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アルノとシアは、巨大な魔法の結界に囲まれた空間に立っていた。目の前には、かつての家族との思い出が映し出されたような幻影が揺れている。それはまるでシアの過去そのもので、彼女が失ったものの全てがこの空間に集約されているかのようだった。


「シア…」


アルノは優しくシアの手を握りしめた。彼女の目には不安と恐れが入り混じった表情が浮かんでおり、彼女がどれだけ過去に囚われ、苦しんできたのかが見て取れた。


「これが、私の力の源。これが私を支配する魔法の核心。」


シアの声は震えていた。目の前に広がるのは、彼女が隠していた恐ろしい記憶だった。それはただの力ではなく、彼女の過去の全てが凝縮された禁断の魔法だった。


「でも…もし、私がこれを使ってしまったら、きっと…」


シアは言葉を詰まらせ、目を伏せた。彼女の魔法の力には、制御を失うことで大きな代償が伴うという恐れがあった。もしその力を使い切ってしまえば、シアは命を失うかもしれない。


その時、アゼリウスの冷徹な声が響いた。


「シア、お前はその力を完全に制御できるのか?」


アゼリウスは冷静に問いかける。その目は真剣で、無駄な感情を一切排除したように見えた。


「私は…制御なんてできない。」


シアの声はか細く、切実だった。


「これを使えば、また過去が蘇って、私はさらに深くその力に引きずり込まれてしまう。でも…アルノがいるから、私は…!」


シアはアルノを見つめ、その手を強く握りしめた。その目には、彼に対する深い信頼と共に、これ以上その力を使いたくないという強い願いが込められている。


「シア…」


アルノは彼女の顔を見つめた。その瞳には決意が込められており、彼女を守るために何でもすると心に誓った。


「シア、俺はお前を救う。それがどんなに難しいことであっても、俺はお前を守る。」


アルノは強く言い切った。


その言葉に、シアは驚きの表情を浮かべ、そして涙をこぼした。彼女の心の中で、ずっと一人で抱えてきた苦しみや孤独が少しずつ解けていくのが感じられた。


「でも、アルノ…私の力は危険だ。あなたを傷つけたくない…」


シアは悩んだ。彼女はもう一度、過去を繰り返すことを恐れていた。しかし、アルノの瞳には揺るぎない信念が宿っていた。


「俺は、お前の力を受け入れる。お前の過去を受け入れる。それが俺の覚悟だ。」


アルノはそのままシアを見つめた。


その時、突然、周囲の空間が歪み、強い圧力が二人を取り囲んだ。魔法の結界が激しく震え、暗闇が押し寄せてきた。


「この力を使う覚悟があるのか?」


アゼリウスの声が再び響く。だが今回は、どこか意味深な響きがあった。


「覚悟がないなら、今すぐここを離れろ。だが、お前がその力を使うならば、必ず代償を払うことになる。」


アゼリウスの言葉に、アルノは少しだけ迷った。しかし、シアを守りたいという思いがそれを打ち消した。


「俺は、シアと共に進む。」


その一言で、アルノは全てを決意した。


「そうか。」


アゼリウスは静かに頷くと、手を広げて結界を解放した。その瞬間、結界の中で渦を巻いていた暗闇が一気に消え去り、代わりに眩い光が二人を包み込んだ。


「シア…」


アルノはその光の中で、シアの手をさらに強く握りしめた。


「今、私の力が解き放たれる。」


シアの目に、強い決意と共に一筋の涙が流れた。それは過去の悲しみと、これから進む未来に対する覚悟の証だった。


その瞬間、シアの体が輝き始め、風が強く巻き起こった。彼女の魔法の力が、暴走しそうな勢いで解放されていく。アルノはその力に立ち向かい、彼女の側に立ち続けた。


「俺はお前を守る。お前の力を、俺が受け止めるから。」


アルノの言葉に、シアはついに全てを委ねる覚悟を決めた。


そして、二人の絆が試される瞬間が訪れた。



シアの禁断の力が完全に解き放たれ、アルノと共にその力を受け入れる時が来た。

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