単語に俺は困惑する。しかも、そこで救世主になれだと?訳の分からない状況がさらに深刻化する。


「そう。実は今その異世界に未曾有の危機が訪れててね、それを君にどうにかしてほしいの」


「いやどうにかって……。まず、きちんと説明してくださいよ。さっきから全く話についていけてないんですけど?」


 話を聞いてる内に状況を把握しようと試みたが、逆にわからなくなりそうなので、堪らず俺は彼女の話を遮って説明を乞う。


「うーん、あんまり時間ないんだけど、まあ仕方ないか。それじゃ、今から質問タイムにします。何から聞きたいですか?」


「まずは、その異世界ってのをもっと具体的に教えてください」


「りょーかい。 異世界ってのは、君のいた世界とは全く異なる世界のことだよ。ルールも景色も住む者も何もかもが君のいた世界とは違うだろうね。まあでも君の世界と共通してる点もいくつもあるんだけどね。異世界についての説明はこんな感じだけど、どう?」


 そう聞いてくる彼女に俺は次の質問をする。


「じゃあ次の質問、あなたのことを教えてください。名前だけじゃ信用していいのかわからないので」


「うーん、ごめんなさい。残念だけどそれはノーコメントでお願いしたいな。でも、決して君を騙したり陥れたりするような真似は絶対に無いから。だからお願い、信じて?」


 さっきまでのおどけた様子とは裏腹に真剣な眼差しで訴えてくる彼女の言葉には嘘偽りを感じなかった。


「……わかった。信じるよ」


「ありがとう」


 そういうと安堵した笑みを浮かべるフェイル。正直まだ半信半疑だが、今はこれでいいだろう。重要なのはここからだ。


「じゃあとりあえず次で最後の質問かな」


「うん、いいよ。何かな?」


「……その異世界に行って、俺は元いた世界に帰れるのか?」


 そう、俺が最も知りたかったのはそれだ。ぶっちゃけ異世界に行くのは少し興味があるためそこまで問題視していない。だが、帰れないとなると話は別だ。俺には仕事があるし、毎月の諸々の支払いもある、それらを放ってはおけないからな。異世界に行くのはただ旅行に行くのとわけが違うのだ。


「……帰れるか帰れないかと聞かれたら、帰れる」


「そっか、じゃあ少し異世界に行くぐらいなら…」


「ただ、それはいつでもってわけじゃない」


「……どういうことだ?」


 俺は、俺の中の安堵の気持ちが一瞬にして消え去っていくのを感じた。


「君が世界を行き来するには私が君自身を運ぶ必要があるの」


「何か問題があるのか?」


「うん、私が君を異世界に運ぶのにはかなりの力を消費するの」


「力…?」


「うん、だから一度君を運んでしまうとしばらくの間は君を運べなくなってしまうの」


「つまりその力が回復するまでは俺は元の世界に帰れないってことか?」


「うん、そうなるね」


「……事情はわかった。だが、それなら俺は異世界には行けない。元の世界でやらなきゃいけないことがあるから」


 そういうと、フェイルは何やら申し訳なさそうな表情を浮かべ指と指をもじもじさせている。


「……おい、まさか」


「う、うん。もうここに来ている以上は力が回復するまで元の世界に送れないの…」


「たはは〜」と笑うフェイルに俺は物申す。


「は〜!? 何勝手なことしてんだよ!」


「ごめんごめん! でもこうするしかなかったんだもん……」


 そういうとフェイルは親に叱られた子供のようにしょんぼりする。


「……はぁ〜。全く、会社になんて説明すりゃいいんだよ、まあでも過ぎたことをどうこう言っても何も変わらないし。とりあえずは、もういいよ」


 俺の中にはまだ彼女の勝手な行いに対する怒りがあったが、これ以上怒りをぶつけてもなんにもならないしな。 それに今の彼女の顔を見てたら少し可哀想にも思えてきたため俺は怒りをぐっと胸の奥にしまい込んだ。


「……ありがと」


 半べその彼女に俺は続ける。


「それで? 俺は今後どうすればいいんだ?」


「異世界に行ってくれるの?」


「もうそれしか選択肢ないからな。異世界でもどこでも行くよ」


 少しぶっきらぼうに答える俺に彼女は言う。


「……わかった。じゃあこれから君が異世界に行ってすることを伝えるね。まず君には異世界を救うための力を身につけてほしいの」


「異世界を救う力?」


「今異世界はかつてない危機に瀕してるの。そしてそれは何者かによって意図的に引き起こされていることがわかったの」


「つまり、その何者かを倒して異世界を救うための、力をつけろってことか?」


「察しがいいね。その通りだよ」


「でもその感じだとその何者かってやつの情報もろくにないって感じか?」


「これまたご明察。その通りでございます」


 頭を掻いて「あはは」と笑うフェイルに「はぁ」とため息を吐きつつ俺は続ける。


「……んじゃ、その力ってのはどうやって身につければいいんだ?」


「異世界には様々な戦い方があるからまずは自分にあった戦い方を見つけるところからかな。異世界に住む人々の中には戦いに関する心得がある者も多いはずだからそういう人達を見つけて教えてもらうのが一番いいだろうね。そうこうしてたら自ずと力がついてくるはずだよ」


「わかった。それじゃとりあえず人を探して教えを乞えばいいってことだな?」


「うん、そうだね。そこでまず異世界に行ったら人々が暮らす村や街を目指すといいよ」


 これで一通りすべき事はわかった。後は実際に異世界に行ってから考えよう。


「了解。それじゃ、早いとこその異世界とやらに運んでくれよ」


「あ、ちょっと待って! 私の都合に君を巻き込んでしまって本当に申し訳ないって思ってる。だからせめて私から君に旅の役に立つ贈り物をさせて?」


「贈り物?」


 そういうとフェイルは両手を自分の体の前に出し、目を閉じた。すると次の瞬間、フェイルの右と左の掌それぞれにフェイルの言う「贈り物」なるものが現れる。


「これは?」


「言ったでしょ? 私から君への贈り物。まずこっちね。これは私が一から生み出した『豊心ほうしん(ころも』っていう法衣。まだ君は使えないだろうけどいずれ魔法が使えるようになったらこの法衣のすごさがわかるはずだよ」


「魔法、か。いかにも異世界らしいな」


「ふふ。でしょ? そしてこっちが『シーディア』と呼ばれる特別な力を持つ剣だよ」


「特別な力?」


「うん。その剣はね、持ち主の身体能力を極限まで高めてくれる激化インテンシフィケーションていう能力があるの。これがあればそこらの剣士ぐらいなら戦い初心者の貴方でも余裕で勝てちゃうと思うよ」


「本当か?それならすごいな」


 普段からゲームをしている身からしたらこういう特殊な力を持つ武器等には興奮を抑えられない。


「この二つがあれば少しは君も戦いが楽になると思うよ。あとは君の努力次第ってとこかな?」


「まあ、一応礼は言っとくよ」


 冷静さを取り戻した俺は慌てて取り繕うように礼を言う。


「うん、それじゃ。今から君を異世界に転送するけどいい?」


「ああ、いいよ」


「それじゃ、異世界に行ったらまず森の方をずっと真っ直ぐ歩いてルーリアって名前の村を目指してみてよ。そこで異世界での過ごし方を学べると思うから」


「わかった」


「それじゃ、異世界のことお願いね、真宮 心璃くん」


 ヒュィン…!!


 辺り一帯が眩い光に包まれ、堪らず俺は目を瞑る。


 ◇◇◇


 光が止み、目を開けるとそこにはかつてないほどの大自然が広がっていた。森は生い茂り、草花は風に揺れ、海からは潮風が吹き渡る。これほどの自然を目の当たりにしたのは生まれて初めてだった。おまけに見渡す限り俺のよく知るビルやマンションなどの人工建造物は何一つ見当たらない。


「ここが、異世界か」


 無事異世界に降り立った俺はフェイルに言われたとおりルーリア村を目指して歩き始めるのだった。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

前書きでもお話ししたとおり私は小説を書いた経験がなく、文の構成も上手くできているか自信はありません。

ですが、それでも「おもしろかった!」、「続きが気になる!」などの感想を持ってくれたら嬉しいです!

また、これは趣味で書かせていただいているので更新頻度などは厳密に設けてはおりません。ただ、評判が良かった場合は更新速度を早めようかと考えております。勝手ではありますが何卒ご理解の程よろしくお願い致します。

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