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シアの力が解放されると同時に、空間は一瞬で変わった。風が激しく吹き荒れ、地面が揺れ、周囲の物が浮き上がり、空間全体が彼女の魔法の力に支配されていった。光と闇が交錯し、まるで自然そのものが暴走するような感覚が広がる。


アルノはシアの腕をしっかりと掴み、その力の渦に耐えようとした。しかし、目の前に広がるのは、シアの過去と彼女が抱えてきた恐れそのものだった。遠くに、彼女の失われた家族の幻影が現れ、そしてそれが次第に彼女に迫ってくる。


「シア!」


アルノは必死に叫びながら、シアを見つめた。その瞳には、今まで感じたことのないほどの強い意志が込められている。


「シア、お前はもう一人じゃない。俺がいる、だからお前の力を信じろ!」


アルノの言葉が、暴走する魔法の中にひときわ響いた。それが、シアの心に深く届いた瞬間だった。


「アルノ…!」


シアは震えながらも、彼の言葉に応えるように目を開ける。その瞳は少しずつ安定し、彼女の力が少しずつ抑えられていくのを感じた。


「私…一人じゃない…」


シアは呟き、深く息を吐く。その瞬間、周囲の風が次第に静まり、空間が落ち着いていった。彼女の体から放たれる光が徐々に穏やかになり、やがて一筋の風となって、アルノとシアの間を流れた。


「すごい…」


アルノはその光景に驚き、そして安心した。シアの力が完全に制御され、彼女は再び自分を取り戻した。


だが、まだ全てが終わったわけではない。シアの魔法は依然として強大で、彼女がその力を完全に制御できるようになるには、さらなる時間が必要だ。


「アルノ、私は…」


シアは少し息を整えながら、彼に向かって言った。


「私は、この力を使うことで自分を失ってしまうかもしれないと思っていた。でも、今は分かる。私は一人じゃない。あなたがいる限り、私は自分を信じて、この力を使いこなせる。」


その言葉に、アルノは微笑みながら頷いた。


「お前が信じられないなら、俺が信じるから。だから、もう恐れるな。」


その時、突然、周囲に現れた影が彼らの前に立ち塞がった。それは、まるで試練のように現れた存在だった。


「力を制御する覚悟があるというのなら、次の試練を乗り越えなければならない。」


その声は、アゼリウスのものだった。彼は冷徹な目で二人を見つめながら言った。


「だが、試練を乗り越えた者だけが、この力を完全に使いこなせる。」


アゼリウスの言葉に、アルノとシアは再び覚悟を決めた。


「試練…それを乗り越えれば、シアの力を本当に制御できるんだな?」


アルノはアゼリウスに向かって言った。


「そうだ。」


アゼリウスは静かに答えた。


「だが、試練はお前たち二人の絆を試すものだ。力だけでは乗り越えられない。お前たちの心の強さが試される。」


その言葉に、シアは少しだけ迷いながらも、再びアルノを見つめた。


「アルノ、私は本当にあなたと一緒に進んでいけるのだろうか…?」


シアの声には、不安が混じっていた。しかし、アルノはその不安を力強く振り払うように言った。


「俺がいる限り、お前は一人じゃない。」


アルノはシアの手をしっかりと握り、彼女の目を見つめた。その瞳には、揺るがぬ決意が込められている。


「俺たちは、どんな試練でも乗り越えてみせる。」


その言葉に、シアは少しずつ心を落ち着け、そして覚悟を決めた。


「ありがとう、アルノ。」


シアは静かに微笑みながら言った。


その時、再び周囲の空間が変わり、二人は新たな試練の場に足を踏み入れることとなった。そこには、彼らを待ち受ける数々の試練が待っている。だが、二人はその試練を乗り越えるために、強い絆を信じて進むことを誓った。



シアの力が制御され、二人は新たな試練に向けて進んでいく。

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