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第5話:災いの予言

森を抜け、村の入り口が見えてきた頃、ガードとイリスの前に突然、霧が立ち込めた。道が見えなくなり、不穏な気配が辺りを包む。ガードは立ち止まり、盾を構えた。


「イリス、何かが来る…!」


その時、霧の中から静かに姿を現したのは、黒いローブを纏った謎の人物だった。フードに隠された顔はよく見えないが、その瞳だけが不気味に輝いている。手には鋭利な剣を握っていた。


「お前が、伝説の盾を手にした者か…」


低く、重々しい声が森に響き渡る。ガードは警戒しつつ、その敵を見据えた。


「誰だ…? 何の目的でここに?」


ガードが問いかけると、謎の人物は嘲笑するように口元を歪めた。


「私の名など、今は必要ない。ただ一つ、忠告しておこう。お前がその盾を持ち続ける限り、村には破滅が訪れる。お前が運命を変える力を持つことに気づかぬ限り、全ては無意味だ」


「破滅…? どういうことだ? なぜ僕が村を危険に晒していると?」


ガードはさらに問い詰めようとしたが、ローブの男は言葉を返さず、剣を振りかざして襲いかかってきた。ガードは咄嗟に盾を構え、攻撃を防いだが、その瞬間、盾が再び生命を刈り取る力を発動しようとするのを感じた。


「やめろ…!」


必死に制御しようとするが、刈り取る力が暴走しそうになる。だが、イリスが素早く間に入り、何かを呟くと、魔法の光がガードの盾を包み込んだ。力が抑えられ、ガードは何とかその場を持ちこたえることができた。


「ガード、冷静に…彼を倒すのが目的じゃない。逃げるのよ!」


イリスの言葉にガードは頷き、すぐに後退した。謎の敵は再び姿を消し、霧も次第に晴れていった。



---


村の入り口まで辿り着いたガードは、立ち止まって息を整えた。謎の敵が告げた言葉が、頭から離れない。


「僕が盾を持ち続ける限り、村に破滅が…」


「気にしないで、ガード。あの男の言葉には何か裏があるはずよ。でも、今は村長に話を聞いて、状況を整理しましょう」


イリスの助言に従い、二人は村に入った。だが、そこでも予期せぬ異変が彼らを待ち受けていた。村人たちは二人を避けるように振る舞い、その態度は以前のような温かさを感じさせなかった。



---


「ガード様、イリス様。村長がお呼びです。お急ぎください」


村人の一人が、緊張した面持ちで二人を案内する。村長の家に着くと、村長が厳しい表情で彼らを待っていた。



---


村長から伝えられた予言は、ガードにさらなる重荷を課すものだった。


「『盾を扱う者、喜びと共に村に災いも呼び込む。西へ向かえ、さすれば道は開ける』」


村長はその古い言葉を告げると、静かにガードを見つめた。


「お前は村を守りたいと思っているだろう。しかし、あの盾はただ守る道具ではない。その力が村に破滅をもたらす前に、西に向かわねばならない」


「西へ…何が待っているんですか?」


ガードの問いに村長は答えず、ただ「運命はお前自身の手で切り開くしかない」と告げた。



---


こうして、ガードとイリスは村を後にし、新たな冒険への一歩を踏み出す。しかし、あの謎の敵の言葉が、ガードの心に不安を残し続けていた。果たして、自分は本当に村を守れるのだろうか…?


次回、第6話では、ガードとイリスが西へ向かう旅の途中で新たな敵や仲間と出会い、さらに盾の力とその運命が明らかになっていきます。



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